パルデンの会

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中華民族の支配権の及ぶところでは、国際常識としての領土や領海の概念は通用しません



国際政治学者が解く、中国は世界の覇権を狙っているのか!

2019年01月08日 06:00
世界の覇権争いという視点から世界の状態、日本の状態を俯瞰しなければいけない。大きく変わりゆく世界の動きを受けて、日本はこれからどうしていくべきなのか。今回は、2020年、世界の覇権争い』(あさ出版を紹介したい。著者は、国際政治学者のペマ・ギャルポ(Pema Gyalpo)氏。現在、拓殖大学国際日本文化研究所教授、桐蔭横浜大学法学部・大学院法律研究科客員教授の職位にある。
ペマ・ギャルポ氏は、アメリカが虐待するなかで、野心を隠そうとせず、つぎの覇権国になることを公に宣言しているのが中国だと解説する。
「中国の習近平国家主席は、2018年の全国人民代表大会で『中華民族の偉大な復興』いう言葉を繰り返し叫びました。それは中国が最も輝いていた時代、元や清時代のような広大な領土を手にし、国力を回復させることを目標としていることに他なりません。ベトナムなどの、かつて朝貢国であった国々を再び自らの勢力下に置くことでアジアの覇権を握ろうとしているのです」(ペマ・ギャルポ氏)
「中国の覇権戦略がよくわかるのが、南シナ海における南沙、西沙諸島への侵攻です。1973年3月にアメリカ軍がベトナムから撤退した後に、まずベトナムの東の西沙諸島に対して侵略を開始。続いて1992年、フィリピンのスービック海軍基地からアメリカ軍が撤退してから、フィリピン南四の南沙諸島に対して侵略を開始しました。共にアメリカの撤退という『力の空白』を見逃さず、ただちに行動を起こしたものです」(同)
ペマ・ギャルポ氏は、中国は「力の空白」が生まれれば、すかさず行動を起こしていると主張する。今後、アメリカが退いていけば、そこに生まれる空白を、確実に中国はものにしていく可能性が高いとしている。
「中国が狙っているのが、アジアの地域覇権にとどまらないことです。中国は今、東シナ海南シナ海などまで押さえ、さらに経済力を背景にし『一帯一路』を媒体にしてヨーロッパやアフリカにまで、中華帝国の足を伸ばそうとしています。中華民族の支配権の及ぶところでは、国際常識としての領土や領海の概念は通用しません。世界中が今まさに、中国の影響下に置かれる危機の中にあるのです」(ペマ・ギャルポ氏)
日本は、大きな危機に直面している。 統制された情報にだまされず、自分の目で真実を見なければいけない。そして日本で、何が起きているのか。国際政治学ペマ・ギャルポ氏が、混乱の時代を読み解いた一冊である。
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※新刊情報(筆者11冊目の著書)
即効!成果が上がる文章の技術』(明日香出版社