パルデンの会

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怖いよ「台湾総統、中台首脳会談「常態化の一歩に」


 勝谷誠彦氏の有料ブログより転載
 昨日の最後にお約束した、中台首脳会談について触れておこう。

台湾総統、中台首脳会談「常態化の一歩に」>


 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H2N_V01C15A1MM0000/
 <台湾の馬英九総統は5日に台北市内の総統府で開いた記者会見で、7日にシンガポールで中国の習近平国家主席と初の首脳会談を開く狙いについて「両岸(中台)の指導者の会談を常態化する第一歩にしたい」と語った。今回の首脳会談が「中台統一」につながるとの懸念が台湾で根強いことについては、「協定への調印などはしない」と強調した。
 首脳会談は1949年の中台分断後で初めてで歴史的な会談となる。馬氏は7日午前にシンガポールに出発。午後3時(日本時間同4時)から習氏と会談し、その後、中台双方が記者会見を開いて内容を説明する。馬氏は同日中に台湾に戻る。>
 さすがに経済を通じて支那と台湾の双方を見ているせいか、日本経済新聞のこの見出しはなかなかに良い。<常態化>は大きなキーワードだ。日本の大マスコミの多くは、来年の総統選挙への影響に言及している。もちろんそれも大切だし日経も書く。
 <台湾では2016年1月に馬氏の後任を選ぶ総統選挙が実施される。足元の世論調査では台湾独立志向の最大野党・民進党の候補者、蔡英文主席が大幅にリードしている。対中融和を推進してきた与党・国民党の朱立倫主席は劣勢だ。
 馬氏は初の中台首脳会談で国民党と中国との安定した関係をアピールし、総統選の巻き返しにつなげたい狙いだ。馬氏の任期は16年5月まで。首脳会談を自らの政権の「レガシー(遺産)」にしたい思惑もある。>
 最後にある<レガシー>と<常態化>は実は対になった言葉なのだ。外交とは政権が変わっても継続するというのが国際政治の常識だ。わかっていなかったのは日本国の民主党とかいう低能集団くらいであった。だから馬英九習近平が両岸の対談を<常態化>すると決めるならば、それは政権が民進党にうつっても受け継がれなくてはいけない。大陸支那との対話などしたくもない民進党であっても、大陸側から打診があればいちおう検討するハメになる。そうした時に「仲立ち」できるポジションを馬総統は作ろうとしているのではないか。それが<レガシー>なのだ。大陸としては、ルートさえあればさまざまなプロパガンダ工作を仕掛けることができる。両者の思惑が一致したのだ。こういう解説、なかなかないでしょう(自画自賛・笑)。

 中台首脳会談もそうだが、南シナ海支那包囲網を作ろうとしている日米と海洋アジア諸国に対して支那習近平自らが飛び回って対抗しようとしているように見える。緊張は軍艦どうしでだけ起きるものではない。外交の世界ではヒリヒリするような場面が続いている。

 <中国主席、9年ぶり訪越/対米傾斜を警戒>


 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H5I_V01C15A1FF1000/
 <中国の習近平国家主席は5日、ベトナムを訪問し、グエン・フー・チョン共産党書記長らと会談した。南シナ海の領有権問題やインフラ建設などの協力強化について協議した。経済協力での合意文書署名や議会演説なども予定。米国が対中強硬姿勢を強めるなか、ベトナムとの対立緩和を図って対米傾斜をけん制する狙いがある。>
 しかしベトナムの反応はこれまでとはかなり違う。

 <習氏のベトナム訪問は「反中」高める逆効果/「諸島を返せ!」続くデモも放任>


 http://www.sankei.com/world/news/151105/wor1511050059-n1.html
 これは見出し通りなので中は引かない。実はデモなどよりももっと巧緻な外交戦をベトナムは仕掛けているのだ。パートナーはなんと日本国。

 <日本の防衛大臣ベトナムのカムラン海軍基地訪問を開始>


 http://jp.sputniknews.com/asia/20151105/1123507.html
 これも見出しだけで軍事を知る人は「あっ」と思うだろう。また紙幅が足りないので明日も少し触れる。荻内君がいろんなこと仕出かすからだ(人のせい)。カムラン湾ベトナム海軍にとって「聖地」である。そこをこのタイミングで中谷元防衛相が訪れるというのは、ある意味で支那に対する挑発だ。日本国の外交もやるようになったものである。

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