パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

中国またしても経済政策の方針を転換。財政出動で景気刺激策を前面に



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)7月25日(水曜日)
        通巻第5765号   
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

中国またしても経済政策の方針を転換。財政出動で景気刺激策を前面に
  干されてきた李克強首相が舵取りの主役に復活した点に注目

******************************

 習近平は国務院の専管事項だった経済政策を、「○○小組」とかの新説の委員会に権限を移し、しかもそれら全てのトップに収まり、事実上の主導権を習近平子飼いの部下に任せた。
つまり劉?(副首相)が経済政策の実際のトップであり、しかも対米交渉の責任者も、李首相でも、米国とのコネが強い王洋でもなく、劉副首相が当たってきた。

 すべてが失敗した。
 経済成長は横ばいか、ややマイナス(統計上)、各地で在庫が積み上げられ、工事中断。失業の群れ。凄惨なばかりの経済失策の現場を見れば、中国の悲惨な状況を把握できる。加えて米中貿易戦争の開始により、対米輸出激減が予測されている。

 突如、李克強首相が甦った。
このところ劉暁波未亡人の劉霞訪独(事実上の海外亡命)の下工作のためにドイツへ行ってメルケルと会ったり、元気一杯。顔色が良くなった。
理由は習近平一派が掲載政策に失敗して、その責任問題が追及されそうになり、大きくパワーを後退させたからだ。

 さらに8兆円相当を国有銀行に投入し、貸し出しを増やすことにした。主目的は社債のデフォルトを防ぐことにある。「これは金融出動による救済でもなければ、景気刺激策でもない。あくまで調整である」と李克強首相が釈明発言をなした。しかし、どうみても上半期までの習近平の政策否定である。

 これまでの金融引き締めは、社債のデフォルト、インフラ建設の激減、地方債務膨張により、地方政府公務員給与の遅配、地元産業の倒産とつづいた。

 ところが、李首相はあらたに1990億ドル(22兆3000億円)を地方政府の信用枠拡大のために市場にぶち込んで、当座の金融危機を回避させる。
よく考えれば、「危機の先送り」に過ぎないが、あまりにも夥しい社債債務不履行がつづき、やがては金融パニックを引き起こしかねないと認識したためである

 P2Pも、およそ100社が解散させられたが、この規制も緩める方針である。この政策変更を受けて、上海株式は連続下落にやっと歯止めがかかった。人民元安は、必然的にこれからも続くだろうが、通貨安という犠牲との交換で、金融刺戟を行うのが李首相復活の嚆矢となる。

 中南海奥の院の権力闘争は、必然的にパワー構造が変化し、王?寧に替わって団派の胡春華が、劉?に替わって王洋リリーフ説も浮上しているという。

     ▽◎◇み◎◇◇や▽◎◇ざ◇◇◎き◇◇◎