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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)7月12日(木曜日)
通巻第5758号 <前日発行>
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トランプの中国制裁関税、ハイテク企業買収もなんのその
中国は航空機産業の中堅、特殊技術企業をすでに数社買収している
*******************************AVIC(中国航空工業集団有限公司.)は中国最大の航空機製造グループで、国有企業である。従業員は全体で56万人のマンモスである。
ジェット戦闘機、爆撃機、ドローンなどの製造でも有名だが、民間旅客機も製造する。
その実態は中国空軍であり、2008年に中国航空工業第一集団(AVIC I)と中国航空工業第二集団(AVIC II)とが合併した。ハルビン工場はブラジルの航空機メーカー「エンブラエル」との合弁。同年に欧州のエアバスと天津に合弁工場を開設し、2010年に米国エピックエアクラフト社、テレダイン・テクノジー社を買収した。
さらに2011年には、子会社の中航通用飛機を通じて、米国の航空用エンジン・メーカーであるコンチネンタル・モータースと、シーラス・エアクラフトを買収した。
AVICは111の企業集団、36の研究開発センターからなり、工場はハルビン、成都、西安、南昌などに分散されている。
落ち目だった米国の航空産業を飲み込んだため、いきおい注目を集めたが、以後、米国インテリジェンス機関の監査の対象となって、かれらのスパイ活動を監視してきた。
もちろん、AVICはボーイング、ノースロープ・グラマン、ゼネラル・ダイナミックス、ロッキード・マーチンなどの大手の軍需産業を狙っているのではなく、その部品やエンジンなどを製造する中堅メーカーを標的としてきた。中小の部品メーカーなどは所有する特許ごと買収された。
米国だけに留まらずAVICはドイツの「ティレート航空機エンジン」社、英国のAIM(レーダーパネル、ミサイル格納庫、センサーなどを製造)、同英国のジロ工業(ロータリー・エンジン)なども買収している。
一方、エンジニアとして米国企業に潜り込んだ中国人スパイは、最高機密の技術情報、設計図などをせっせと盗み出した。
ボーイングに潜り込んでいた中国人スパイのグレッグ・チュン(音訳不明)をB2爆撃機、スペースシャトルなどの機密を盗んでいた容疑で逮捕、チェンは、ほかにチ・マク、グ・ウィエハオら共犯者と組んで、航空機製造過程の設計図やノウハウなど機密書類を盗み出し、中国軍と関係の深いAVICに売り渡した容疑で起訴され、それぞれが16年から24年の懲役刑に処せられた。
AVICは戦闘機のほかに輸送機、武装ヘリ、地対空ミサイル、巡航ミサイルなども生産しており、いかに米国雄航空宇宙産業が、中国の間接侵略に無警戒であったかをしめしている。
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