パルデンの会

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「炭水化物抜きダイエット」に失敗する人のNG行動



【第31回】 2016年1月11日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

「炭水化物抜きダイエット」に失敗する人のNG行動

http://diamond.jp/mwimgs/9/f/300/img_9f8022aa90ade8e1d1e0930b0865a5cd353283.jpgその食事、あまりにも偏っていませんか?
久しぶりにスーツを着た仕事始めの日。ベルトの穴がいつも通りの位置でホッとしたけど、実はちょっときつい感じがしている…もしくは、明らかにベルトの穴がずれてしまった…という方もいらっしゃるかもしれません。
 新年を迎えたということもあり、「今年こそは痩せよう」と一念発起する方は多いものです。ダイエットに関する記事もよく見かけます。そこで考えるのは、どうやって痩せるか。

「ダイエットをしよう」と思っても、カロリー制限は、実践することがなかなか難しいですよね。選ぶお店、選ぶ食べ物に必ずしもカロリーが記載されているわけではないですし、そうなると、“朝はヨーグルト、昼はそば”というように食べ物がルーティン化されがちです。
その点、炭水化物抜きダイエットは実践しやすいダイエット法といえるかもしれません。あれこれ考えたり、調べたりする必要はなく、「ごはん、パン、麺は食べない」ようにすればいいので、ビジネスマンが多くチャレンジされるダイエット法だと感じます。
 でも、実際に行動に移そうとすると、“環境”によってはより難しさを感じることもあります。

フライドチキンだけ、牛皿だけ…
無理矢理な炭水化物ダイエットはダメ

 夜、誰かと一緒に居酒屋に行く分には、メニューを開けば選択肢がたくさんありますよね。でも、ランチタイムやひとりで行く夜の外食となると、職場や住居のエリアにおける飲食店の充実度によって、選択肢がかなり狭まってしまいます。

 炭水化物抜きダイエットをはじめたときに「食べるものがない」「行くお店がない」と思われる方は、日ごろ、食事における炭水化物の割合が非常に高いといえます。その場合、いきなり炭水化物を抜くことよりも、まずバランスの良い食事をする…つまり、“一品ものの食事から定食スタイルの食事に切り替える”“野菜が主体となる副菜を足す”ようにするだけでも、一定の成果は出ます。

太った理由が「炭水化物の摂りすぎ」だけではなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの不足による代謝の低下も考えられる場合、糖質を控える以外にも取り組めることがあるからです。
 選択肢がない中でも無理矢理に炭水化物抜きダイエットを強行するのは、むしろ控えた方が良いといえるでしょう。たとえば、ファストフードのフライドチキンばかり食べることになる、牛丼屋で牛皿ばかり食べることになる、という場合。
 確かにそれは炭水化物抜きのお食事ですし、糖質は高くないかもしれませんが、毎日揚げ物やお肉を単品で食べ続けることが果たして体に良いのか…つまり、それが健康的な体重減少につながるのかは再考すべきことです。
また、本当に何もない!!!というところだと、コンビニで以下のようなローテーションを組むことになる方も少なくありません。

 “サラダチキン”
 “納豆”
 “豆腐”
 “ツナ缶”

 この場合、料理をいただいているというより、特定の“食品”を食べている感じで、つらい人にはつらいものです。温かいお料理でもないので、食べた満足感も得られにくく、我慢している感が満載です。こうなると、ダイエットは続きにくくなります。

意外なオススメはカレー専門店
「ごはん半量」「ごはん抜き」も可能

 スープ専門店などにいけば、低カロリーで温かいものがいただけますが、普段よりも高いお金を出してまでスープを飲みに行こう、と思うビジネスマンはそう多くはないでしょう。
 炭水化物を抜こうとすれば、そば、ラーメン、丼もの、パスタといった、簡単に、リーズナブルにお腹を満たせるお料理が食べられなくなってしまいますよね。しかも、環境によっては、これらの選択肢しかない、という場合もあるはずです。

 その場合は、この中で、炭水化物の量を調整しやすい丼ものを選択しましょう。「そば半量」を注文するのはあまりにも寂しいですが、どんぶりものは、もともと、普通のお茶碗の2杯分くらいのごはんの量があることも。量を減らしても空腹感に悩まされるほどではありません。「ごはん少なめで…」という注文は曖昧なので、「ごはんは半量にしてください」と思い切っていってしまうのがおすすめです。

 そして、意外と満足感を得られるのは、カレー専門店。お店によっては、ごはん抜きにしてキャベツ大盛り、というオーダーができるところもあります。

 また、いわゆるランチ定食にありがちな“さばの味噌煮”や“豚の生姜焼き”など白いごはんが進むものを我慢するのは大変ですが、大戸屋やファミレスのように単品注文ができるところを利用すれば、若干割高にはなりますが、おかず単品とサラダ、というように、ダイエット中でも比較的満足度の高い食事をすることができます。

 長崎ちゃんぽんで知られているリンガーハットでは、ちゃんぽん麺なしの「野菜たっぷり食べるスープ」がオーダーできたりもします。国産野菜が480gも摂れるとあって、野菜の量もかなりボリュームがありますし、男性ひとりでも行きやすいお店なので、選択肢のひとつにおすすめです。

お正月明けの体重増加は
じつは“むくんでいる”だけだった!

 お正月明けに体が重く感じても、それがイコール太った、とも限りません。短期間のお休みであれば、一時的に体重が増えても、体脂肪まで増えたわけではないことがほとんどです。ですから、このタイミングで「あーあ、今年もダイエットはうまくいかないな」とあきらめる必要はありません。

 では、なぜ、太ったように感じてしまうのでしょう。その一因には、お正月料理にありがちな塩分や糖分の摂りすぎによって、水分をためこんで体がむくんでしまうことがあげられます。

 お正月にいただく機会が多いお節を「薄味だ」と思う方は少ないはずです。市販のものはもちろん、手作りにしたとしても、保存性を高めるために日常の料理よりは塩を多く使うため、塩分も高くなります。おまけに、お正月だから…と豪勢にテーブルに並ぶお寿司やすき焼きなどは塩分のみならず糖分も多く含まれます。お料理と一緒に出てくるお酒にも糖質が多く含まれますよね。

 そのため、

・減塩に気をつけながら、むくみの解消を期待できるたんぱく質を補給すること
・日中、水分をしっかり補給しながら、汗をかく程度の有酸素運動をすること

 が大切です。

 そして、ポイントは、できるだけ早くモードを切り替えること。一時的に増えただけの体重が、着実に身となる前に修正をかけましょう。休み明けには、新年会などで夜の外食の機会も少なくないかもしれませんが、「ダイエットは通常モードに戻ってから」なんて思わずに、年末年始に摂りすぎた分だけ、炭水化物を控えるようにすると良いでしょう。

 とはいっても、いっぱい食べることに慣れてしまったあとに、極端に炭水化物を控えようとすると、いつもよりも空腹感を感じやすく、リバウンドするリスクが高くなります。そのため、朝と昼はお茶碗一杯分のごはんを食べ、夜だけ抜く、というスタイルにするのがおすすめです。

 気をつけた方が良いのは、会社で配られたお土産のお菓子をいただいて、「お菓子を食べてしまった分、もう一食ごはんを抜く」という選択をすることです。お菓子はお菓子であって、食事としての満足感を得ることはできません。カロリー的には帳尻合わせできても、栄養が不足することはもちろん、リバウンドも起きやすくなります。日持ちしそうなものであれば、1週間ほど経って、体重が通常の数字に戻ってからいただいても、遅くはないでしょう。