パルデンの会

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欧州への不法移民の国籍が激変している

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)1月10日(水曜日)
        通巻第8086号   
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数年前まで欧州へ流入した中国人が大きな政治問題だった。
欧州への不法移民の国籍が激変している。
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2023年にドイツに這入り込んで、亡命を申請した外国人の難民は351,915人。前年比51パーセント増となった。
当局の集計では、最も多い難民申請はシリア人で104561人、次いでトルコが62624人、アフガニスタン人が53582人だった。え? チャイニーズは?

ショルツ政権は、ドイツに流入する大量の移民を抑制するため、厳格な新措置をとることにした。亡命手続きの迅速化、亡命希望者への給付制限、国家からの財政支援の拡大など野党との妥協案に合意した。

数年前まで欧州へ流入した中国人が大きな政治問題だった。
ちょうど十年前から、この問題に焦点が当たった。中国人の流入イギリスとフランスで当時すでに60万人。イタリアでおよそ19万人、オランダは約12万5千人だった。もっとも英仏蘭では百年も前から伝統的なチャイナタウンを形成してきた。ロンドンのチャイナタウンは横浜の中華街と同じ風景である。

この「老舗」中華街に新移民が流入し、凄まじい勢いで繁殖した。
最新の統計がでていないが、EUのシェンゲン協定により、たとえギリシアへ入国すれば、あとは何処へ行ったか、正確な追跡調査ができない。不法移民の蝗の大群は、戦争前のウクライナ経由が主だった。

ウクライナ汚職腐敗が明るみに出たが、ウクライナ・マフィアが中国マフィアと組んで密航ルートを築き、彼らはせっせと中国人をウクライナからモルドバスロバキアハンガリーなど経由して西ヨーロッパへおくりこんだ。
アルバニアの片田舎に旅行したとき、中華料理レストランがあって驚いた。聞くと、かれらは三年前から住み着き、商いは繁盛していて、また親族を呼び寄せる予定だと言った。

日本と同様、欧州でも中国人旅行者の「爆買い」を見かけなくなった。
ルイビュトンなど高級ブランド店も収益面でチャイニーズツアーの重要性が低下した。2020年以後、武漢肺炎の蔓延で中国人の消費行動も大きく減退し、くわえて中国からの航空運賃が80%も高くなった。欧州への旅行者数は2019年比で64%激減した。
 不法移民の国籍が激変している。

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