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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26年(2014)12月2日(火曜日)
通巻第4410号
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軍高官8名の将軍らも失脚、取り調べ中にふたりが自殺
徐才厚、郭伯雄の失脚に連座。軍高層部は習近平人脈で固める?
*******************************北京にある海軍総部副政治委員の馬発祥(中将)が同建物15階から飛び降り自殺したことが判明したのは11月13日だったらしい。
中央軍事委員会規律委員会から取り調べの通知を受けた直後だった。この中将は干永波の配下だった。
干永波は89年天安門事件のとき、学生の弾圧を命じたトウ小平にしたがい、軍の采配をふるい、このため新主席となった江沢民の覚えめでたく、その後はトントン拍子に出世した。
この干永波と徐才厚が繋がるのはふたりとも遼寧省瓦房店出身であることだ。中国社会は血縁・地縁重視で成立しており、よそ者には猜疑心、同郷人には連帯感の絆で結ばれる。だから徐の失脚直後に中国語メディアは「これで瓦房店人脈は瓦解した」と伝えた。
ほかにも軍高官の腐敗が目に余り、またポストを金で買う習慣があるため、やり玉に挙がったのは北京軍区戦文工作団長の劉武(少将)、総政治部保衛部長の干善軍(少将)らも取り調べを受けていると『看中国』(14年11月26日)が伝えた。
また瀋陽軍区では吉林省軍区副政治委員の宋玉文(退役少将)が「自殺」していた。捜査されていた期間に縊死したと11月19日に「博訊網」がつたえた。
現在、軍のなかで200名の高官軍人が取り調べを受けているとされるが、合計8名の将官クラスが含まれ、自殺者二名だ。
いずれも前軍事委員会副主任だった徐才厚と郭伯雄の配下になってから、その後ろ盾の江沢民のお眼鏡に叶い出世した軍人たちである。
こうなると、習近平の究極的な狙いは軍内の不配分し一斉を表看板として、じつは江沢民派を根こそぎ軍高層部から追い出し、軍部内での自派を強固な基盤とするためだろうと推測されている。