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「サムスン一本足」異変、韓国経済に黄信号?

このままだと
軍隊+民衆ー->大統領追い出しーーー>北朝鮮逃げ込みー>北朝鮮・南進

サムスン一本足」異変、韓国経済に黄信号?

大統領、年初から俄然「経済」シフト強めるが・・・
2019.1.10(木) 玉置 直司
サムスン、天津工場を今月末で閉鎖
サムスン、天津工場を2018年12月末で閉鎖。写真は天津にあるサムスンの工場(2006年10月15日撮影、資料写真)。(c)CNS/劉兆明〔AFPBB News
「ここまで落ち込むとは・・・」
2019年1月8日、サムスン電子が2018年10~12月期の決算見通しを発表すると、証券市場は一時混乱に陥った。2年ぶりの大幅減益となったからだ。
韓国経済はここ数年、「サムスン一本足」ともいえる状況が続いており、経済の先行きに黄信号が点灯したとの見方が強まっている。
文在寅ムン・ジェイン=1953年生)大統領も年初から、猛烈な「経済シフト」に乗り出している。
サムスン電子の決算は、営業利益が10兆8000億ウォン(1円=10ウォン)で前年同期比29%減だった。7~9月期に比べると39%減少した。
四半期ベースの営業利益が減少したのは2016年7~9月期以来、2年ぶりとなった。
アナリスト予測を2兆ウォン下回る
サムスン電子の4半期ベースでの営業利益額は円換算で1兆5000億円だ。2018年の年間営業利益額も58兆8900ウォンで絶対額は依然として大きい。
2019年も4兆円を超える営業利益を出すとの見通しが多い。それでも、産業界や証券市場には8日の発表は、大きな衝撃となった。
というのも、事前のアナリストの予測を大幅に下回る利益額だったからだ。
韓国メディアによると、証券会社など14社が事前に利益予想を出していたが、その額は平均で13兆1745億ウォン。8日に発表になった利益予想はこれを2兆ウォンも下回る結果だった。
最大の収益源である半導体事業の減益幅が予想をはるかに上回ったためだ。
サムスン電子半導体事業の営業利益は7~9月期の13兆6500億ウォンから5兆ウォン以上減少したと見られている。
大口顧客であるデータセンターなどで在庫整理が進み、DRAMの出荷量は10%以上落ち込んだと見られている。
1企業の決算を超える影響力
サムスン電子の決算は、単に韓国大手企業の決算だと片づけることはできない。
サムスン電子の営業利益額は、全上場企業の合計額の4割近くを占めていた。韓国全体の輸出額の14%、時価総額の17%も占めるマンモス企業なのだ。
ここ数年、韓国の主力産業は次々とかつての収益力を失ってきた。造船、海運に続いて2018年には自動車メーカーの利益も急減していた。
その中で、空前の半導体好況に支えられて、サムスン電子が圧倒的な利益を稼ぎ出し、全体の牽引役となっていた。
半導体の好況サイクルはいつかは終わる。その時、どの産業が取って代わるのか?」
2年ほど前から、こんな懸念が出ていた。サムスン電子大幅減益の決算発表はだから、韓国経済全体の先行きに大きな懸念材料となっている。
サムスン副会長、判決を不服として控訴 韓国

サムスン電子の副会長で実質上のトップだった李在鎔(イ・ジェヨン)氏。前大統領、朴槿恵被告への贈賄などの罪で懲役5年の実刑判決を受けた。その後、高等裁判所に懲役2年6カ月、執行猶予4年の判決を言い渡されている(2017年8月25日撮影、資料写真)(c)AFP/ChungSung-Jun〔AFPBB News

