パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

「中国が領有権を主張する海域近くに、ロシア軍艦に続いて海自の護衛艦が向かった。中国はそこに反応したのではないか」と、





勝谷誠彦氏の有料ブログより転載

2016年6月10日号
前回の日記の末尾に、
尖閣諸島を巡る日支の攻防戦をなんとか突っ込んだ。事実関係がだんだんとわかってくると「開戦前夜」であった、と感じる。
 朝日新聞などは「こまったクマった(クマもんを連想して下さい)
」とおろおろしているが、私は「開戦前夜」のような空気が漂うほど、日本国が戦後70年を経て「インポ国家」からようやく脱却したのかと快哉を叫びたい。危機管理の視点からしても24時間対応の政府と官邸は見事であった。支那も度肝を抜かれたに違いない。これこそが朝日が喜ぶ「戦争をしないための抑止力」なのである。支那はそうした日本国の変身ぶりをナメていたとしか思えない。今後、これが極悪パンダこと習近平(私が言っているだけです)指導部の判断なのか、軍かあるいは艦長がやらかしたのか慎重に調べる必要がある。いささか昨日との重複もあるかも知れないが、わかってきたことを改めて検証してみよう。事実そのものを見るにはこういう場合、客観的な外電がいい。
 <中国軍艦が尖閣周辺の接続水域入り、
日本はロシア艦との関連を分析>
 http://jp.reuters.com/article/china-frigate-senkaku-idJPKCN0YU2NF
 <日本の防衛省によると、海上自衛隊護衛艦「せとぎり」
が9日午前0時50分ごろ、沖縄県尖閣諸島にある久場島の北東の接続水域に入った中国海軍ジャンカイ1級フリゲート艦1隻を確認した。外務省の斎木昭隆事務次官は午前2時ごろ、中国の程永華駐日大使を呼んで抗議。軍艦の退去を要求した。>
 <日本の防衛省によると>という書き出しが私は好きなのである。
海外の通信社だから世界に発信する記事としてこう書く。これが日本の大マスコミだとどうしても内輪のクラブ記事になる。
 真夜中にこれを察知した上で午前2時に大使を呼びつけるという外
務省の対応は見事である。翻訳が間に合わなくて真珠湾攻撃を「不意打ち」と今に至るまで言われている反省がようやく活かされているか(笑)。私が文藝春秋の記者として世界を歩いていたころ「こんな時刻にこんなに酔っぱらっていて大丈夫かいな」という「人のいい」大使たちがいた。大使は現地では「閣下」と呼ばれる。もうそれで有頂天なのだ。しかし緊張感はまったくなかった。ウェブで同時にすべてがつながることもあるのだろうが、ようやく外交のあるべき姿になった気もする。
 ロシアと支那の意図は何なのか。
それぞれがやっているのか談合しているのか。世界中のインテリジェンスが分析しているだろうが、私は「睨み合いをしていた結果の偶発的な出来事」ではないかと考える。専門家の分析もそう見ている。
 <中国の安全保障政策に詳しい専門家は、
ロシア軍艦が先に接続水域に入った点に注目。「中国が領有権を主張する海域近くに、ロシア軍艦に続いて海自の護衛艦が向かった。中国はそこに反応したのではないか」と、北京の日本大使館に駐在した元海上自衛官で、現在は東京財団研究員の小原凡司氏はみる。>
 日本人のほんどはこうしたことを知らない。私たちが見えない、
というよりも「軍事を知らない」あるいは「軍事を隠蔽する」マスコミが報じないからだ。私のように日常的に防人たちと接していると、海でも空でも陸でもどれほどピリピリした緊張感でお互いに対峙しているかがわかる。だから今回のことでも「ああ、来たか」だ。もっとそういうことを大マスコミは「何か突然起きました」ではなく国民に知らしめて欲しい。特に朝日新聞。「軍事を知らずして」あなたたちが大好きな「平和はない」のですよ。
 今朝もこちらで読む朝日の1面は米兵による殺人、強姦致死だ。
昔は「いたずら」と書き換えていた強姦を1面の見出しで使うようになったことだけは褒めておこう。この米兵の犯罪と尖閣の防衛とは実はコインの裏表である。まことに率直に言ってしまうと強姦をするような米兵であっても沖縄にいるので、尖閣は奪られないのである。もちろん自主防衛でわが精強無比なる国軍が今の3倍くらいの力を持ち、核武装まですれば話は違うが、朝日が許すわけはない。別に朝日が許さなくても屁でもないが、あそこが洗脳した国論をそちらに持っていくのは難儀だ。
 朝日新聞、なぜそれらを「総合的」に書かないのか。「
尖閣支那の艦船が入ってきている」と「沖縄で米兵が強姦をしてその存在が問われている」ということは、実はひとつのニュースなのだ。どちらを選ぶか、である。朝日だけを批判してもいけない。日本国の大マスコミはすべてそういう「関連性」を報じない。私は雑食のバッタもんなのでどうしても浅い知識でそれらを結びつけてしまう。それがコラムニストという仕事だ。
 繰り返される米兵の暴虐をどう防ぐか。簡単だ。「
基地の外に出るな」だ。「基地外(カタカナにしてみてね)」は閉じ込めておくことである。いささか長くなった。戦場取材で世界中で米兵とつきあってきた。ひとことで言えば「アホ」だ。ここで峻別しておかなくてはいけないのは将校はそうではない。まことに難しい選抜を通ってきたエリートたちである。この両者がどういう会話をしているのか私には謎なくらいだ。
 ヤンキーが、おっとそもそもヤンキーはアメリカ人のことか(笑)
M16を振り回しているのである。そりゃいろいろ起きる。このくらいですんでいるのはなかなかに米軍の軍規はしっかりしているのかも知れない。だがこんなことを言うと沖縄の方々、特に被害者に対して失礼きわまりない。「そんなもんなんだ」と理解してきっちりとこちらのガードを固めるべきだし「そもそもそこまでして米軍にいてもらった方がいいのかな」という論議はあってもいい。今回のようなふるまいを支那がするならば、在日米軍とりわけ第7艦隊は必須かな。第7艦隊に匹敵する時刻の艦船を持つとなると、わが友人の海軍さんたちは歓喜雀躍すると思うけど。




_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
(c)2016 勝谷誠彦katsuyamasahiko.jp All Rights Reserved.
問合せ(メールの未着など):info@katsuyamasahiko.jp
情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/procedure/dissolve
発行:株式会社 世論社