日本では平気で中国共産党が撒いた種を大事に
守る人がたくさんいる、しかし彼らはすべて欲が仕切る人間であって、本当のことは言わない。
もちろんマスコミもそうである。
一人一人が自分で考える習慣を持ちたい。
こんな情報を流す経済紙も注意!
日本は 右も左も自由であることの証だから!
中国嫌いが災い、AIIBを巡る世界の流れに日本は乗り遅れた
ダイヤモンド・オンライン 2/2(木) 6:00配信
約2年前のいま頃、中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、日本では熾烈な議論が繰り広げられていた。「日本はそれに加入すべきではない」といった感情的な論調が主流だった。中には中国を罵倒する発言もあちらこちら出ていた。
当時、私は出演したテレビ番組や執筆している連載コラムなどで、「AIIBに加入する国がもっと増えてくると思う。中国主導かどうかといった問題よりも、国際銀行の設立に関わった経験を持つ先輩役の日本もアジアインフラ投資銀行に参加すべきだ」と力説した。しかし、一蹴される、または一笑されるケースが多かった。日本メディアの一辺倒的な報道姿勢にも目を覆いたくなる場面が多々あった。
1998年から「日中関係はこれから20年間、よくならない」と予測し、2005年には、「日中友好時代が終わった」との判断を下した人間としては、こうした論調やメディアの姿勢には別に驚きなんかは覚えていない。
ただ、生活基盤を日本に置いている以上、日本は自らの国益を損なうまでの誤った政治判断をしたら、まずいのではと心配していた。
● 「冷静に」と言ったら 売国奴と罵倒された筆者
このような思いに駆られて、2015年4月2日、ダイヤモンド・オンラインのこのコラムで、「日本は中国に対する冷静さを欠き、AIIB加入問題で流れを読み間違えた」と題した文章を発表した。
文章の中で、私は、中国が主導するAIIBの創立メンバーの募集について、米国に追随し、中国の孤立を予測し期待していた日本は「超甘すぎる観測で世界の流れを読み違え」、「逆に孤立した立場に追い込まれた」と指摘した。
当時、日本の経済界からも「インフラビジネスが不利になること」を心配する声が上がった。そこで私は「激動する日中関係と世界関係を平心静気に見つめて」いこうと提案した。この「平心静気」は中国のことわざだが、「落ち着いて冷静に」という意味だ。
しかし、こうした発言は一部の日本人にとっては受け入れ難いもののようだ。ネットには、「日本を間違った方向に誘導する売国奴」「売国ゴミ屑」として、私のような主張や提案をする人間を罵倒するためのリストが出ていた。
そこには、二階俊博(自民党)、福田康夫(旧首相)、河野洋平(旧自民党)、石原伸晃(自民党)、辻本清美(民主党)、藤井裕久(旧財務省)、岡田克也(民主党代表)、蓮舫(民主党)、江田憲次(維新の党)、小沢鋭仁(維新の党)、天木直人(外交評論家)、古賀茂明(旧通産官僚)、田中均(旧外務審議官)、志位和夫(共産党委員長)、孫崎享(外交官、評論家)、姫田小夏(中国情勢ジャーナリスト)、瀬口清之(キヤノングローバル戦略研究所主幹)といった方々の名前が出ている。どうしたわけか、中国人の私の名前も載せられている。そのリストのいい加減さもそれで露呈している。
ところで、時間が推移しているうちに、AIIB関連の情勢はますます「売国ゴミ屑」と罵られる私たちの方向に傾斜してくる。
昨年9月1日、「カナダ、中国主導のAIIBに9月中にも加盟申請へ」という北京発ロイター電に、一部の日本人が心の穏やかさを失ったはずだ。
当時、トルドー・カナダ首相に同行して中国を訪問しているモルノー同財務相はAIIBが非常に有効な国際機関になる兆しが見られると指摘し、昨年9月中の加盟申請を目指す方針を示した。
米国のホワイトハウスのアーネスト報道官も、米国とカナダの当局者はAIIB加盟について連絡を取り合っていると記者団に説明した。
AIIBの金立群総裁は記者団に「カナダの参加決定はAIIBの運営を大幅に強化する」と述べたうえ、「米国のAIIBに対する態度に変化の兆しが見られる。また世界銀行のAIIBとの協調拡大は心強い」と語った。
17年1月下旬、中国の環球時報などのメディアが相次いで「中国主導のAIIBにカナダ、アイルランド、スーダン、エチオピアなど25ヵ国が新加入へ、米国加入の可能性も」といった内容のニュースを配信した。
同1月24日付英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに、金総裁は、今年は新たな参加予定国には含まれていないが、トランプ大統領率いる米国が加盟する可能性もある。昨秋、トランプ米大統領の政権移行チームがオバマ大統領(当時)のAIIB不参加の決定を批判していた、と語り、新政権で米国に変化が生じる可能性もあると指摘していた。
実際、愚直に米国に追随して行動する日本も、こうした米国の変身ぶりに度肝を抜かれている。
トランプ大統領の上級顧問(安全保障問題担当)を務めるジェームズ・ウールジー氏がAIIBに参加すべきだと主張し、(AIIBに)米国が参加しなかったことについて「戦略的な誤り」との認識を示した。ジェームズ・ウールジー氏が元中央情報局長官だったという事実もこの発言の重みを増している。このニュースによる大きな衝撃が日本に駆け抜けたと嘆くような記事が出ている。
ただ、米国が即AIIB加盟へという方向へは、事はそう簡単に運ばないと思う。最近、トランプ大統領の側近であるスティーブン・ムニューチン氏が昨年11月16日、「インフラ投資の資金調達でインフラ銀の設立を検討する」と明言している。「アメリカ・インフラ投資銀行(American Infrastruture Investment Bank)」の設立を考えているのだろう。その銀行も略せばAIIBとなる。中国主導のAIIBと同じ表現になり、ちょっと紛らわしいが、米国版AIIBの誕生の可能性も絶対ないとは言えない。
だから、改めて日本に提案する。AIIBに加盟するかどうかという具体的な案件への各々の対応策という次元の問題よりも、日本は「落ち着いて冷静に」日中関係を見つめる姿勢を保っていくことが重要だ。そうすれば、日中関係を推進するのに大事なシグナルを見落とさずに、進むべき方向も間違えずに済む。
(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)