【ワシントン=芦塚智子】米国務省は10日、世界の「信教の自由」に関する2019年版の報告書を発表した。ポンペオ国務長官は記者会見で、「中国では政府が支援する抑圧が、あらゆる宗教に向けられ引き続き激化している」と指摘。新疆ウイグル自治区でのウイグル族の大量拘束や、チベット仏教徒、キリスト教徒の弾圧などを批判した。
中国の信教の自由抑圧を批判したポンペオ米国務長官(10日、ワシントン)=AP
ポンペオ氏は、米国での黒人暴行死を巡る抗議デモを、中国が政治目的に悪用しているとも非難。「米国には法治や言論の自由、平和的な抗議活動の受容があるが、中国にはない。違いは明確だ」と強調した。
報告書は、中国政府がウイグル族や他のイスラム教徒ら100万人以上を拘束し、収容所で拷問や強制労働などが行われていると指摘している。北朝鮮に関しても国連の報告書を引用し、思想や信教の自由が「ほぼ完全に否定されている」と批判した。
ポンペオ米国務長官、中国は「宗教抑圧強化」 信教の自由報告書
【ワシントン時事】米国務省は10日、各国の信教の自由に関する年次報告書(2019年)を発表した。発表に合わせて記者会見したポンペオ国務長官は「中国では政府が主導し、すべての宗教に対する抑圧を強化し続けている」と批判した。その上で、新疆ウイグル自治区でのウイグル族大量拘束や、チベット族への弾圧は続いていると語った。
報告書は、100万人以上のウイグル族やイスラム教徒の少数派らが収容所で洗脳されたり、拷問を受けたりしていると指摘した。
ポンペオ氏は、中国の天安門事件で弾圧された民主化運動の元学生リーダーらと先週面会したことにも言及。同事件を「中国共産党による虐殺」と断じるなど、人権問題で対中強硬姿勢を鮮明にした。