パルデンの会

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暴動から1年、募る不信…新疆ウイグル自治区

暴動から1年、募る不信…新疆ウイグル自治区

(2010年7月5日23時01分  読売新聞)
ウルムチ=関泰晴】中国新疆ウイグル自治区ウルムチの大規模暴動から1年がたった5日、当局は同市で武装警察などを大量動員した厳戒態勢を敷き、民族衝突をはじめとする混乱を封じ込んだ。
 胡錦濤政権が安定維持策として頼るのは、やはり「力」だ。暴動当時、激しい敵意を燃やした漢、ウイグル両民族の心は、なお分断されたままだ。
 ウルムチ中心部の繁華街では5日、小銃や警棒を持つ武装警察が、30人1組で何台もの軍用トラックに分乗して巡回した。ウイグル族居住区に通じる交差点には警察の装甲車が配置され、一部道路が封鎖された。
 ウイグル族の多い地区では、暴動以降、漢族住民が逃げ出すように漢族の多い地域に引っ越し、民族の分断状況が自然に生まれ、定着した。共産党・漢族に対するウイグル族の不満に劣らず、ウイグル族に対する漢族の恨みも深い。
 1年前、経営する雑貨店がウイグル族に襲われたという漢族男性は、「あれから、ウイグル族の飲食店に行かないことにしている。あいつらは漢族の食べ物に毒を入れるかもしれない」と真顔で話した。
 飲食店で働く20歳代の漢族男性は「ウイグル族は中国語も上手に話せず、仕事もできない。漢族と競争しても負けるので『不満だ』と言って暴動を起こす。理解できない」と突き放した。
 シルクロードの民族情緒を味わいたい観光客さえ、ウイグル族を避けている。5日、漢族観光客は大型バスでウイグル族居住区にある商業施設に乗り付け、買い物を済ませると即座に立ち去っていた。浙江省のツアー客は「歩いてここに来るのは怖い」と話した。
 漢族が一様に強調したのは、「武装警察がいれば安心」ということだった。
 こうした状況下、党・漢族に対するウイグル族の不信も増幅する。貿易会社で働くウイグル族男性は「漢族が我々を信用していないのは、警備状況を見ればすぐに分かる」と冷ややかに語った。