パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

<尖閣領海を「準軍艦」が侵犯。平和ボケ大マスコミがぼーっとしている間に、戦いの「質」が変わっている>


勝谷誠彦氏の有料ブログより転載
 2016年1月11日号

尖閣領海を「準軍艦」が侵犯。平和ボケ大マスコミがぼーっとしている間に、戦いの「質」が変わっている>

 4時半起床。
 今日からニッポン放送の『ザ・ボイス』でのお喋りが再開される。
先週も聴いて下さって私が出ていないので「あれ?またクビになったか」と思われた向きもあるようだが(笑)サボったわけではなく正式な正月休みです。去年の最後の回もなかったので久しぶり。しかしこの間に世界は大激動だった。どうするのかな。総括的にその間のトピックスもとりあげるのかどうか。しかし、今のニュースもすべてたどっていけばここ2、3週間の出来事につながって行くので、言及することができるだろう。いつも濃い月曜日だけれども(自画自賛)今日は特に面白くなりそうだ。聴いてください。ポッドキャストなどのおかげで「エリアの方は」と断らなくていいというのは、いい時代になったものだ。
 昨日は私なりに旅の記録をまとめたりしていて、
気がついたら何時間もたっていた。これ、どこに出すのではないのだが、必ずすることにしている。「言葉にしないと整理できないことがある」からである。今だから振り返って「そうだったのか」ということもある。無数の旅を私はすべてこうして文字にしてきている。私のいちばんの財産かも知れない。これが出来るのは旅の間、ずっとメモをとっているからだ。田舎道でふらりと立ち寄って昼飯を食べた小さなレストランの名前なども記されている。ときどき酔っぱらっていて読めないのは困ったものだ。
 ニュージーランド紀行をここで書くのはよそうかと愚痴ったら「
やって欲しい」とたくさんのメールを頂戴した。大した長さにはならないと思うが、ではまとめて出しますよ。別のカタチで。それなら「書くな」「書いて欲しい」の両方の読者の方も納得でしょう。本文の字数が減るわけじゃないんだから。方法については迂闊屋どもと相談する。私にとっても彼らにとってもプラスアルファの作業になるが、まあやってみましょう。せっかく昨日、振り返りをやって頭の中で整理もできたので。
 旅メモを作ったあと、ふらりと晩飯に出る。
3連休の真ん中とあって、店は徹底的に休んでいる。ふだんやっているところもだ。何だかなあ。「さあ、今年も頑張るぞ」という気持ちに国民をさせなきゃいけない時に、なんでこんなくだらない連休を作るのかなあ。景気を良くしたいのなら、やってることは正反対でしょう。「アベノミクス」の中にぜひとも「ハッピーマンデー廃止」を入れていただきたいものだ。こういう時に私が行くのは、歩いてちょっと距離はあるが、とある鮨屋である。チェーン店とはいわないが大手資本の経営だ。これがほぼ無休でやっていていつも助かる。
 味はまあ、どうこう言うほどではないがちゃんとはしている。
注文を紙に書いて出して、まとめて皿にのって出てくるというのも味気ないが値段を考えるとそんなものかと。帰国してから口が「鮨」になっていたのでやはり嬉しい。日本酒を2合弱の小瓶で出すというのも保存や省力化を考えると合理的ではある。私にとって2合などというのは、これまで「食前酒」だったが、昨夜はなんと2本目を頼むか迷った。頼みはしたものの一杯呑んだところで猪口を伏せる。充分だと思ったのだ。いつもなら残りは瓶だけに持って帰るのだが、昨夜は置いてきた。家にあると呑んでしまうからだ。
 昔のように「今年はこうしよう」
と気合を入れる歳ではとうになくなったが、なんとなく私は変わりつつある。やはり去年のさまざまな出来事の影響が大きい。そんな私を支えて下さったあなたや、あなたのためにも、健康で書き続けなくてはいけない。おや?なんか殊勝だぞ。わはははは。

