パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

劉氏のノーベル平和賞-1


日本は世界を読み間違った
この場に及んでも 
まだ 中国共産政権を 支援するのか?




劉氏に平和賞】オバマ米大統領「一刻も早い釈放を」
2010.10.9 00:47

 【ワシントン=犬塚陽介】オバマ米大統領は8日、「劉暁波氏のノーベル賞受賞を歓迎する」との声明を発表した。大統領は、劉氏について「(民主主義や人権など)万国共通の価値を平和的に推進する勇気あるスポークスマンだ」と称賛し、劉氏の一刻も早い釈放を中国政府に訴えた。

 また、劉氏の受賞は、中国がこの30年で目覚ましい経済発展を遂げる一方で、「政治的な改革」が追いついていないことの表れとも指摘。中国政府に対し、「基本的な人権は尊重されなければならない」と注文をつけた。


【劉氏に平和賞】仏外相が釈放要求の声明


2010.10.8 20:59
香港の中国当局事務所前で、劉暁波氏の写真を掲げて抗議する民主派議員ら=09年6月(AP=共同)香港の中国当局事務所前で、劉暁波氏の写真を掲げて抗議する民主派議員ら=09年6月(AP=共同)

 【パリ=山口昌子】中国の民主活動家、劉暁派氏へのノーベル平和賞受賞が発表されたことについて、フランスのクシュネル外相は8日声明を発表し、「フランスは何度も劉氏の釈放を呼び掛けてきた。今後もこの呼び掛けを繰り返す」と述べ、改めて中国政府に劉氏を釈放するよう要求した。

 また「ノルウェーノーベル賞委員会が独立した方法でこの選択をしたことで、人権擁護のため平和的に戦うすべての人々に、強いメッセージを送った」と同委員会の決定を高く評価した。


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成22年(2010)10月9日(土曜日)
通巻3094号 <臨時増刊>
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ノーベル平和賞はミステリー>

劉暁波ノーベル平和賞受賞は中国をどのていど変えるだろうか?

  北京は目前の五全中会を如何に乗り切り、国際社会に復帰できるか?

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 高慢ちき、傲岸不遜の鼻がへし折られた。中国共産党は青ざめ、不快感を表明した。胡錦濤は治安担当の李長春に対して「中国国内メディアは、このニュースを配信しないように」と指示した。外交部、安全部、中央宣伝部が対応し、CNN、NHKなどのニュース画面がまっ黒になった。
 
しかし町ではインターネットで電話により民衆は晴れ晴れとして祝意を示した。都市部の若者は中国人のノーベル平和賞受賞を知ったが、農村部では「劉暁波って誰?」という反応。
あれほど欲しかった、中国の自慢と矜恃になるはずだったノーベル賞。それを劉の受賞は「ノーベル賞を冒涜する」ことになるんだとさ。
ともかく天と地のアンバランス!
 
中国は早速、駐北京ノルウェイ大使を呼び出し、抗議した。「犯罪者にノーベル賞を与えるとはノーベル精神に反する」というわけだ。
 中国は当面、「ノーベル平和賞なんぞ権威もなく、これは西側の陰謀」と言いふらし、時間を稼ぐ作戦にでるだろう。
 
 2010年10月8日、ノルウェイノーベル平和賞選考委員会は、中国の遼寧省錦州の獄中にある民主活動家の劉暁波の受賞を発表した。世界のメディアが大きく伝え、日本の産経新聞等は号外をだした。
 
劉暁波は「08年憲章」の起草者として知られ、中国共産党の独裁政治をするどく批判してきた。このため中国は「国家政権転覆扇動罪」なる奇妙な法を適用して劉暁波を拘束し懲役十一年。
 
 ウォールストリートジャーナルは、すぐに北京の劉夫人を電話でインタビューした。「月に一度面会が許され、九月七日にも錦州の収容所であった。夫は元気で一日二回の体操をしていると言っていた」と彼女は健気に答えた。
 
 
ノーベル平和賞選考委員会は、なぜ劉暁波を受賞者とせざるを得なかったのか。
 
 中国からの圧力、中国との決定的不仲になることは明らかだった。
 ノーベル研究所のルンデスタッド所長は「中国の溥宝外務次官が『もし劉が受賞となれば中国とノルウェイの関係に悪影響が出る』と」、恐喝的言辞をはいて圧力をかけてきたことを認めた上で「中国が警告してきたことは以前にもあったが、委員会の選考にはなんらの影響がない」と言明してきた(NewsWeek、10年10月13日号)
 
しかしノルウェイとしてみれば、中国が激怒して関係が悪化するよりも、欧米を中心に劉暁波へ受賞をという運動が巨大な津波のように拡大しており、もし、劉が受賞を逃すとなると逆に「中国全体主義に屈したノルウェイ」という評価となって国際評判が下落する。そのほうのリスクがより高い。
 
最初は小さな運動だった。
在米の亡命中国人らが、かつて魏京生にノーベル賞を!と言って運動を開始し、ついで方励之に、AIDS騒ぎの時は勇気をもって告発した高耀潔女医(現在は米国に亡命)にと。08年には民主活動家の胡佳に、09年には「ウィグルの母」ラビア・カディール女史にと騒いではみたが、ノルウェイの反応は冷たく、09年には核軍縮を唱えただけのオバマ大統領が受賞という番狂わせが続いた。
 
