パルデンの会

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中国共産党や ロシアプーチン陣営は 専制政治の悪人たち。殺し、脅し、嘘つき、泥棒など 何でもあり、 コロナウイルスと同類な排除されるもの、

ウイグル名乗り「私たちは幸せ」…弾圧否定する「証言動画」日本語でも拡散、情報工作か

 

 新疆ウイグル自治区少数民族弾圧はデマだ――。昨年、そんな中国政府寄りの主張がツイッターで不正に拡散され、情報工作の可能性が指摘されている問題で、少数民族を名乗る人々が「私たちは幸せだ」と語る動画も投稿されていたことがわかった。日本語訳が付いており、読売新聞が調べたところ、確認できた動画だけで30種類あった。「住民の声」の発信にどんな狙いがあるのか。

ウイグル族だという女性の動画を付け、2021年4月に発信されたツイッターの投稿=顔の一部を修整しています
ウイグル族だという女性の動画を付け、2021年4月に発信されたツイッターの投稿=顔の一部を修整しています

 

中国寄りの主張

 

 <家庭の収入が安定している。今年、新しい家を建てた。強制労働っていうデマをでっち上げた人はほんとうにいやらしい>

 <二十歳、大学生二年生。ウイグル人不妊手術を強制されているって? おかしくない?>

 2021年1月に開設されたツイッターアカウントからは連日、こんな文章が投稿されていた。

 いずれも「ウイグル族の声を聞く」などと題し、住民とみられる様々な年代、職業の男女が一人語りをする同形式の動画が添付され、中国語と英語の字幕が付いている。投稿文は、これらを日本語にしたものだ。

 欧米諸国などは、中国政府によるウイグル族への人権侵害を指摘している。映像に登場する男女は一様にこれを否定。仕事や収入を話して生活の充実ぶりを強調する点が共通しているが、制作元は不明だ。

 米ツイッター社は21年、ウイグル問題に関して個人を装った組織的な投稿があり、「国家的関与が疑われる」として2160アカウントを凍結。その一部が、住民の「証言動画」の日本語投稿を拡散させており、その後、これらの投稿も同社が閲覧停止にした。

 読売新聞は、世界中のネット情報を収集・保存している米国の非営利団体の閲覧サービスを使って調べ、過去の内容を確認した。

英語圏でも

 

 同種の証言動画は、英語圏ツイッターやユーチューブでも大量に拡散された。

 調査報道の専門機関「プロパブリカ」と、米紙ニューヨーク・タイムズの21年6月の報道によると、動画は3000種類以上確認され、「私たちは自由だ」などを意味する文言が何度も使われていた。

 米国が「ジェノサイド(集団殺害)」と指摘していることに言及し、「くだらない」と批判する共通点もあった。プロパブリカなどは、発言は自発的なものではなく、「中国政府による組織化されたキャンペーンだ」としている。

 動画の制作元については、ウイグルの問題を調査しているオーストラリア戦略政策研究所が報告書の中で、中国政府系企業から出資を受けている会社の関与を指摘している。

ウクライナ侵攻でも「証言動画」

 

 証言動画は、ロシアによるウクライナ侵攻でも使われている。

 マリウポリの住民とされる女性が「攻撃しているのはロシア軍ではない。ウクライナ軍だ」と訴えたり、捕虜のウクライナ兵が「ロシアの医師に助けられた。本当に感謝している」と話したりする内容だ。

 在日ロシア大使館は4月以降、こうした動画に日本語字幕を付け、「日米欧でほとんど報道されない声」などとツイッターで繰り返し発信。これらを見た一部の人が「ロシアが正しい」とコメントするなど影響も与えている。

 世界の情報戦と安全保障に詳しい東京海上ディーアール主席研究員の川口貴久さんによると、共感を得やすいストーリーで自国に有利な言説や印象を他国に広める方法は「ナラティブ(物語)戦」と呼ばれ、SNSを舞台に目立っている。

 共感を獲得するには個人の証言で身近に感じてもらい、感情を刺激することが重要になる。そのためには文章だけよりも動画が有効なツールになるという。

 川口さんは「ナラティブは内容が虚偽の場合もある一方で、体験や主張は真偽の区別が難しいものが多い。日本もナラティブ戦の標的になり、影響を受けているとの危機感を共有すべきだろう」と指摘する。