中国企業、米空軍基地付近の土地を購入 地元議員「安保上の懸念」
米政府は、中国企業が今年春にノースダコタ州グランドフォークス市の北部に位置する広い荒地を数百万ドルで購入したことに強く危惧している。米CNBCが1日報じた。
土地を購入したのは中国山東省に本社を置く食品、調味料、医薬品、肥料などを製造する会社、阜豊集団(フフォン グループ)。同社はこの土地を使ってトウモロコシ加工工場を建設する予定だという。
この荒地はフォークス空軍基地から車で約20分の場所にあるという。基地は最も重要な軍用無人機技術を運用しており、新しい宇宙空間ネットワークセンターの本拠地でもある。ノースダコタ州選出の上院議員は、同基地は世界各国に駐在する米軍の通信システムを支える「中枢」であるとその重要性を指摘した。
国家安全保障分野の専門家は、中国企業が基地付近の土地を取得したことで、中国の情報機関がその周辺でスパイ活動を強化する恐れがあると指摘し、米政府に対して阜豊集団の工場建設計画を却下するよう呼びかけた。
グランドフォークス市では現在、中国企業の土地取得を巡り賛否両論の声が寄せられているという。中国企業の真の狙いに警戒する住民がいる一方で、国家安全保障上の懸念が誇張されていると主張する住民もいる。
ブランドン・ボチェンスキー(Brandon Bochenski)市長は阜豊集団を歓迎している。同社は工場建設に7億ドル(約948億円)を投じるとしており、今後200人の雇用機会を創出するという。工場が正式に稼働すれば、相乗効果で物流や輸送など地域関連産業の振興へとつながる。市長は、人口6万人の同市に防諜機関を設ける「予算がない」とし、米空軍を含む協力パートナーに「頼るしかない」と強調した。