毎日新聞 2014年03月22日 21時25分(最終更新 03月22日 21時30分)
【ニューデリー杉尾直哉】チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世が20日、インドの首都ニューデリーのハンセン病患者や元患者、家族ら約1万人が住む居住区を訪問し、住民と交流した。元患者らと親しく接し「あなた方の笑顔はすばらしい。皆さんへの偏見や差別をなくさねばならない」と訴えた。
今回は、世界でハンセン病の差別撤廃に取り組んできた笹川陽平・日本財団会長の要請を受け訪問した。今年7月に79歳になるダライ・ラマは、演説で「私も最近は足腰が弱く、皆さんと同様、肉体的な困難を感じている。だが自信を持ち、精神的に幸せであることが大事だ」と励ました。
インドでは毎年約13万人がハンセン病に感染し、世界の新規患者の約6割を占める。治療法が確立し、感染しても6カ月で完治できるが、社会的な差別が根強く、患者らは元患者らの居住区に寄り添うように住んでいる。