防衛省の発表によると、海上自衛隊の補給艦「ましゅう」とP1哨戒機が、20日午後6時50分頃、屋久島南の日本の接続水域(領海の外側約22キロ・メートル)を北に向かって航行する中国海軍の測量艦を確認した。測量艦は同日午後8時頃に屋久島南の日本領海に侵入した後、西に進路を変え、同日午後11時半頃、口永良部島西側の領海から出て、東シナ海に向かった。
国連海洋法条約は、敵対的行動を取らない「無害通航」であれば、軍艦による他国領海内の航行を認めているが、測量活動は該当しないとされる。昨年11月と、今回を含めた今年2回の領海侵入は、いずれも測量艦が両島周辺を航行しており、防衛省は航行目的などについて分析を進めている。
中国海軍による領海侵入は、2004年11月に原子力潜水艦が沖縄県沖に侵入したのが初めて。16年や17年にも情報収集艦が領海内を航行した。