パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

親中派60議席(13・3%)という香港区議選の結果 中国はいかに伝えたか 宮崎先生のブログから


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宮崎正弘の国際情勢解題」
令和元年(2019)11月26日(火曜日)弐
    第12号(通巻6287号)  
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 香港区議選、親中派の大惨敗を中国はいかに伝えたか
民主派の勝利を伏せて        「選挙が行われた」 とだけ。ショックを隠し
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 あまりの衝撃に結果を伝えない。
ま、情報はすべてプロパガンダでしかない中国メディアゆえに、そういう態度をとることは想定内である。
 「香港で区議選が行われた。452人の定員、18の選挙区で、黒テロリズムの下、選挙があった」とだけ伝えた。「西側のメディアが暴動を扇動した。香港警察は頑張った」というコメントが挿入されたものの、民主側の勝利という重要な結果を伝えなかった。さもありなん。

 さて452名の新議員達の色分けと言えば
民主派   347(76・8%)
親中派    60(13・3%)
無所属    40 (10%)

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 香港大乱、民主派の圧勝、そして次ぎに何が起きるか
 武闘派は兵站拠点を失い、今後の過激行為は市民の支持を得にくくなる
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 香港大乱、折り返し点が見えてきた。
まずこれまでの経過をざっと振り返ると

 6月9日、突如『反中送』をスローガンに100万人のデモ
 6月半ば頃から 学生、若者が警官隊と衝突
 7月 1日 立法府議事堂を占拠、五星紅旗を踏みにじる
 7月21日 元朗駅でマフィア襲撃事件

 8月    医療斑の女子学生がゴム弾で片目を失明
 9月 4日 逃亡犯条例を撤回
 10月4日 覆面禁止法を施行
       いずれも逆効果となってデモが過激化。地下鉄駅破壊続く

 10月   警官隊がピストル発射。重傷者続出し
       初の死亡事件。デモ荒れる
       自殺者が急増、女子高生の全裸死体
 10月24日 ペンス副大統領「米国は香港の民主派と連帯している」

 11月    大学の兵站基地化。ついに大学へ警官隊踏み込む
        選挙直前まで テロ事件も頻発。海外移住組も顕著に
        高裁が覆面禁止法の違法性を発表
 11月24日 区議会選挙、民主派の大勝 


▲これから何が起こるか

 これから香港情勢がどうなるかを予測することは難しいが、次のことは言える。
 第一に過激な暴力行為は減少するだろう
 武闘派が立て籠もった三つの大学へ手入れ。火焔瓶製造基地、保存ならびに兵站基地を失った。そのうえ主力メンバーの多くが逮捕されてしまい、戦力の維持が難しい。

 第二に区議会で反北京という鮮明な民意が表明されたので、以後の過激な暴力行為は市民からの支持を得られないだろう。戦術の転換が迫られ、穏健派の『民陣』などと共同活動に踏み切るか、あるいは少数の行動をしばらく続けるか、いずれにしても過激派は分裂を余儀なくされるだろう。

 第三に、衝撃を受けたのは香港政庁より北京の共産党政権である。
 いかに民衆から嫌われているか、あるいは鈍感な習近平とて気がついたかも知れない。ソフト路線で、しばらく対応しつつ様子見に入る。なぜなら来年早々の1月11日台湾総統選挙が控えているからで、中国が支援する韓国諭(国民党候補)の苦戦をいかに克服するか。
 しかも情報戦で北京が顔色を変えたのは中国スパイが機密情報を以て豪に亡命し、香港と台湾でも秘密工作を展開して北事実がばれたことだ。
中国政府は「この偽亡命者はカネを持ち逃げした。彼の提供した情報なるものはすべてフェイクである」とプロパガンダを流したが、殆ど効果がなかった。

 第四は、香港大乱によって、台湾では、むしろ蔡英文政権は有利な状況となり、「一国二制度を受け入れない」と蔡政権が公言しても、北京の強い抗議もなくなった。国民党系のメディアが中国の財政支援、情報操作を受けていることが知れ渡り、台湾国民の多くは「自由時報」や『リンゴ日報』しか信用せず、挙げ句には外国メディアの分析に信頼を置いている。
 香港の事態の推移を目撃した台湾民衆は、現状を維持しつつ、いずれは台湾独立という路線を支持しているから現職蔡英文の再選がはっきりと見えてきた。

 第五に日本ならびに欧米のメディアに見られるように民主派の勝利を大きく好意的に報じている。同時に西側メディアは中国が狂気の弾圧を続けるウィグル問題を大きく取り上げるようになり、関連してチベット南モンゴル問題も、香港、台湾問題に結びつける論調が分析を見かけるようになった。
宣伝戦において中国は劣勢に陥った。
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選挙後の香港 11月25日

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選挙は混乱なく 香港警察の警備の元

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民主政党側が勝利しても セントラルのランチ集会は続く。

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若者たちは 夜にかけて 理工大学の解放を要求する

 

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