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人権批判封じに躍起・北京冬季五輪

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時事ドットコム

習氏3期目へ成功譲れず 「民族の復興」掲げ―人権批判封じに躍起・北京冬季五輪

2021年10月26日07時35分

ギリシャ・オリンピア遺跡での採火式で、チベットの旗などを掲げ北京冬季五輪に反対する活動家=18日撮影(AFP時事)

ギリシャオリンピア遺跡での採火式で、チベットの旗などを掲げ北京冬季五輪に反対する活動家=18日撮影(AFP時事)

  • 中国の習近平国家主席=9月30日、北京(AFP時事)
  • 北京で開かれた歓迎式で、到着した聖火が入ったランタンを持つ男性(中央)=20日撮影

 【北京時事】来年2月に開幕する北京冬季五輪は、異例の3期目入りを懸けた来秋の共産党大会を控え指導者としての力量を問われる習近平国家主席にとって、必ず成功させなければならない重要イベントだ。中国政府は米欧でくすぶるボイコット論や新型コロナウイルスの抑え込みに全力を挙げている。

米議会、協賛企業を集中攻撃 北京五輪ボイコット促す

 習指導部発足の翌年の2013年、北京市と河北省張家口市は開催都市に立候補し、15年の国際オリンピック委員会(IOC)総会で招致に成功した。08年の夏季五輪の舞台となった北京は、夏冬両五輪を史上初めて経験する都市となる。夏季五輪で責任者を務めたのが、国家副主席だった習氏だ。
 「民族精神を奮い立たせ、中華民族の偉大な復興実現のため国内外の男女が結集し団結・奮闘するのに資する」。習氏は16年の会議で、北京冬季五輪国威発揚の目的があることを隠さなかった。中国の対外イメージ向上も狙いで、誘致時に指摘された北京の深刻な大気汚染は規制強化で改善しつつある。
 しかし米欧では、新疆ウイグル自治区の人権弾圧などを理由に要人の欠席やスポンサー企業の降板を求める声が上がる。今月18日のアテネの聖火採火式では、チベットの旗を掲げ五輪に反対する活動家が拘束された。北京夏季五輪でもチベット族の僧侶や住民の抗議行動を当局が鎮圧した「チベット騒乱」を受けて対中批判が高まり、ギリシャから中国に至る聖火リレーの沿道各地で妨害活動が起きた。
 「スポーツの政治問題化は五輪憲章違反」と主張する中国外務省は、国際的な根回しに抜かりがない。20日には各国大使らを招き、チベット自治区の紹介イベントを開いた。王毅国務委員兼外相はあいさつで「チベットの発展に対する攻撃・中傷は断じて受け入れない」とくぎを刺した。
 火種となる世界各地での聖火リレーは今回、新型コロナウイルスの影響で行われず、中国には好都合だった。ただ、国内の聖火リレーも会場周辺に限定され、期間も開幕直前の3日間のみ。騒動を回避できる半面、活気は失われた。
 聖火が北京に到着した20日、歓迎式であいさつした大会組織委員会の張建東・執行副主席は「大衆の健康と安全を第一に据える」と説明した。本番では国内観客を動員してコロナ対策の成果を演出する方向だが、北京をはじめ国内では再び感染拡大の兆しが見えており、緊張感が広がっている。

 

2021年7月、インドのダルムサラで中国共産党の創立100周年に反対する抗議活動においてチベットの精神的指導者であるダライ・ラマの肖像を掲げる亡命チベット人僧侶(AP通信社)
2021年7月、インドのダルムサラで中国共産党の創立100周年に反対する抗議活動においてチベットの精神的指導者であるダライ・ラマの肖像を掲げる亡命チベット人僧侶(AP通信社)

70年に及ぶ抑圧を覆い隠すチベットの進展に関する中国の主張=報告書

インドを拠点とする亡命政府の新たな報告書によると、中国の統治によってチベットの人々の生活が改善し、チベットは常に中国に帰属するという同国の主張は現実を歪曲させ歴史的事実を無視しているという。 

中国の建国記念日前日に当たる9月30日に発表された亡命政府の報告書は、中国政府が5月に発表した白書「1951年以降のチベット:解放、開発、繁栄(Tibet Since 1951: Liberation Development and Prosperity)」に反論した。

 「解放の70年ではなく実際には抑圧と弾圧の70年だ」 と亡命者であるチベットペンパ・ツェリン(Penpa Tsering)大統領は報告書の発表イベントで述べている。「過去70年間、中国政府はインフラ開発と発展の名の下にチベット国内のチベット人を常に支配してきた」。

