パルデンの会

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カダフィ独裁の崩壊劇を恐怖と畏怖の眼差しで注視する中国



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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成23年(2011) 8月23日(火曜日)
通巻第3403号  (8月22日発行)
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カダフィ独裁の崩壊劇を恐怖と畏怖の眼差しで注視する中国
北京の奥の院は、明日の我が身を心配しているのか、沈黙が長いナ
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独裁の終わりとは寂寥がただよう。
カダフィは完全に反政府軍に包囲され、息子達は拘束された。傭兵はつぎつぎと逃げ去る。トリポリ反政府軍が制圧した模様だ(8月22日午後四時時点)、米国は最後通牒に酷似した声明を突きつけている。

この独裁政権のあっけない崩落は、NATO空爆が主因である。反政府軍のちゃちな軍事力ではカダフィの傭兵には歯が立たなかった。欧米が軍事介入をきめた時点で、カダフィの末路は明らかだったが、一番焦った国の一つは中国だった。

中国はカダフィ独裁に肩入れしてつぎつぎと石油鉱区開発に精を出し、リビア天文学的な投資を敢行した。
スーダンアンゴラ、イランに匹敵するほどのプロジェクトが進捗し、リビア内戦勃発前までに、驚くなかれ、三万六千人もの中国人がリビアで働いていた。

中国は彼ら全員を引き上げさせた。
開発中だったリビア・プロジェクトはすべてが中断もしくは頓挫、損害額は邦貨換算で4800億円前後と見積もられている。

ひたすらカダフィ政嫌の存続を中国が願った理由は、カダフィ全体主義独裁だからではない、この独裁者と契約したプロジェクトが新政権になれば反故にされるかもしれないからだ。

カダフィ側の形成不利が伝わった三月から、中国はエジプトを経由してベンガジの反政府国民評議会とも接触を開始し、またベンガジ港から中国向けの石油タンカーは二回にわたって出航させた。

リビア政変以後、中国がいかなる動きに出るか? 注目である。



カダフィ政権崩壊、長年の“盟友”中国に衝撃―中国版ツイッター

Record China 8月22日(月)15時51分配信
http://amd.c.yimg.jp/amd/20110822-00000012-rcdc-000-0-thumb.jpg
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21日、42年間にわたる独裁政権を維持してきたリビアカダフィ政権が崩壊寸前となっている。これまでリビアと友好的な関係を保持してきた中国では、このニュースに大きな衝撃が走っている。写真は11年3月、リビアを取材する中国人記者。
2011年8月21日、42年間にわたる独裁政権を維持してきたリビアカダフィ政権が崩壊寸前となっている。反体制派が同日、首都トリポリカダフィ大佐の居住区を除く首都全域を制圧。これを受けて、オバマ米大統領は21日夜、カダフィ政権が「終幕に向かっていることを認識する必要がある」と述べ、同政権の即時退陣を強く要求した。

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これまでリビアと友好的な関係を保持し、カダフィ大佐を「中国人民の古き友人」とまで形容する向きもある中国では、このニュースに大きな衝撃が走っている。政府からの公式声明はいまだ聞かれないが、インターネット上では多くの意見が飛び交っている。中国版ツイッターに掲載された代表的な意見は以下のようなもの。

カダフィ大佐はいまや万人の敵。こうして中国人民の古き友人がまた去った。つまり、われわれは海外の敵対勢力には敏感だが、友人選びについては思慮が足りないということだ。こうした悪友と同盟を結んでいたわけだから」。

独裁政権がついに人民の手によって倒された!その親密なる戦友と自称していたどこぞの長期政権(=中国政府を暗喩)も、考えるべき時期が来たようだ。国民に顔向けできないようなことをもうすべきではない、今日のカダフィの境遇、明日はわが身だぞ」。(翻訳・編集/愛玉)