パルデンの会

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宮脇淳子『かわいそうな歴史の国の中国人』



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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」

平成26年(2014)7月22日(月曜日)
     通巻第4298号
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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆

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 これほど明快に中国の本質を論じる書物は珍しい
  中国という架空の概念を彼らはいつ、いかにして発明したのか


宮脇淳子『かわいそうな歴史の国の中国人』(徳間書店


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 中国に四千年の歴史は存在しない。いや、そもそも中国という国家はないし、この世にいわゆる「中国人」という民族はいない。
 台湾の国立故宮博物院にいくと「中華文明八千年」と謳っている。北京の言い方は中国五千年。つくりばなしの結果である。
 宮脇さんの新刊は、いきなり爆弾を投げられたような衝撃的表現がでてくる。
 つまり易姓革命によって王朝が断絶しているのが中国の歴史だから『中国』という国家はなかった。
そもそも中国語という国語はない。共通語はない。共通語としての普通語はラジオ、テレビであれだけやって、小学生のときから強制的に教わっても、語彙が少なくて表現力に乏しい言語であるがゆえに微妙なニュアンスの表現は出来ない。完全な意思の疎通が出来ない。
漢族いがい55の少数民族が織りなすのが、いまの中国共産党が統治する地域である。
 『中華民族』というのは中国共産党がでっち上げた、夢のような語彙ではない。孫文が言いだし、毛沢東が踏襲し、いまごろまた習近平が「中華民族の夢」などと虚ろに煽っているが、末端の庶民は何を意味するかも分かっていないだろう。

 『中国はいまでも世界最悪の格差社会』であり、一部の特権階級がうまれてきたのは、じつは日本の援助のおかげである。少数民族は経済繁栄から取り残されているが、かれらの土地が中国の国土の64%を占めている。
典型のモザイク国家であって「ひとつの中国」というのは幻像である。
しかも、行政は末端まで機能せず、支配者は民に苛斂誅求を加えて、「ゼイキン」を絞りとるだけが官吏の役目。だから汚職なしには、このくには回らないのだ。
だれもが嘘をつくのは嘘をつかないと生きていけないからであり、いずれあの広大な国土に残るのは誰も住まない「鬼城」(ゴーストタウン)と13億の貧乏人とけがされた土地と汚染物質だけ。
賢いひとはとっくに国富を食い散らかして、金を持って海外へ逃げ出したではないか。「しずみゆく船から一番先に逃げ出すのはきまって中国人である」。

 いやはや宮脇さんの独演会、いつもの宮脇節がさえるのだが、本書は、その集大成であり、中国とはなにかの本質的なコア部分だけを入門編的に論じたエッセンスである。