さらに、中国は「武力を行使し人々に恐怖を植え付ける圧政」 を確立することによってのみチベットの支配を維持してきたと、亡命政府は 「チベット:占領と抑圧の70年 (Tibet: 70 Years of Occupation and Oppression)」 と題する報告書の中で指摘している。 

「現在、安全保障化の増加や監視の強化、開発を口実にすることによりチベット人を統制しようとしており、これらすべてがチベットを中国に統合するための政治的ツールとして使用されている」と、亡命政府は述べている。 

チベットにおける中国の統治は、「植民地主義の基本的な特徴をすべて備えている」と亡命政府は指摘する。「他の植民地政権と同様に、中国文化とイデオロギーの優越性と美徳、そして『遅れている他者』としてのチベット人という考えに依存している」。

 報告書によると、チベットが常に中国の一部であったという中国政府の主張は、チベットの国家的、精神的指導者であるダライ・ラマと、何世紀も前に中国を征服していたモンゴル帝国満州帝国の支配者たちとのつながりから来ているにすぎない。 

「中国の主張とは裏腹に、チベットは歴史的には中国の一部ではなかったが、1949年から1951年にわたる人民解放軍チベット侵攻により武力によって占領された。チベットが『解放された』という主張は、チベットに対する不法占拠を合法化することを目的とした口実の一部である」と亡命政府は述べている。 

中国は同国の白書において、「チベットの人々は法律に従って国と地域を支配する権利を享受している」とし、中国の統治下でチベットは「社会の調和と安定のおかげで急速かつ持続的な成長を遂げている」と主張している。

しかし、中国は長年にわたりチベットの人々が自らのビジョンとニーズに基づいて自国を発展させる権利と自由を否定してきたという。「占領以来、中国はチベットで略奪を繰り返している。チベットの材木を伐採しチベットの鉱物資源を採掘し、チベットの河川をせき止め、迂回させている」。

 亡命政府の主張では、チベット人は中国の支援を喜んでいる少数民族として常に中国政府に感謝の意を表さなければならず、「服従を示さないことは、恩知らずの表れとみなされるだけではなく、強制と再教育で是正される必要のある政治犯罪ともみなされる」。

いっぽう、チベット語を保護し、チベット語の使用を促進しているという中国政府の主張は教育現場で中国語の授業を義務付ける教育政策と矛盾しており、中国語能力のない卒業生は専門職でますます取り残されている。

 「中国政府が実施している教育政策は、チベット語の使用を制限するだけでなくチベット人のアイデンティティを根絶することを目的としている」とツェリン氏はいう。

亡命政府の報告書によると、中国がチベットを封建的かつ後進的な統治から 「平和的に解放した」と繰り返す主張は、中国の征服と占領がもたらす暴力と矛盾している。

 「現実には中国の台頭は全く平和的なものではない。むしろ暴力的でありチベット東トルキスタン南モンゴル、そして現在は香港でも弾圧が強まっている」と亡命政府は述べた。 

(Indo-Pacific Defence Forum)

 

新型コロナウイルス(COVID-19)の立体構造(www.cdc.gov)
新型コロナウイルス(COVID-19)の立体構造(www.cdc.gov)

中国で感染拡大、内モンゴルの3万人超が外出不可に

中国で中共ウイルス(新型コロナ)の感染者が16省で確認されるなど、感染が急拡大している。多数の感染者を出した内モンゴル自治区アルシャー盟エジン旗当局は25日、全住民3万5千人に自宅に留まるよう要求した。

国保健当局は、内モンゴルのほかに、甘粛、陝西、北京、河北、湖南、貴州、四川、雲南など各省からも感染者が出ていると発表した。

中国当局は一貫して感染状況を隠蔽してきたため、公式に公表された感染者数や死亡者数などのデータは疑問視されている。

中国メディアによると、約1万人の観光客が現在、内モンゴルの観光地「胡楊(コトカケヤナギ)林」に足止めされているという。

過去1週間に新たに確認された150人の感染者のうち、3分の1近くがエジン旗で見つかっているという。

25日に発表された新規感染者38人のうち、半分が内モンゴルから確認されている。

北京冬季五輪の開幕まであと100日あまりとなる中、感染の流行に当局は神経を尖らせている。

24日と31日にぞれぞれ開催を予定していた武漢ラソンと北京マラソンは、感染再拡大への懸念を理由に延期された。両マラソンにはそれぞれ約2万~3万が参加する予定だった。

(翻訳編集・李凌)