1泊2日の日本旅行でコンビニ弁当?〝高賃金の国〟韓国の若者が見せる奇態 恥ずかしい「海外旅行の経験なし」を補う「日本行き」
日本を訪問する韓国人が猛烈な勢いで増えているようだ。韓国のネットには、若い世代が書いた「日本旅行記」がたくさん載っている。それを読むと、彼らはなぜ日本に来るのか―とても不思議に感じられる。 ちょうど時間があったので、日本旅行をテーマにした数年前からのスレッドに目を通してみた。 ほとんどのスレッドが映像を付けている。繁華街や名所・旧跡を撮ったものが多いが、自分が食べた料理を撮った映像もかなりある。それを見ると「何のために」の思いが高まる。 粗雑な盛り付けかたを見ただけで分かる安価な居酒屋の刺し身、小皿に載った2貫の寿司(=つまり回転寿司)、格安のファストフード、あるいはコンビニ弁当…。 「韓国のマクドナルドより、日本のマクドナルドの方が…」「日本ではコンビニ弁当よりスーパーの弁当の方が…」といった解説も書き込まれている。 「旅行に出たら、その地の名物料理を、ちょっと高級な店で」と思い込んでいる私の頭が古すぎるのか。 いや、そうだとしても、彼らのほとんどは1泊2日の日程だ。そのうちの1食を、世界中にあるファストフードチェーンや、コンビニ弁当で済ます気が知れない。 宿泊先は民泊やカプセルホテルが多い。中には24時間営業のサウナ風呂で宿泊代を浮かした話もあった。これが、「日本より賃金水準が高くなった」と称する国の若者の姿なのか。 今年に入ってからのスレッドを見ると、「どこに行っても、聞こえてくるのは韓国語ばかりだった」「日本の一般的な店には、ハングルのメニューがある」といった書き込みがあった。 どうやら、韓国のネットに出ている「大阪に着いたら、まず行くべき場所」「福岡の安くて旨い店」といった〝お薦めスポット〟にばかり押しかけているのだろう。 台湾の故宮博物館に行ったとき、台湾人のガイドが話してくれたことを思い出す。 「大陸からきた中国人は騒々しいが、それでも展示物について話している。韓国人客は展示物には目もやらず、まったく関係のない話をしながら突風のように去っていく。彼らは国に帰ったら『俺は故宮博物館にも行ってきたぞ』と自慢するのでしょうね」と。 朝鮮日報(韓国語サイト2023年4月15日)に面白い記事が載っていた。 ―生徒が休まずに学校に通うと、「お前の家は貧しいから、海外旅行に行けないのだろ」とイジメに遭う。それで、親は慌てて安価な日本旅行のチケットを買う― 「海外旅行の経験なし」は、韓国では「恥ずかしい」ことなのだ。その「恥ずかしさ」から脱出するための安くて手軽な手法が「日本行き」であるわけだ。 韓国の右派サイト「イルベ」には、「今や、日本旅行に行くのは貧乏人であり…」とする書き込みがあった。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に『悪韓論』(新潮新書)、『反日種族の常識』(飛鳥新社)、『呆韓論』(産経新聞出版)、『韓国のデマ戦法』(同)など多数。