パルデンの会

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六日連続下落。これから人民元大暴落が始まる   経済のハード・ランディングは、もはや不可避的ではないのか?


野田首相は中国行きを断られたが、その理由は 現在の経済状況 とか 南京関係の記念日 とか
対インドとの交渉結果とか いろいろとり立たされているが とにかく 中国の 元の破綻は もうすぐであるがそれを 眺めるより、火の粉がどのように吹いてくるのか非常に気になるところである。
とにかく もう打つ手はなくいかに 少なく燃えるかだけである

経済的手も打たず 国会を閉幕する民主党!    大きなことが年明けまでに起きるのでは?



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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成23(2011)年 12月9日(金曜日)
      通巻第3512号 <12月8日発行>
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 おかしいゾ。人民元、六日連続下落。これから人民元大暴落が始まる
  経済のハード・ランディングは、もはや不可避的ではないのか?
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 安部晋三元首相が12月7日、正論懇話会の講演で、こう言ったそうである。
 「米国はドル紙幣を四倍半増発した。欧州は二倍から三倍増刷、中国はじつに七倍も通貨供給量を増やした。この環境下、日本だけが通貨増発を一倍半に控えた」。

その結果、史上空前の「円高」がおきた。異常なデフレが日本経済をがたがたに疲弊させた。
 国内産業は空洞化し、若者に就職先がなくなり、失業率は未曾有の悪性、所得は目減りし、そして生活保護世帯は200万を超え、減税するべきときに野田政権は愚かにも消費税10%を唱える。
 この経済劣化、うしなわれた二十年をさらに延長させようとするのが日本の政府。

 通貨安戦争は欧米が仕掛け、ギリシア危機で表面化したが、カンフル注射を止めなかった。だから欧米の銀行危機を先読みした投資資金は「最後のリゾート」をもとめて日本円買いに群がった。
 通常時、日本のような低金利の通貨が買われることはない。異常事態だから円が買われるのだ。日本政府はおっとり刀で合計十兆円の介入をしたが、砂漠に水だった。

同時期に日本がもし、欧米並みの通貨増発を決断していれば、円高はありえず、したがって不況が深刻化することもなかった。
財務省と日銀の政策は根本的誤謬と不作為だった。メルケルの不作為に恐怖を抱く欧州、日本銀行、政府日銀の不作為の無能を恐怖する日本国民。
その誤謬を踏襲する野田政権は救いがない。


 中国の不動産バブル崩落の震度はもっと凄いだろう

 しかしもっと救いのない国がある。
 中国の経済破綻、ハード・ランディングは時間の問題、おそらく旧正月明けあたりにおこる可能性が日々高まっている。

 第一は言うまでもなく不動産バブルの崩壊である。
 すでに2010年夏ごろから明瞭に不動産価格が凋落傾向にあって、筆者が中国各地で目撃したのは業界の深刻な不況実態の現場だった。北京で四割引は常識だった。たとえば、これまで一万五千前後だった筆者の定宿は七千円台。友人の借りている駅前のビルは賃料が四割安い。 
深センでは空室ビル、売れ残りマンション。不動産斡旋業の店先は閑古鳥、そのうえ、タクシーは日本の銀座並みの空車の列。高級ホテルは往時の三分の一のディスカウントだった。

 すでにデベロッパーの多くに倒産がでており、現場労働者の解雇がつづき、不動産店はシャッターを下ろしている。各地にゴーストタウンが出来ている。
 ならばこれからどうなるか。
建設業界、不動産業界、建材メーカー、電気工事からタイル工事、水道菅にいたるまで大規模な不況入りがおきており、これらでGDPの30%と言われたのだから、猛烈な、悲惨な結末はみえている。

 新幹線もほとんどが工事中断、鉄道部関連企業は悲鳴を上げた。
中国政府は金融緩和を泥縄式におこなって、預金準備率を引き下げたが、すでに間に合わない。そんな状態ではない。
大手デベロッパーのいくつかは生き残るだろうが、当局の政策は一義的に四大国有銀行救済、つぎに大手国有企業の救済にあり、民間企業が倒産しようが中小零細が連鎖倒産しようが、かまっている余裕はない。

不良債権の買い取り機構を拡充させ、またもや新しい負債を移し替え、また銀行の増資をやらかすだろう。
つまり紙幣の増発がつづき、人民元はいずれ暴落に見舞われる。


 第二は輸出不振、他方で輸入拡大、すなわち中国の貿易赤字である。
 輸出基地といわれた珠江デルタ地帯は、大げさに言えばシャッター工場地帯。たまさか営業中の工場はストライキ。大量の出稼ぎ労働者は職を失い、賃金不払いのため、ホームレス化し、治安が悪化している。
 対米輸出より、近年は対欧輸出の比率が高かった中国だから、ユーロ危機による対欧輸出激減は甚大な悪影響をもつ。