 海外にいてもさまざまなメディアはもちろんチェックしていたのだ
が、やはり新聞やテレビの小さなニュースをつなぎ合わせる作業が欠けると見落とすものもある。正月をはさんで尖閣諸島では大きな動きがあった。「脅威の質がかわった」と言ってもいい。12月27日の日記で、支那が出してきた船が機関砲を積んでいるとまでは書いて出たが、その全貌が明らかになってきた。いい記事だ。
 <ついに機関砲を搭載、中国は尖閣琉球を奪いにくる>
 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45700
 <2016年の正月を挟んで、
中国海警局巡視船団が尖閣諸島周辺の日本接続水域を航行し、一時は日本領海内にも侵入した。>
 <これらの中国巡視船のうち、「海警31239」と「
海警31241」はそれぞれ連装機関砲とみられる砲塔4基を装備している重武装視船であった。日本のメディアはあまり取り上げていないが、アメリカ海軍関係者などの間ではこのことが問題視されている。
 なぜならば、中国が尖閣周辺海域に重武装巡視船を投入したのは、
今回が初めてだからである。>
 昨年末に私がここで書いた時は、
武装の詳細までは報じられていなかった。この記事を読んで「え~っ」と驚いた。これはもう「巡視船」というよりも「準軍艦」だからだ。
 <「海警31239」と「海警31241」
はそれぞれ中国海軍053H2G型(江衛1型)フリゲート安慶」と「准北」が中国海警局巡視船に生まれ変わった軍艦構造の巡視船である。>
 そうなんですよ。
こういう記事こそが大切なのだが一般の新聞やテレビはここまではほとんど踏み込まない。まさに「軍事を知らずして平和を語れない」だ。
 <
このような連装機関砲4基を搭載した重武装巡視船が連続して日本領海内を航行したということは、これまでの非武装巡視船による日本領海内航行という挑発行動が、明らかに一段階ステップアップしたことを意味している。>
 「質」がかわったのだ。ずっと懸念されていたことだがこの「
準軍艦」が相手では海上保安庁の巡視船では太刀打ちができない。軍艦が領海内に入って来たならば、警告して出ていかなければ撃沈してもかまわない。「領海」と「領空」の違いはあるが、先のトルコによるロシア軍機の撃墜を思い出して欲しい。「侵犯した」「しない」の争いはあったがアメリカが「侵犯していた」と保証するや、どこの国も撃墜そのものを批判はしなかった。海でも同じことだ。だが悔しいながら海保の「戦力」では逆にやられてしまう。
 <アメリカ海軍関係者などが極めて大きな関心を寄せている「
軍艦構造の武装巡視船による日本領海内航行」に関して、それも元日を挟んで連続して発生した事案であるにもかかわらず、日本ではほとんど騒がれてはいない。>
 アメリカははらはらしているだろう。と同時に、
日本人はなぜあんなにのほほんとしていられるのかと不思議がっているに違いない。それは「軍事を知らない」大マスコミのせいであると、アメリカの関係者に教えてあげたい。官邸は危機意識を強く持っている。長くなるので引かないが記事の後段を読んでもらえば、南西諸島の防御を積極的に進めようとしている。ほ、ん、と、民主党政権でなくてよかった。鳩ポッポあたりが「平和の海に」とか言い出して、あっという間に沖縄は支那に奪られていたに違いない。
 重要性を気づいてかそうではないのかはわからないが、
NHKが海保の情報をもとに、興味深い報道をしている。
 <中国海洋調査船の活動/沖縄近海で2倍以上に>
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160109/k10010366051000.html
 <海上保安庁によりますと、去年1年間に、尖閣諸島沖で、
中国当局の船が日本の領海に侵入したケースは合わせて35件で、3年前の52件を下回り、おととしの32件とほぼ同じでした。
 一方で、沖縄周辺の主に東シナ海では、中国の海洋調査船が、
事前に通報しなかったり通報と異なる海域で活動したりするケースが増え、去年1年間で合わせて22件に上りました。これは、おととしの9件の2.4倍に当たり、沖縄近海では、中国の海洋調査船の活動が急増しています。>
 明らかに支那は悠々と「沖縄侵略作戦」
を次のステップに進めているのだ。尖閣には「準軍艦」をおさえで置いておけばいい。残念ながら海保は「何もできない」のだから。だからそうちょろちょろと軽武装の船を出すのをやめた。そのかわり「本命」の沖縄周辺での活動を活発化させている。「準軍艦」が沖縄本島などの領海を侵犯したらどうするのか。いや、ホント、どうするの?アメリカはブチ切れますよ。我が精強無比なる海上自衛隊の出動が現実のものとなって来るだろう。これが今年の現実なのだ。

 土日にやろうと思っていてしきれなかった(いつものことだが)
本の紹介をしておこう。帰国して身体を休めるために横になったりしている間、ずっとこれらを読んでいた。『中国が喰いモノにするアフリカを日本が救う』
 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062729239
 著者のムウェテ・
ムルアカさんは鈴木宗男さんの秘書としてご記憶の向きも多いだろう。アフリカの人々から、もはや蛇蝎のごとく嫌われている支那人の振る舞いの描写は「ホントかね」と疑いたくなるほど。圧巻だ。もう一冊。『ギリシア人の物語1 民主制のはじまり』
 http://www.shinchosha.co.jp/book/309639/
 これは正月前に紹介しておけばよかったですね。三が日、
たっぷりと時間を潰せましたよ(笑)。私も実は旅の前後でやっと読みおえた。もちろん塩野七生さんだから止まらないほど面白いが「今読むべき本」でもあるのは、ペルシアが大きな役割を物語の中で果たすからだ。そう、今のイランである。結果としてご存じのようにギリシアサラミスの海戦などでペルシャを破るのだが、古代につながる大国意識が今のイランにもあることを教えてくれるイランとアラブ諸国の対立を語る時に知っているのといないのとでは大違い。これが「教養」というものなのだ。いずれも、お楽しみあれ。

 殺伐としたニュースばかりなので最後にちょっといい話を。
 <「ありがとう台湾」/江ノ電
鎌倉駅長の張り紙に台湾の人々が感動>
 http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201601090004.aspx
 <
東日本大震災に対する台湾からの支援に感謝を伝える江ノ島電鉄江ノ電、神奈川県)の鎌倉駅長の張り紙が、台湾で感動を呼んでいる。
 貼り紙には中国語で、「台湾の皆様、ようこそ鎌倉へ」
という歓迎の言葉に加え、「(東日本大震災における)大きな恩は永遠に忘れません。ありがとう、台湾!」と、当時約200億円の義援金を日本に送った台湾への感謝の気持ちが書かれている。
 8日、
フェイスブックに貼り紙の写真を投稿した台湾のインターネットユーザーは、「見た瞬間泣きそうになった」とつづっており、これをシェアした台湾大学付属病院の婦人科医も、「何をしてあげたか自分がとうに忘れてしまっていても、そのことをずっと覚えていてくれる友人がいる。ありがとう日本」とコメント。>
 記事にもあるが、
江ノ電は台湾の台湾鉄路管理局と観光連携協定を締結。見事な民間外交と言っていい。繁体字の「大恩永遠不会忘」(「会」の旧字はおそらく反映されないので、すみません)という文字づらの美しさよ。漢字をわけのわからない記号にしてしまった大陸支那との民度の差を感じる。こんな台湾をその大陸の侵略にゆだねてはいけない。ますます、そう思いませんか。そのためにも、わが国は尖閣そして沖縄の死守だ。

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