「人を引きずり落とす風潮がある」 清華大学教授が中共統治下の世相に警鐘
北京、中国 - 6 月 9 日: 天安門は、2012 年 6 月 9 日に中国の北京で日没の下で見られます。 (写真提供:Feng Li/ゲッティイメージズ)
新唐人テレビ 2025/08/22 更新: 2025/08/22
8月19日、中国・清華大学法学部の労東燕教授が微博に投稿し、近年の中国社会には「すべての人を引きずって下へ落とすような強烈な力」が存在すると指摘した。
彼女は、粗野な態度が本性として持てはやされ、美しいものが容赦なく壊される現状を批判したが、この投稿は公開から10時間も経たないうちに「有害な時事情報」との理由で検閲され、削除された。
労氏は文章の中で、この「下へ引きずる力」がますます強まり、そのような環境下では自らの立場を守り流されまいとする人こそ「有罪」とされる状況となっていると述べた。こうした空気は、正常な認識力や共感力を持つ人々に無力感や苦痛、抑圧をもたらしていると指摘する。
また、もし現在の社会で「平穏無事」だと感じ、圧力や苦痛を覚えない人がいるとすれば、それは心理学的に「深刻に病んでいる」か、あるいは「極めて鈍感」だからだと断じた。
さらに労氏は、多くの人々が自らの圧力や苦痛を怒りへと転化し、弱者にぶつけて「皆で一緒に悪くなろう」という心理状態を呈しているとも分析。このような投げやりの行為は社会的崩壊を加速させ、誰も無傷ではいられないと警告した。
そのうえで、こうした「下落する力」に抗うには意識的に反作用を生み出す必要があり、その際には「戦略と戦術が極めて重要」であり、注目すべきは「一つの戦いの勝敗」ではなく「社会全体の結末」であると強調した。
投稿削除後、労氏は再び微博に書き込み、「公開されてから自分だけが閲覧できる状態になるまで10時間もかからなかった。間違いなく誰かが通報し、『有害な時事情報』という理由で削除された」と述べた。
さらに、「通報した人」や「検閲を行った当局」は、自分自身が「溝=閉塞した環境、抑圧の中」に暮らしているため、「他人(労氏)も同じように溝の中でいるべきだ」と思い込み、他人の自由な言論を許さず引きずり込むのだと痛切に批判した。
労東燕氏は2016年に「中国人文社会科学で最も影響力のある若手学者」および「第2回首都十大傑出青年法学者」に選出された実績を持つ。過去には当局から弾圧を受けた清華大学の許章潤教授を公然と支持したこともあり、その発言はしばしば敏感なテーマに触れるため、削除や規制の対象となってきた。
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