スーパーの棚は空っぽ、米サプライチェーン問題が深刻に
このところ全米のスーパーマーケットで、空っぽの陳列棚を見かけるのが日常的になっている。食料品への需要が回復する一方、輸送コストの上昇やオミクロン株拡大に伴う人手不足により新たな物流停滞が発生しているのだ。 消費財メーカー団体の広報担当、ケイティ・デニスさんはこう話す。 「サプライチェーンがすでに限界に達していた。オミクロン株感染の波が労働力へ与えた影響は、本当に壊滅的なものだった。いま我々が直面する問題は食料不足ではなく、労働力不足だ」 消費財業界では約12万人の労働力が不足しているのに対し、先月新たに雇用できたのはわずか1500人だとデニスさんは語る。 また全米食料品店協会によると、加盟店の多くが最大人員の半分以下で営業しているという。 これに対して過去5カ月の需要は、専門家によるとパンデミックが始まった2020年3月と同じか、それ以上に回復しているという。 西海岸の生産者は野菜や果物が腐る前に出荷しようと、パンデミック以前の3倍近い料金を運送会社に払っているという。 ある冷凍野菜メーカーのCEOは先週、投資家に対して少なくとも今後1カ月は米国内の工場からの供給が制限される恐れがあると述べた。またスーパーを運営する会社のCEOは今後4―6週間、米国のスーパーはさらなるサプライチェーンの問題に直面するだろうと語った。