パルデンの会

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『台湾の声』 より   独裁と法治


『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.htmlより転載

【AC論説】独裁と法治  

              Andy Chang

産経新聞の加藤達也、前ソウル支局長が朴槿恵大統領の名誉を傷つ
けたとして在宅起訴された問題で、韓国の「全国言論労働組合」は
検察に起訴の撤回を求める声明を発表したと言う。


この声明は加藤支局長の記事で検察は誤報と断定したが依然として
確認すべき余地がある、この起訴には政治権力の影響があると見ら
れるとした。更にこの声明は韓国の言論と表現の自由が後退した国
家と言う評価を受けるようになったと指摘した、と言う。

韓国の国内でこのような声明を出すことが出来ることは韓国にまだ
いくらかの自由が残っていることだろう。しかしこの声明を受けて
検察が起訴を撤回するかどうかはわからない。朴大統領が撤回に同
意しなければ検察は撤回しないだろう。独裁者が自分の間違いを改
めることはない。問題の解決は起訴をそのままにして加藤支局長を
国外追放にするのではないか。


この事件で思いだすのは2009年に台湾で起きた齋藤正樹大使が
「失言問題」で辞任に追い込まれた事件である。台湾と日本は国交がな
いため「交流協会台北事務所代表」と呼ばれるが実質的には大使で
あり、多くの台湾人は齋藤大使と呼ぶ。

齋藤大使は失言などしていない。台湾の国際的地位が未定であると
真実を述べたのである。悪いのは彼の発言が中華民国馬英九総統
の発言を正す結果となったため、馬英九が齋藤大使との接触を拒否
し続け、半年後に日本外交部が齋藤大使を更迭したのではないか。
台湾と日本の新聞は齋藤大使の?引責辞職?と報じたが、
実際は日本
外交部が宥和政策を取って大使の更迭命令をだしたと思われる。

●齋藤大使の離任

斎藤大使は2009年5月1日、
台湾嘉義県の中正大学での講演で「台
湾の国際的地位は未定である」と発言して、数日前に馬英九総統が
「1952年の中日条約(日華平和条約
によって日本は台湾の主権を
中華民国に返還した」と述べていたことに反論した。

1945年8月に日本が降伏したが、
日本に進駐した占領軍連合軍総司
令官マッカーサーGHQ第一号命令で蒋介石に台湾における日本

の降伏を受け入れる命令を通達し、同年10月25日、
蒋介石の派遣
した代表が台北にて日本軍の降伏を受理した。しかしその後蒋介石
の派遣軍は台湾を自国領と一方的に宣言し支配を始めた。
1949年,
国共内戦に敗北した国民党は台湾に逃亡し、中共は国民党から台湾
の主権を継承したと主張して現在に至るまで台湾統一を目標として
いる。中共は一日も台湾を統治したことはない。

日本と連合国が締結したサンフランシスコ平和条約第2条bで日本
は台湾澎湖の主権を放棄したが、主権の帰属は明記されなかった。
従って台湾の帰属は未定であると述べた齋藤大使の発言は正しい。

2009年4月末、馬英九総統は「
日本は日華平和条約によって台湾の
主権を中華民国に返還した」と発言したのである。これは馬英九
ウソ、中華民国政権による捏造である。もちろん日華条約にはそう
した規定など一切ない。

馬英九総統はウソを述べた。日華平和条約では国民党も「日本は台
湾を返還していない」ことを認めている。だが馬英九は齋藤大使の
発言が「中華民国の主権を否定するもの」と強く反発、台湾(
中華民
国)外交部は講演当日に斎藤代表を呼び出して厳重抗議した。

ここで極めて重要なのは中共外交部も日本側に「厳重抗議」したこ
とだ。斉藤大使の発言はは真実であるが、これは中華民国と中華人
民共和国の台湾に対する主権主張を覆すものである。国民党は中華
民国の台湾統治権を否定されるし、中共は台湾統一の主張を否定さ
れる。だから中華民国中華人民共和国も日本に抗議の圧力を掛け
た。そして馬英九は齋藤大使をボイコットするようになった。

そして同年11月、
齋藤大使の離任が唐突に発表されたのであった。
多くの台湾人は齋藤大使の突然の離任を非常に残念がり、数多の論
説が馬英九を非難した。
皆が齋藤大使の離任は本人の意思ではなく、
日本外交部が台湾と中国の圧力に屈服したと思っている。

習近平の「法治国家」発言



韓国の加藤支局長事件と台湾の齋藤大使更迭事件でわかることは、
独裁者が決して過ちを認めないことである。独裁者は間違いを認め
ない。間違いを認めれば権力の衰退を招くからだ。

このことは中国の習近平独裁にも当てはまる。
10月20日から開か
れる「中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議」は、
習近平
提案した「法に基づく統治(法治)の強化」などを盛り込んだ決定
を採択し閉幕した。

これは恐ろしいことである。国が法律を制定すれば人民の反対は「

法である」と断定できるのだ。独裁と法治は共存しない。習近平
皇帝を目指している。つまり「朕は国家である、朕の命令は法であ
る」、法律に反対するものは反逆者である。


香港政府が選挙法を改竄したため雨傘革命が起きて人民の抗議が続
いたが、香港政府と中国政府は人民の抗議は違法だと決め付けてい
る。香港人民の抗議に屈服すれば東トルキスタンチベットの独立
運動が盛りあがる。台湾の民主運動も中国にとって大きな脅威だ。

香港政権は中国の傀儡、人民の抗議を受け入れる余地がない。強引
に法律を作れば反対者が違法となる。違法と断定すれば軍隊や警察
を使って強行撤去できる。
第二の天安門事件が起きるかもしれない。

●諸国は独裁国に宥和するな



日本や諸外国は中国や韓国の独裁に対し宥和政策を取ってはならな
い。中国は法律さえ作れば外国も受け入れるとしている。台湾は中
国の領土と主張すれば侵略を合法化できると思っている。南シナ海
で「九段線」を制定すれば南シナ海を占領しても合法であると主張
する。

同様に中国は第1海洋列島線を設定し、
第2海洋列島線も設定した。
続いて戦略的防衛識別圏を勝手に制定し、尖閣諸島は中国の領土と
主張して日本と対峙する。

独裁者の横暴を少しでも許してはならない。独裁者は勝手に法を制
定して反対者はみな違法とするのだ。中国が法律を作ればアメリ
も日本も容認すると思っている。独裁者は間違いを認めない。諸国
が中国や韓国の勝手な主張を?尊重?
すれば際限なく侵略を続けるこ
になるのである


『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html