七月にチェコの元大統領バーツラフ・ハベルらが動き出した。ハベルはチェコ民主化の源泉「77憲章」との類似を劉暁波に見たのだ。
 
自由、民権、人権の重大さを訴えるために中国の民主化を希望する欧米の知識人が、この列に参加した。欧米にいる中国の自由民権派を勇気づけた。かれらは大挙して署名運動をはじめ、ノルウェイにも支持団体が乗り込んだ。
 
 
 
▲肝心の民主団体が分裂していた
 
日本の尖閣諸島領海への強引な割り込みも、じつは欧米で大きな記事となり、大半が日本に同調的であるばかりか、中国の横暴を批判する記事が強くなった。とくにアジア諸国が、中国の専横、その軍国主義的傾向を嫌悪しはじめた趨勢の変化も、ノルウェイの判断に潜在的インパクトを与えたフシがある。
 
こうなると劉暁波が受賞する動きは決定的と言って良かった。ノルウェイとしては劉いがいに与える場合、中国の激怒を招こうが中国以外の国々から評判を落とされるデメリットのほうが大きい。
 
ところが他方、法輪功など「ハードライナーの亡命団体」は劉暁波の受賞に強く反対してきた(NYタイムズ、10月8日)。「かれは言葉で独裁政権を批判したが実践面では何をしたというのか」と。
 
欧米の中国人亡命組織、反中国政府団体、民主化グループは、1980年代より分裂状態が深刻である。
十数団体が別個の活動を展開しているものの団結力を欠く。いまや先輩格の「中国之春」を誰もが無視し、ウアルカイシの盛名も欧米では一時的であり、女性リーダーだった柴玲の名前は久しく聞かれなくなった。
 
王丹はハーバード大学特別講師から台湾の政治大学教授へ移籍し、いまは台湾の清華大学教授をしている。
かれは素直に受賞を祝した。
 
李録はコロンビア大学留学中に全米大富豪のウォーレン・バフェットを知り、いまでは米国有数のファンド・マネジャー。李はいまも天安門事件指導者としてリストに残るが、アメリカ市民権を取得し、2010年九月にはバフェットともに中国に凱旋し富裕層を集めて投資セミナーを開催した(『週刊新潮』、10年10月14日号)。
 
天安門事件直後の西側の積極的支援も数年で雲散霧消し、『中国民主党』の王丙章が中国に潜入して逮捕拘束され、無期懲役をうけても釈放運動は米奥で盛り上がらなかった。
分裂は世のならい、組織運動の宿命とはいえ、今回の劉の受賞を喜んでいない団体も数多いのは意外であろう。
 
 
オバマ大統領も欧米政治家も公式に祝賀、「早期釈放」を中国の要求
 
オバマ米大統領はただちに祝意を表明した上で、劉暁波の早期釈放を要求した。欧米政治家の多くがこれに呼応した。台湾でも馬英九総統が祝賀の辞をのべ、野党党首は即時釈放を要求するとした。
 
ところが日本は?
自由と民主主義を謳うはずの日本の首相は「そういうことだ」と意味不明の言葉を吐いて、即時無条件釈放を求めていない(9日午前6時現在)。
 
ちなみにノーベル文学賞はバリガス・リョサ(ペルー元大統領)ときまって本命視されたムラカミハルキは受賞を逃した。


 
 それは何か。尖閣紛争の時に私が「支那が恥をかく」と考えた最大の理由でもあるのだが「レアアースの禁輸」なのだ。
 支那は日本に対してレアアースを使って恫喝した。先日嘲ったように企業に対してアンケート調査をするようなどこぞの頭のおかしい国よりもはるかに敏感に反応したのが、実は欧米、特に欧州だった。
 「なるほど支那は政治と経済を混同するのか。経済を恫喝の道具に使うのか」と悟ったのである。
 全くの偶然であるが劉さんのノーベル平和賞受賞と軌を一にしてウォール・ストリート・ジャーナルがこのことについて分析しているのが面白い。

 <中国、ノルウェー大使に抗議=ノーベル平和賞めぐり>
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010100900004
 <ノルウェーからの報道によると、同国外務省は8日、ノーベル平和賞に中国の民主活動家、劉暁波氏が決定したことを受け、中国当局ノルウェーの駐中国大使を呼び出したことを明らかにした。>
 ノルウェー外務省がこうして国際社会に「こんな恫喝をされていますよ」とアピールするのが外交というものだ。日本も「どこの国にも起こりうる」ことを使って、国際社会に支那の横暴を訴えることが大切なのだ。
 明日にでも書こうと思うが、尖閣紛争にもっとも敏感に反応したのがインドだった。支那が虎視眈々と国境を狙っているあの国にとってはひとごとではないからだ。
 同じく国境の島を強奪されているベトナムやフィリピンもそうだろう。こうした国々と、たとえば「海洋アジア諸国懇話会」のようなものをやる。名目なんぞどうでもいいのである。支那がもっとも嫌がることだ。
 日本からも何か賞を劉暁波さんに出す、義心あふれる団体はないのだろうか。
 
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世界を読み違える政治家を持った、悲劇、不幸、災難

【劉氏に平和賞】ノーベル平和賞菅首相「受け止める」
2010.10.8 21:02

 菅直人首相は8日夜、中国の民主活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞決定に関し、「普遍的価値である人権について、ノルウェーノーベル賞委員会がそういう評価をし、メッセージを込めて賞を出した。そのことをしっかりと受け止めておきたい」と述べるにとどめた。中国国内で劉氏の受賞を伝えるNHKの海外テレビ放送のニュース番組が突然視聴できなくなったことには「事実関係を把握していない。ノーコメントだ」と答えた。