パルデンの会

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小沢一郎 VS 勝谷誠彦 in 赤坂

有料ブログよりの転載であるが ここに転載せずにいられない
勝谷誠彦の××な日々 で勝谷さんと小沢さんの対談だ!!

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 2010年12月23日号。<小沢一郎さんと呑んだ>。


4時半起床。
天長節。77歳になられた天皇陛下のご健康を祝し、ますますのご長寿をお祈り奉る。お誕生日に当たってのお話がまた素晴らしい。これについてはあとで。

「日本でいちばん会いにくいひと」と呑んで来た(笑)。総理大臣も幹事長も会うのに苦労した人である。
小沢一郎民主党幹事長だ。溜池の全日空ホテルにある和食の店『雲海』で2時間半あまりにわたって徹底的に話した。
小沢さんが何を考えているかというのが、いまもっとも政治家も記者クラブの方々も知りたいことだろう。それを私はすべて聞いた。聞いてしまった以上責任が伴う。「今日会ったことはおおやけにしましょうか、墓場まで持っていきましょうか」と尋ねると「いやあ、好きなように」とのことだった。
これは私が日本国のために言うべきことと黙っているべきことを自分で決めろと言われたのだと感じた。と同時に、そこまでハラをくくって私に話してくれたのだと。であれば、私の国士としての態度もまた試されることになる。そのことを心がけながら、あなたや、あなたにだけ、私が伝えられることを書きたいと思う。
ちなみに、あれほど小沢さんのことを「外から勝手に」書いている大マスコミの記者クラブの方々におかれては、小沢さんとの会食が終わった時には『雲海』の外側に雲海のごとくたまっておられた。小沢さんは私のことを気にして「俺が引きつけておくから」と言って先に出た。関係者は「裏口にご案内しましょうか」と言ったが私はさきほどの小沢さんの言葉もあって「いや、堂々と出て話すことは話すよ」としばらく遅れて帰った。
小沢さんがほとんどの記者を連れて行ったのだろう。しかし20人ほどがまだエレベーターホールに残っていた。私に向かって疲れた視線を送ってきたが、誰一人反応はなかった。つかまえていたら、今朝の朝刊に大きな見出しを立てる話をしてあげたのにねえ。
鈍いのかルーティンに疲れているのか記者クラブを潰したいという人間には接触しないようにしているのか。わかりませんが、まことに脱力感のあるだらしない光景だった。

旧知の梅村聡さんと、初めての友近聡朗さんというふたりの国会議員が同席した。あとは秘書も誰もいない個室である。そのふたりも私と小沢さんの話を聞くという姿勢で、ほぼサシでの2時間半だった。
小沢さんはかなり呑まれる。生ビールから始まって日本酒の燗酒を3合。ほぼ毎日そうらしい。小沢さんの健康を巡ってはさまざまな憶測記事が飛び交っていたが、医師である梅村さん同席の中で、私はほぼ把握できたと思った。きわめて健康。セルフコントロールがきっちりできている。「心臓をやるまでは毎晩いくつもの席を掛け持ちしたけど、いまはひとばんひとつと決めている」のだそうだ。それが今年の忘年会のピークであった昨晩は私たちとの席だったということになる。
私たちはコースを食べたが小沢さんはオリジナルのメニューだった。食べ物ばかりは私はひとこと言わせてもらうが(笑)きわめて低カロリーで高タンパク。酒も私を見ながら「本当は冷やがいいんだよなあ」といいながら身体のことを考えて燗酒だ。
健康に対する凄味がある。その万分のいちほどなら私も心がけているが「いざ鎌倉」の時に身体が動かなくては終わりなのである。その一瞬のために兵を養うというのがなにかをしようとするひとたちの志なのだ。小沢さんは破れかぶれになってもいなければ、あきらめてもいない。そのあとの対話でそれは十分にわかるわけだが、まず私は食べ物を通じて彼の闘争心を強く感じたのであった。

