パルデンの会

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中共政権がどのような過程を経て瓦解し、それにつれて中国がどのような過程を経て崩壊するか


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)11月12日(木曜日)
         通算第4724号
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 国連でも中国、露西亜の影響力がふたたび浸透
  コソボユネスコ入りに反対票が50ヶ国
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 国連加盟国は195ヶ国。拒否権をもつのは米ロ中英仏。
 11月10日にコソボの「ユネスコ加盟」をめぐる投票が行われ、賛成92,反対50.米国とイスラエルは投票せず、棄権は28ヶ国にのぼった。
 コソボが国連加盟の時、ロシア、中国が反対し、その影響圏にある国々はモスクワと北京の顔色をみながら投票したが、反対票は50もなかった。

 今回は旧ソ連中央アジアや中国よりのラオスカンボジアや、ジンバブエ、またアルゼンチンなどが反対したのは予想通りにしても、反対票を投じたなかにはスペイン、印度、インドネシアミャンマースリランカなどが加わっている。

 シリアへの介入の不手際から世界に拡大する対米不信の波に隠れて、国連でもロシアと中国の影響力が復活してきたことを示唆するのではないか。
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●書評 ◎しょひょう ●BOOKREVIEW ◎書評
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  中国崩壊の過程をなまなましく想像してみると
  独裁政権が破綻すると、中国では想定外のことがおきる    
  王力雄『黄禍』(集広舎)
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 中国では何が起きても不思議ではないが、
中国人でしか発想しえない近未来のシナリオが本書では展開される
 書き出しは新宿歌舞伎町のとある隠微な風俗店。
ここで中国軍の幹部から或る人物の『暗殺』を頼まれる。いきなりの舞台が中国人の爆買いツアーのスポット、世界的に有名な歓楽街という設定だ。
 暗殺は実行に移され、重要人物は撃たれる。
標的は誰あろう、中国共産党総書記である。
 かくして中国に内戦が勃発し、共産党体制は崩壊、
国外へあふれでる難民はシリア難民なんて目じゃない。世界はこの危機にいかに立ち向かうかというシミュレーション、近未来小説である。
 かなり長い。
作者は哲学的思想書を小説に託したのかも知れない。
 実は、この本は最初、1991年に台湾で出版され、
世界で翻訳版がでた。発禁処分となった中国大陸内部でもコピィがまわし読みされた。2008年の北京五輪直後に、改訂版が上梓され、ようやく2015年に日本語版翻訳の出版にこぎ着けた。
 ともかく中共政権がどのような過程を経て瓦解し、
それにつれて中国がどのような過程を経て崩壊するかということである。現実の進行過程は当然小説とは異なるが、専制政権は早晩瓦解する。しかも往々予想外のこととして(ソ連の解体が突然のことだったように)、今日、中国の各種の矛盾は深層で沸騰し、今まさに噴火戦としている。中略)部分的な理性が重なって全局面の非理性的な状況に到るというのは、まさに今日の人間の典型的な姿である」
と作者は強調している。
 反乱万丈、奇想天外のストーリーは読んでのお楽しみ。