超党派の区議員、臓器狩り問題を注視 都内でドキュメンタリー映画上映
医療倫理を検討する団体「移植ツーリズムを考える会(stop-oh.org)」が主催した、このたびの上映会は、墨田区区役所ミニシアターで行われた。会には墨田区および新宿区の区議らが出席。上映後は意見や質問が出され、人道犯罪である臓器狩りの停止するためには、中国人権問題の非難のみならず日本国内の法整備が重要との意見が相次いだ。
墨田区議会議員・大瀬康介氏は、マスメディアに依存しない個人レベルでの情報発信も重要と発言。「インターネットは自由で、全世界市民が配信でき閲覧できる。地方議会で意見書を挙げていき、国民に知らせていくことが重要。人の命をいかに大切に扱えるかは、議員の仕事ではないか」と述べた。
日本では、中国移植ツアーを制限する法の整備はまだない。日本の臓器移植あっせん関係団体のホームページでは、中国での移植手術がまだ宣伝されている。「臓器元の不明な中国移植ツアーを肯定するような情報は、中国共産党が日本を攻撃する材料になりかねない」と、主催者側の張氏は指摘する。
2010年ノーベル平和賞候補者の人権弁護士デービッド・マタス氏と元カナダ政府国務省アジア太平洋地域大臣デービッド・キルガー氏の調査では、毎年6~10万人が臓器摘出により死亡している。少なくとも毎日、数百人が犠牲になっている推計となる。
映像では、マタス氏が脅迫に遭い、中国問題を指摘していることのリスクを語るシーンがある。鑑賞した議員からは「日本でも、中国大使館や領事館からの妨害はあるのか」との質問に、主催者側は「法輪功学習者の身元を特定するために、大使館関係者が、臓器狩り停止を訴えるパレードに参加する中国人学習者の様子を常に撮影している」と説明。
身元が判明すると、中国共産党による法輪功迫害政策に基づき、本土の家族や親せきが弾圧される可能性がある。日本の警察当局も、日本在留の法輪学習者の人権を保護する関連法はないため、撮影を規制することはできないのが現状だ。
主催者である「移植ツーリズムを考える会」稲垣理事は「臓器狩りの内容はフィクションではなく、ドキュメンタリーであり事実。移植手術そのものを否定するのではなく、日本人が人道犯罪に絡んだ中国臓器狩りに巻き込まれないように、即刻の法整備を望む」と述べた。
(翻訳編集・佐渡 道世)