では、小沢さんの現状認識についてお話ししようか。
「あきれている」のひとことだろう。同時に「困っている」のである。話していて強く感じたのはやはり「もとは自民党の人」だということだ。自民党が生まれ変われるのであればその仲間と日本国を変えたいと思っていたのだろう。しかしそれが無理なほど自民党が腐敗してしまった。だからこそ外に出て結果として民主党を組織化し選挙に勝って政権をとった。いま書いていて思うがそれをすべてやったのは小沢一郎という人であって、菅直人でもましてや仙谷由人ではない。
先日の菅首相とのやりとりも逐一聞いた。とにかく「感情的」だったようだ。罵倒といってもいいだろう。やりとりを聞いていて、子供のケンカだと思った。小沢さんはコドモではなく、同じ土俵に乗ってはいない。あちらが小学生のたまたま学級委員になったガキがわめき散らしているようなのである。
国会の場に出ろという。小沢さんは出ないとは言っていない。しかしそれは大きな切り札であって、出たあとに野党とのどういう「絵」が描けているのかという担保が政治家としてはどうしても欲しい。しかし菅さんたちには一切ない。片道燃料で突っ込ませておいてあとは「あ~あ、終わっちゃった」である。つまりは小沢一郎という政治家を殺したいだけなのだ。
小沢さんは三権が分立しているのだから、司法が自分を裁くという以上、そこに任せるべきだと主張した。しかし菅さんはびっくりするようなことを言った。「三権分立だから、立法府が独自に何をしようと勝手でしょう」。さすがは大切な(嘲)憲法9条を無視してでも邦人救出のために自衛隊を出そうと、思いつきで言う人である。
「誰が彼にそういうことを吹き込んですか」というのが私の疑問だった。日本国の首相であればブレーンがあまたいて「それは違います」と言いそうなものだ。しかし小沢さんも二人の国会議員も首をひねっていた。出た結論は「やはり仙谷さんしかいないのかなあ」であった。
人物論、続く。菅さんに先立って会談した岡田克也幹事長について小沢さんは苦笑しながら語った。もともと岡田さんこそ自民党時代に元祖の「小沢チルドレン」なのである。最初の選挙の選挙区での調整からすべて小沢さんが面倒を見ていた。
当時から「原理主義者」だったが政治家になればそれは変わっていくのだろうと小沢さんは思っていた。それが「そのままなの」だそうだ。幹事長という仕事はもっとも寝業が必要な職務だ。そこに子供がそのまま大人になったような人物がいることの悲劇がいまの民主党である。
イオンの御曹司として企業献金をめぐる生臭い話もあった。なるほど小沢さんはすべての情報を把握していると再確認した。こういう人を相手に、いま官邸を乗っ取っている連中は本気でケンカするつもりなのかな。

私たちと違って湯豆腐を食べ3合の酒を愛おしむように呑む小沢さんは明らかに勝負をかけている。「いまここで民主党が頑張らなくては日本は滅びる」と何度も言った。ここで言う民主党は、極左売国政権(これ、私は小沢さんにハッキリ言った・笑)が乗っ取っている官邸のことではない。人びとの日々の営みをきちんと担保すると約束して政権を預けていただいたあの民主党である。
二人の国会議員に向かって「君たちは面白い時代に出会って幸せだなあ」とも小沢さんは言った。いつもここで書いている私の感慨と同じだ。利権談合共産主義の中で何も変わらなかった自民党時代よりはマシなのだ。
そうそう。こういう話は政治部のクラブ記者たちは好きそうなのでひとつだけサービスするが(笑)菅直人というひとの素顔を見せる発言を聞いたなあ。
柳田稔法相のクビを差し出すと菅さんと仙谷さんが決めた時に小沢さんは「で、それに対してどういうメリットがあるのか」と尋ねたそうだ。それに対して菅さんは気色ばんで「そんな55年体制のようなことはしません」と叫んだらしい。
ガキである。ただの極左が政治ごっこをしているのである。談合と政治とは違う。もちろん柳田某はクビにしてしかるべき人間だ。しかし閣僚のクビを差し出してではそれが国会運営にどうメリットがあるかということを考えるのが「政治」である。良くも悪くも。こんなことを言われた小沢さんが自分のクビを渡してそれがどういう効果があるのかと疑うのは当然だと私は思った。
昨夜のいちばんの収穫はこうした、いま政権を乗っ取っている連中の「空気」を間接的ながら私が把握できたことだろう。それには梅村、友近の二人の国会議員の方々も横からいろいろと助けてくれた。結論は私がいつも言っている通りである。「国家の行方よりもオノレの権力遊びをしている極左に日本国が乗っ取られている」だ。
小沢さんは実はそんなことを信じたくなかったのかも知れない。わかってはいたのだと思う。しかし、小沢さんが一足早く出たあとの1、2分の間に私に梅村さんが言った。「小沢さんには官邸とかけて、ナニナニと解く、まではわかっていたんですよ。今日の勝谷さんは『そのココロは』をくれた」と言っていた。小沢さんも立ち上がる前に「今日は現状認識が出来た」というようなことを言っていた。この日記を読んで下さっている、あなたや、あなたならばとうにわかってくれていることだったと思うのだが。

私から彼になげかけたことを書く紙幅が今日はもうあまりなくなっているので、これはおいおい触れて行きましょう。
ひとつだけ最後に。私は小沢さんと二人の国会議員に先日ここでも書いた原宿でのデモの写真を見せた。日の丸が林立している光景である。本来ならば私は喜ぶべきかもしれない。しかしそこに感じる違和感は、いまの議会での国家論の不在に通じると私は感じている。愛国者ではなくファシストが出現しているのではないかという危惧だ。本来の保守である小沢さんならそのことがわかると思って、私はデジカメに保存していた写真を見せた。しかし、知らないんですよ。小沢さんも二人の議員たちも。そもそも。呆然としたようにその光景を見ている。でもそうでしょう。どこの大マスコミもこういう愛国運動については書かないんだから。
小沢さんの感想については書くまい。しかし認識が一致したのは成果だった。いわゆる保守だけではない。もっと良民常民の体温に密着した政府を作らなくてはいけないと、昨夜私たちは考えたのであった。
いい夜だったな。ああ、私にとっての今年の忘年会だったのかもしれない。

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