パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

習-馬会談に抱いた懸念 チベット軍事制圧の第一歩と流れが似ている…


習-馬会談に抱いた懸念 チベット軍事制圧の第一歩と流れが似ている… 


http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/images/20151125/frn1511251550003-n1.jpg
中台首脳会談に臨む習主席(左)と、馬総統=7日、シンガポール(共同)【拡大】


11.25

 中国の習近平国家主席と、台湾の馬英九総統が今月初め、シンガポールで首脳会談を行った。「歴史的握手」「一つの中国を確認」などと報じたメディアもあったが、危機感を覚えた関係者も多い。チベット出身の国際政治学者、ペマ・ギャルポ氏は、中国の軍事的圧力の下でチベットが結ばされたという「17条協定」との類似性などについて緊急寄稿した。

 習、馬両氏の発言を聞いて、私は「事実上、『台湾の中国併合』に合意したのではないか」という懸念を抱いた。それは、中国のチベット占領の第一歩である、1951年5月23日の「17条協定」と照らし合わせるとよく分かる。

 同協定は、中国がチベット東部を軍事制圧した後、中国の見解を聞くために北京に派遣されたチベット政府代表団が、拘束状態で脅しを受け、権限もないのに結ばされたものだ。17条には、中国人民解放軍チベット進駐や、チベットの外交権を中国政府に委譲することまで記された。

 今回の会談冒頭、習氏は「(中国と台湾は)『一つの家族』だ。どんな力もわれわれを引き離すことはできない」と語りかけたという。

 17条協定の第1条は「チベット人民は中華人民共和国の祖国の大家族の中に戻る」とある。私は、この「大家族」と、17条の「一つの家族」の意味が同じだと思わざるを得ない。

 会談では、馬氏が「平和の現状を維持したい」として、ホットラインの設置や平和的な紛争処理など5項目を提案。習氏も原則維持の重要性を強調したという。

 17条協定の第4条にも「チベットの現行政治制度に対しては、中央は変更を加えない。ダライ・ラマの固有の地位および職権にも中央は変更を加えない」とある。

 チベットの現状や、返還後の香港の窮状を見れば、中国が「現状維持」を守る気がサラサラないことは分かるはずだ。

 中台首脳が「一つの中国」を確認した以上、台湾で大規模な独立運動などが起きた場合、「祖国の治安維持のため」として、中国人民解放軍や公安部隊が派遣される口実ができたともいえる。

 現に、米国や日本の情報当局者は「独立志向の強い民進党蔡英文主席がリードする台湾総統選(来年1月16日)から、新総統の就任式がある同5月までに、中国が動く可能性がある」と分析しているという。

 これは、台湾だけの問題ではない。台湾の平和と安全は、日本と北東アジア、西太平洋の安全保障に直結している。中国が台湾を取れば、太平洋に容易に打って出ることになるからだ。

 ぜひ、台湾の人々にはチベットの悲劇から学んでほしい。そして、日本の人々、特に沖縄の人々には、中国が「チベットの次は台湾」「台湾の次は沖縄」と狙っていることを自覚してほしい。