年始あいさつのキーワードは「危機」
「経済」に対する不安感はさらに韓国の産業界で強まっている。
「新年、財界の第一声『絶体絶命危機状況』『変わらなければ生き残れない』」
大手紙「中央日報」は1月3日付で、2019年の韓国財閥トップの「新年あいさつ」の内容を要約してこんな見出しの記事を載せた。
米中通商摩擦や人件費高騰、成長分野が見つからない点など、韓国の産業界には明るい材料がなかなか見つからない。
同紙は、年頭あいさつのキーワードを「危機」と報じた。
文在寅大統領も、「経済」を最優先に掲げて動き始めた。1月2日、政府や国会、大法院トップなどが集まる新年会を、これまでの青瓦台(大統領府)ではなく、「中小企業中央会」で開催した。
大法院長(最高裁判所長官)、首相、国会議長などとともに中小企業中央会会長や大韓商工会議所会長、李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長、崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)SKグループ会長、鄭義宣(チョン・ウィソン=1970年生)現代自動車グループ総括首席副会長なども招いた。
文在寅大統領は、年頭あいさつでも「企業が投資しやすい環境を作ることに努力する。経済反転も雇用も結局は企業の投資から生まれる」などと語った。
年始から経済重視の姿勢示す大統領
さらに1月7日には青瓦台で開いた年明け最初の外部との行事として「中小ベンチャー企業人との対話」を開催した。
150人もの企業人を招いた行事だった。
ここでも文在寅大統領は「最も急がれる問題である雇用は、全雇用の80%を占める中小企業のがんばっていただかなければ・・・そのために政府の努力する」と激励した。
「2017年5月に就任して以来、いまの政権は『南北関係改善』や『積幣清算』では、一定の成果があったとの評価がある」
「だが、『経済』に関しては目に見える成果がなく、これが支持率低下の大きな要因になっている」
韓国紙デスクは、年末以来、文在寅大統領の「経済」への力の入れようをこう見る。
経済成長率は低下し、雇用状況は過去最悪とも言われる。一部地域での不動産価格の急騰で「経済格差」がさらに拡大した。
労使関係は悪化している・・・経済政策への国民の不満は強まっており、2019年には何とか「結果」を見せたいというわけだ。
とはいえ、経済に即効薬などない。まして2019年は、米中通商摩擦など外部要因の悪化で、韓国経済はさらに厳しい環境になるとの見方が強い。
そこへ、半導体市況まで悪化すれば、打つ手がなかなかないのも現実だ。
文在寅政権は、発足以来、「所得主導成長」政策を続けてきた。最低賃金を大幅に引き上げ、非正規職の正規職への転換を進めた。
庶民層に手厚く支援をして、消費を増やし、これをてこに経済を活性化させる狙いだ。ところが、最低賃金の引き上げは中小零細企業の経営を圧迫し、なかなか思うような成果が上がらない。
半導体に次ぐ成長分野の育成といっても、すぐに新産業が出てくるはずもない。
苛立ちでホンネも吐露?
「経済」政策への批判が高まるなか、文在寅大統領の苛立ちも強まっているようだ。
2018年12月31日。文在寅大統領は青瓦台で与党指導部との忘年昼食会を開いた。この席でこんな発言をしたのだ。
「経済が何よりも重要だ。最低賃金引き上げや労働時間短縮については予算など補完措置を打てば2019年には少しずつ成果が出てくる」
「残念なのは、成果があっても私たちの社会で『経済失敗フレーム』がとにかく強く、国民にきちんと伝わらない。取捨選択して報道したいことばかり否定的に報道する状況が大変残念だ」
メディア批判というよりも、身内である与党幹部との席で思わずホンネを明かしてしまったようだ。
文在寅政権は5月に発足から満2年を迎える。「経済」で成果を上げて支持率回復を是が非でも図りたいのは当然だ。
一方で、「経済」への批判も強く、経済が政治問題化する懸念もある。
進歩系論客の危機論一蹴発言
進歩系の論客で国会議員や盧武鉉ノ・ムヒョン)政権で保健福祉部長官を歴任した柳時敏(ユ・シミン=1959年生)盧武鉉財団理事長が年末に発言した「経済危機論」についての内容が大きな話題になった。
もともと、歯に衣着せぬ発言で有名な同氏だが、今回は、「経済危機論」を一蹴した。
「いま、保守メディアや大企業が主導する経済新聞、大企業が広告主になっている経済面の記事が振りまいている経済危機論は、既存の既得権層の利益を壊すか壊すかもしれない政策を妨害するための試みだ」
「こうした理論を主導している人たちは、自分たちの利益のために嘘をついているとは思っていない」
「こういう人たちは、会う人、生活の基盤、勉強した場所、接している情報が偏っているから事実だと信じているのだ」
柳時敏氏の主張は、一部進歩系の主張をクリアに代弁している。こうした発言で、「政界引退」を宣言したにもかかわらず、「中央日報」が年始に掲載した「汎与党圏次期大統領候補」世論調査で、李洛淵(イ・ナギョン=1951年生)首相に次ぐ2位に急浮上した。
経済に対する不安感が高まるなか、経済は経済問題を超えて拡散する気配もある。
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