パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

<日本を代表する知性が国会の場で鳴らしている警鐘を無視する大マスコミに存在価値はあるのか>。

勝谷氏の有料ブログから転載

2011年7月31日号。<日本を代表する知性が国会の場で鳴らしている警鐘を無視する大マスコミに存在価値はあるのか>。


3時半起床。東京。
今日は半分アウトドアでのパーティなのだが空はどんより。まあ私にふさわしいと言えばふさわしいかも(笑)。
15時ごろまで飯田橋の「カナル・カフェ」でそのあとは「赤坂麺通団」のファイナルに行きます。どちらかでお目にかかれる方々はお楽しみに。

この国の大マスコミにいかにあなたや、あなたが騙されているかはこういう映像を見るとよくわかる。児玉龍彦東大教授がこうした話をしたということそのものを辛うじてNHKが報じているだけというのが現状なのである。
放射線の影響巡り参考人質疑>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110727/t10014486711000.html
衆議院厚生労働委員会は、東京電力福島第一原発の事故を受けて、放射線の健康への影響について専門家から参考人質疑を行い、この中では、周辺住民に放射線に対する理解を深めてもらうことが重要だという意見や、放射線の影響を受けやすい子どもの安全を守るよう求める要望などが出されました。>
東京大学先端科学技術研究センター教授の児玉龍彦氏は「放射線による障害を考えるときは放射線の総量を見るが、政府や東京電力からは今回の福島第一原発から出た放射線の総量がどれくらいであるかはっきりした報告がない。放射線は幼い子どもにとって非常に危険で、政府は子どもを守るために全力を尽くしてほしい」と述べました。>
いいですか。辛うじて唯一とりあげたと言っていいNHKですらこうだ。実際に児玉先生が何を語ったかというのは、映像を見てもらえばよくわかる。
http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo&feature=related
途中から目が離せなくなりませんでしたか。私は息をのんだ。日本国の最高学府と言っていい東大の最先端の教授が、これほどの危機感を持っているのである。なぜここで話されている内容が翌日の新聞の一面にならないのか。
不明にして私もこうした証言があることを灘校の同級生からのメールで知った。心して情報をチェックしているつもりでも、国会の場で日本を代表する知性が発している警告まで大マスコミに無視されてしまうとさすがに気がつきようがない。大マスコミの無能については熟知しているつもりだったが、ここまでとは思わなかった。

傾聴どころかショッキングなことが児玉先生の口から次々と出てくる。福島原発の事故の評価は放出された放射性物質の「総量」で考えるべきだということ。それで換算すれば広島に投下された原爆の20個から30個分の放射性物質がばらまかれたということ。
1年後の放射性物質の残存量は広島のそれが1000分の1なのに対して福島では10分の1にしかならないこと。
同心円状の避難区域というのはほとんど意味がなく風向きを考えるとそこからはるかに遠い場所での稲藁の汚染は当然考えられたことで当初から児玉先生などは警告を発していたということ。だからこそSPEEDIが大切だったわけだけれども、ご存じのように菅直人首相はこれをオノレの視察のパフォーマンスだけに利用して国民を見殺しにしましたね。
児玉先生はむしろヒトに放射能を「入れる」研究をしてきた。マーカーをつけた放射性物質を投与してその行方からさまざまな病気を見つけるという仕事である。だから内部被曝については専門家の中の専門家とも言える。その先生が「ホールボディカウンターでの検査は意味がない」と断言した。それぞれの放射性物質によってどの臓器にたまってガンを発生させるかは特異性があるというのである。発症の時間にも差がある。そうした丁寧な検査をしていかないといけないし、因果関係についてもなかなか関連づけることは難しい。
除染についてもそうだ。緊急避難的な除染と長期にわたる影響を取り除くこととは分けて考えないといけないと言う。イタイイタイ病カドミウムを除染するのに汚染地域の半分に8000億円かかった。今回の除染にはどれほどの…などという指摘にはゾッとせざるをえない。東京電力はもはや会社として存続していくのは無理だというのが、このことだけでもわかる。
映像、見て下さいましたか。きわめて明晰にして論理的。話をしながら左上方にあるのであろう時計をずっと気にされているのがわかる。日本の最高の知性がギリギリの時間の中でその能力のすべてをかけて警告を発しているのである。
なぜ大マスコミはこの全文を掲載しないのか。馬鹿すぎて重要性がわからないのか。この委員会にいたすべての国会議員は地元の選挙区で児玉先生の言説を伝えるべきであろう。こちらもまた馬鹿すぎて何を言われているのかわからないのか。議員の中に医師は多い。であれば児玉さんの発している警告はよくわかるはずだと思うのだが。
日曜日の今日、できれば家族でさきほどの映像を見て下さい。何が日本国で起きていて、それに対してどれほど無能な奴らが国家を運営しないるのか、その危機感を家族や大切な人と共有して下さい。であれば今日という日は意味がある一日となるだろう。


c)2011 勝谷誠彦、katsuyamasahiko.jp All Rights Reserved.
問合せ:info@katsuyamasahiko.jp
情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/dissolve.html
発行:株式会社 世論社