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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年 3月20日(木曜日)
通巻第4190号
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年 3月20日(木曜日)
通巻第4190号
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タイ南部の山岳地帯ゴム園に謎の逃亡集団
トルコ国籍をなのる220名は新彊ウィグルからの亡命逃走集団だった
謎の逃亡集団が発見されたのは3月13日、およそ200名の異質のグループで、「トルコ国籍」を名乗った。タイ南部の山岳地帯までの密航ルートは不明だが、ミャンマーを経由して船でタイへ上陸し、ここからほかの国へ移動する途中のキャンプではないかと捜査当局は取り調べを進めてきた。
多くが中国の新彊ウィグル自治区からやってきたウィグル人で、合計220名のうち女性が60名、子供が82名。極度な食糧不足と栄養失調がみられ、国連難民救助チームは医薬品、食料の援助をしたことが19日までに確認された。
おりしも雲南省昆明では大量殺傷事件が発生し、中国はウィグル過激派の犯行だと発表したがいくつかの証拠から、地元マフィアではないかと言われている(旗のアラビア文字はウィグルでは使われていない。刀がウィグルのものではない。被害者が犯人とされていることなど)。
そのうえ、マレーシア航空機の失踪事件とつづき、世界が注目している
タイ南部ではことしの一月にも500名のウィグルからの逃亡集団が拘束されている。
多くが中国の新彊ウィグル自治区からやってきたウィグル人で、合計220名のうち女性が60名、子供が82名。極度な食糧不足と栄養失調がみられ、国連難民救助チームは医薬品、食料の援助をしたことが19日までに確認された。
おりしも雲南省昆明では大量殺傷事件が発生し、中国はウィグル過激派の犯行だと発表したがいくつかの証拠から、地元マフィアではないかと言われている(旗のアラビア文字はウィグルでは使われていない。刀がウィグルのものではない。被害者が犯人とされていることなど)。
そのうえ、マレーシア航空機の失踪事件とつづき、世界が注目している
タイ南部ではことしの一月にも500名のウィグルからの逃亡集団が拘束されている。
【国際】
さまようウイグル族 中国政権の弾圧恐れ
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【北京=白石徹】中国新疆ウイグル自治区ウルムチの駅周辺で起きた爆発で、中国当局は1日、「テロ事件」と断定した。30日に習近平国家主席がウ ルムチなどを視察した直後に発生しただけに、大量の警官を動員した徹底捜査が続く。しかし、当局による力の弾圧は既に「報復の連鎖」に陥っており、宗教の 自由を奪われた貧しいウイグル族が自治区から脱出する動きも加速している。
米政府系ラジオ・自由アジア放送(RFA)によると、中国南部・広西チワン族自治区とベトナムの国境で先月十八日、ベトナム国境警備隊がウイグル 族とみられる家族計十六人を拘束後に発砲事件が発生し、隊員二人を含む計七人が死亡した。男五人が中国側に強制送還されることを恐れ、隊員の銃を奪って発 砲したとされる。
またタイ警察は三月中旬、南部山岳地帯で子ども八十二人を含む計二百二十人の不法入国者を拘束。RFAは中国から脱出したウイグル族と伝えた。不 法出国後の目的地は明らかではないが、まずはウイグル族と同じイスラム教スンニ派の国であるマレーシアやインドネシアを目指していた可能性がある。
ウイグル自治区は中央アジア各国と国境を接し、中国側は検問を設置して厳しく警備。不法出国に成功しても、中国と密接な関係にある中央アジア各国で拘束されるとみられ、数千キロ離れた中国南部から国境を越えているようだ。
一方、ウイグル族の若い女性を「強制移住」させる深刻な人権侵害も続く。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは二〇〇八年に「二十万人 以上の若いウイグル女性が強制移住させられ、過酷な労働を強いられている」と報告。現在も十五~二十二歳の女性が、天津や青島など沿海都市の縫製工場など で働いているとみられる。
習近平政権は(1)イスラム教徒の礼拝制限(2)ウイグル語の使用制限(3)漢族の自治区への移住促進-などウイグル族への弾圧を強化。北京では 昨年十月末、ウイグル族の家族三人が天安門前で車両突入事件を起こし、五人が死亡。雲南省昆明では今年三月、刃物を持った集団による無差別殺傷事件で二十 九人が殺害される事件があったばかりだ。
中国当局はウイグル独立勢力による「テロ事件」と断定しながら、いずれの事件も物的証拠は示されず、漢族とウイグル族の民族対立をあおるだけの最悪の結果を招いている。
タイで相次ぐウイグル族の密入国
Viewpoint 2014.04.28
逮捕されたウイグル族は中国政府の弾圧を恐れ中国を脱出し、第三国への出国を希望しているとされる。
一度、ウイグル自治区のウルムチを訪問したことがあるが、ウイグル人が大学を卒業しても就職が困難。さらにイスラム教徒として礼拝の自由を脅かされ、ウイグル語での入試は受け付けられないなど中国語に駆逐されている事実を目の当たりにしたことがある。
| http://uyghur-j.org/image/cube.gif |
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国基研ろんだん
4月30日、新疆ウルムチで起きた爆破事件を、中国公安当局は「ウイグル独立勢力によるテロ事件」と断定した。筆者は事件の真相について判断できる情報を持たない。しかし、中国政府自身による「ウイグル・ジェノサイド」「国家テロ」が、いまウイグルから東南アジアへの難民流出をもたらしていることを強調しておきたい。中国政府は自らの行為を隠すために、テロ報道を利用しているのだ。
3月14日、タイにて200人以上のウイグル難民が保護されたことが報じられた。しかし、実はウイグル難民はこれだけではない。さらに危険な状態で、数千人のウイグル難民が東南アジア諸国に潜伏、或いは逮捕・収容されているのだ。その中には妊婦や子供が多く含まれており、不衛生な環境で病死した子供や、妊婦が留置場で、病院に行くこともできず出産を強いられたという情報すらある。彼らはウイグル語しかしゃべれず、現地のウイグル人や支援者のもとに集団で匿われる中で、伝染病の危機にもさらされている。
一刻も早い治療や保護が必要なのだが、難民自身も恐怖から外部に救援を求めるのをためらう傾向があり、彼らの安全を守るため公的に救援を求めることも難しい。支援者たちがひそかに救援体制をとりつつあるが、まだ具体的に発表できる段階ではないのが現状である。
新疆での事件をテロと宣伝する中国の偽善と非道を最も明らかにしているのは、中国政府の「テロ」「ジェノサイド」から逃れ、子供たちの未来を守るために脱出した難民たちの姿である。