 輸入は設備機械、中枢部品のほか、中国では高級品が作れない鋼材、ロボット、クレーンなどだが、これらは輸入を止めれば済むことであり、被害を受けるのは日本企業とドイツだろう。
問題はエネルギーである。原油、ガス、鉄鉱石、レアメタル。そして食料、水。中国はこれらを輸入に依存しているため、人民元が安くなれば輸入コストが高くなり、インフレを招来する。
 とりわけ原油、ガス、鉄鉱石は世界各地の資源国で鉱区を買い取ってきた。その運営が難しくなり、海外資産、子会社のたたき売りが始めるだろう。


信用不安の拡大という悪性スパイラル

 第三は信用不安が拡大する。
 すでに不良債権の拡大にそなえて新規貸し出しが難しくなっているため、民間ならびに地下銀行、高利貸し、ヤミ金融が猖獗し、トイチにおわれて経営者の夜逃げ、自殺。殺人が起きているが、GDPの1%をしめる浙江省温州が震源地となった。温州商人は投機の名人、先見力が素晴らしいと言われたのも今は昔。
 信用収縮はあらゆる新規起業を困難とし、既存の企業活動はその円滑化がとまる。株式市場は企業業績の悪化があきらかとなれば市場は暴落気配となる。

 米国リーマンショック直後、中国政府は大胆にも四兆元の財政出動を決めた。あちこちに槌音を響かせて、新幹線、ハイウェイ、ダム、大団地、工業団地、新都心、大学などが建設されたが、今回は五兆円程度の投入をなしても、それらは失われた時価の穴埋め、債権の利払い、銀行の増資に消えて実体経済の活性化には繋がらないだろう。

 しかし、欧州では銀行の倒産危機がささやかれている段階を越えて、秒読み段階。銀行という大動脈が破裂すると人間は動脈瘤破裂などで心臓がとまる。ドイツ銀行BPSなど欧州一流銀行が格付けを下げられ、ユーロ安はドル高を惹起し、米国にもデフレ懸念が広がる。

 銀行に取り付け騒ぎがおこり、心理パニックとなると工業操業もとまり、物価は急騰し、買いだめがおこり、被害の少ない銀行でも新規貸し出しがとまり貸しはがしに至る。
 コルレス機能は停止するだろうから国際貿易も決済ができなくなり、輸出入が急減するだろう。

  
 第四は海外からの投資資金が撤退しはじめたこと。株式はもとより外資はH株しか買えず、大概が閉鎖されたマーケットであったため海外投資家の被害は限定的だろう。
しかし金融機関の一部には中国企業社債国債保有している。これらは香港の人民元オフショア市場に限定されるから、閉鎖回路のなかの異常事態でおさまる。
 問題は海外ファンドの直接投資、とくにヘッジファンド手じまいを開始しており、中国から資本を撤収していることである。
さらに深刻な問題がある。じつは中国の資本が欧州全域で展開している投資、保有する株式、社債国債をどうするか。とくに600億ドルと見積もられている欧州への債券を中国は売り逃げるか。
一部日本のマスコミに中国の国富ファンドが日本の企業の大株主だと不安を煽る記事を掲げているが、日本の株式もたたき売りをなすだろう。


 第五は歳入の減収である。
どのくにでも予算の策定、見積もりは国民からの税収、関税など歳入が基礎にある。
08年リーマンショック直後の四兆円出動は歳入の裏付けがなかった。近年の公共工事は予算による配分であり、これらの基礎となる税収は企業業績が伸び、所得があがれば自然増が望めたが、中国の場合、歳入の半分が、じつは不動産取引によるものだった。
 不動産ビジネスが激減し、歳入はしたがって自動的に激減し、予算の執行に障碍がでることは明らかである。

 中国の予算作成にフレキシビリティが失われ、削減対象は聖域の国防費、公務員の人件費にも及ぶだろう。
 不動産バブルが破裂すれば、明らかに税収は激減し、その場合、代替税をどうするか。上海、杭州重慶などでは「固定資産税」の導入を試験的にやってみたが、もとより土地がすべて中国では国家に属するため、矛盾した税金となり、反対が強い。

 
 かくして未曾有の経済危機にさらされる世界。わけても人民元安に急襲され、おたおたする胡錦涛政権が、なんとか生き延びようとすれば、これらの矛盾をほかの矛盾に転化し、矛先を転換させ、問題をすり替える手段しか残るまい。

これまでは「反日」だった。矛盾天下にはもっと適した武器だったが、しかし「南京大虐殺」がなかったことなど多くの嘘がばれて、国民はちっとも反日では動かず、中東民主化では「中国の春」運動が巻き起こり、各地の抗議集会では、当局の弾圧がソフトになり、とくに新幹線事故直後の反日へのすり替えは完全に失敗した。
翌月の大連モデルでは、抗議側の住民が要求した化学工場移転を受け入れ、広東では労働争議が黙認された。

こうした経緯を踏まえれば中国の金融パニックは、不動産問題で暴動が起こり、小さな金融機関では取り付け騒ぎに発展し、社会の安寧はますます乱れるのではないのか。