チベット族、言語奪われ 伝統文化の危機
2015/12/03 17:55 大紀元より転載 しかし、中国政府は、青海省の公立学校でチベット語の第2言語化を進めており、最近では、チベット僧が開いた民間学校や寺院などで、チベット語を教えることを禁じた。教育言語を漢語に変え、新しい教科書にもチベットの歴史と文化が削除されているという。
共産党政権下で、チベット語を教育言語とする教育機関が設立した例はない。11月、青海省の西寧市政府にチベット語を教育言語とする小学校の開設を嘆願する文書がネットで公開されたが、まもなく検閲対象になり、サイトは削除された。
中国教育部(文部省にあたる)のねらいは、少数民族の学生に漢民族と同じ言語を使用させることだ。現在、中国国内では、ほとんどの進学、就職、免許の試験は漢語のみで行われている。そのため、子供の将来を想う一部のチベット族の保護者は、漢語を教育言語とすることを反対していない。
いっぽうで、民族の特徴や伝統、文化が失われる可能性を懸念する声も聞かれる。「チベット文化を破壊している。われわれの民族文化は消え去ろうとしている」と、青海省で自営業を営むターシ・ワンチュクさんは訴えた。
(翻訳編集・山本ア