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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)12月27日(土曜日)
通巻第9087号
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中国金融界の怪談(その2)
銀行預金凍結、銀行員は解雇。経営者は逃亡。警官も給与遅配
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中国建設銀行(CCB)会長に張金良が、田国立の後任として董事長に就任した。田は年齢を理由に辞任したのだが、責任をとらされる前にさっと身を引いたのではないかと言われる。田国立は中国銀行の会長から建設銀行の会長に転じていた。
中国建設銀行は、中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行と並んで中国四大商業銀行のひとつ、中央銀行は中国人民銀行である。
国有銀行を中心に世代交代や経営の若返りが図られており、この人事もその一環と見る向きもある。
中国銀行は香港ドルの発券銀行でもあり外国為替を専門として1905年に設立された。北京市に本店を置き総資産は16兆8156億人民元。2016年には世界第5位にランクされたこともあった。中国経済がピークの時はこれら四つの国有銀行が世界の銀行ランキングで十傑に並んだこともあった。あれは蜃気楼だった。
CICC(中国国際金融)は、中国拠点の大手投資銀行で、中国内外の企業や個人に投資銀行業務、証券取引、資産運用、リサーチなど多岐にわたる金融サービスを提供している。中国政府系ファンド「中国投資(CIC)」が最大株主。国際的な金融機関として事業を拡大してきた。中国本土に多数の支店を、世界の金融センターにも拠点を持ち日本法人(中国国際金融日本株式会社)も設立している。
このCICCが銀河証券を合併し、資産規模で国内3位の証券会社が誕生する見通しとなった。この合併劇が象徴することは何かといえば、中国金融界の大規模な再編なのである。CICCは黄金株を発行したりして政府出資分への優先を保障する一方で、最近の情報では経営トップが退任したという。
また国際的な中国の金融機関も再編の予兆がある。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)の行方だ。
パキスタンの有力紙「DAWN」(12月24日)に依れば、パキスタンとアジア開発銀行(ADB)は、送電強化プロジェクトと国有企業(SOE)変革プログラムに総額7億3000万ドルを融資する。合意では、第2次送電強化プロジェクトは3億3000万ドル、国営企業変革加速プログラムは4億ドル相当となっている。
このニュース、何が不思議かと言えばAIIBの影がないことだ。
AIIBは習近平の肝いりで2013年、シルクロードプロジェクトを金融面で支える中国初の国際銀行として設立された。
日米は最初から冷淡で不参加を表明した。抜け駆けで英国や西欧がAIIB参加を署名したため、2015年発足時には111ヶ国が、プロジェクト融資を狙って参加した。
2016年に業務を開始したが、中国国内プロジェクトより海外重視となった。
最初の融資案件はインドだった。これまでに600億ドルの融資が報告されているが、近年はADBとの協調融資が多く、AIIB単独の案件は減った。
十年総裁をつとめた金立群は引退が決まった。
銀行の不況、倒産への秒読み、預金者の反乱、各地で銀行前の暴動、そして取り締まる側の警官も給与遅配が目立ち、わずか1キロのスピード違反でも罰金を取って糊口をしのぐ有様という。
地獄が迫った。逃げるが勝ち?
(この項、続く)
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