パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

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以下は上記のスピーチの邦訳:英語原文はこちら

カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7カ国(欧州連合はゲスト)の首脳が、5月19日から21日まで広島で開催のG7(Group of Seven)で集う。日本は2023年のG7議長国だ。日本政府のコンセプトペーパー(概要)では、G7議長国である日本の優先事項として、「グローバル・ヘルス・アーキテクチャの継続的強化」を掲げている。日本の外務省は、議長国として、特に公衆衛生を推進するための多国間協力の強化に重点を置くとしている。

日本が議長国としての残りの任期の間に、さらにはその後に、グローバル・ヘルス・アーキテクチャを強化し、公衆衛生を推進するための多国間協力を強化するという目標を達成するために、日本ができることに焦点を当てたい。特に、公衆衛生の一側面である国際的な臓器売買に絞る。

病院、刑務所、拘置所といった中国の公的機関が、臓器収奪を目的として産業規模で良心の囚人を殺害していることは、説得性ある証拠に基づき確証されている。主な犠牲者は精神修養と気功動作から成る法輪功の修煉者とウイグル人だが、少数ながら、チベット人、中国家庭教会(主に全能神)も犠牲者である。臓器は国外からの移植ツーリストや富裕層、コネのある中国人に高値で売られている。

日本はG7の議長国であるため、このグローバルな医療問題の解決策をリードする可能性を秘めたユニークな立場にある。他国をリードする上で、日本政府・国会、日本企業、そして日本の移植専門家が、まず日本国内で改革を起こす必要がある。いくつかの改革を提案したい。

1) 中国への移植技術の輸出を停止する。禁止品目には、臓器用の過冷却装置、臓器保存液、体外式模型人工肺(ECMO)などが含まれる。

2) 中国への免疫抑制剤の現状以上の輸出を停止する。免疫抑制剤は、移植を受けた患者が移植後に服用する。輸出を現在の水準に保つことで、すでに移植を受けた患者に悪影響を与えないようにする。

3) 中国から日本への移植用臓器の輸入を禁止する。2022年11月、韓国釜山市はNGOと共催で、日韓中が協力する移植システムを構築する方法を模索するシンポジウムを開催している。その中で、欧州の移植協力にならって、中国から日本や韓国への臓器輸送を提案した者がいた。

4)  公的でも民間でも、健康保険が中国への移植ツーリズムの費用を償還することを防ぐ。例として、2008年イスラエル臓器移植法(第5条)は、イスラエルの法的基準に違反する移植が国外で行われた場合、イスラエルのいかなる団体もその移植手術に対する資金提供を禁止している。

5) 移植ツーリズムに患者が参与した場合、その患者を担当する医師が中央登録機関に報告することを義務付ける。例として、台湾の人体臓器移植法(第10条)では以下のように規定している。

         「中華民国(台湾)の外で臓器移植を受け、国内の病院で術後の治療を受けようとする患者は、移植された臓器の種類、移植を受けた国名、移植が行われた病院名、移植を行った医師名を書面で病院に提供し、病院はこの事例を中央当局に報告する」

6) このため日本には、これらの報告を受ける中央当局の設定が必要である。当該局は、日本からの移植ツーリズムの集計と国別の小集計を公表する。

7)   臓器移植濫用に加担していると合理的な裏付けのある者に対して入国を禁止する。例として、カナダの移民法では、臓器移植濫用に関与した者のカナダへの入国を認めていない。

8) 国境を越えた臓器売買で有罪判決を受け仮釈放中の人物に対するパスポートを取り消すか発行を拒否する。例として、米国下院の法案にその旨の規定がある。

9)  中国における臓器移植の不正行為に加担する者に対して、マグニツキー法のような制裁を課すべきである。日本は、G7の中で唯一、この法律がない国である。制定された場合、公表された人権侵害者の資産凍結し、入国拒否が適用される。

10) 欧州評議会の「人体臓器売買禁止条約」に署名・批准すべき。この条約は欧州評議会で採択されたものであるが、招待されればどの国でも署名できる。日本が関心を示せば招待されると確信している。この条約は、締約国に対し、海外での臓器売買への加担を禁止する域外法の制定を義務づけている。

11) 欧州評議会の条約に署名するか否かにかかわらず、この種の法律を制定すべきである。現在、このような法律を制定している国は20カ国ある。15カ国は欧州評議会条約の締約国であり、5カ国は非締約国である。

12)  中国での移植医療に従事しようとする医師の養成を中止すべきである。中国の移植病院や総合病院の移植科に勤める移植医の略歴から、日本で研修を受けた医師が数名いることがわかる。中国におけるすべての移植が濫用を伴うわけではないが、透明性が欠如しているため、移植濫用ではない移植手術を見分けることは不可能である。

医師の養成を中止した例として、オーストラリアのクイーンズランド州が挙げられる。クイーンズランド州の2大移植病院であるプリンス・チャールズ病院とプリンセス・アレクサンドラ病院は、中国における臓器移植濫用の証拠を踏まえて措置を設けた。クイーンズランド州のプリンス・チャールズ病院では、中国人外科医にいかなる移植手術の技術も教えないという方針を打ち出し、プリンセス・アレクサンドラ病院では、中国との臓器移植の委託研究・養成は請け負わないと決定した。

13)  出どころのわからない中国国内または中国からの臓器に基づく移植研究に、単独または他者と連携して関与することを避ける。例として、2022年4月、国際心肺移植学会が、中国における移植濫用の証拠を考慮し、中国の臨床移植またはヒトドナーからの組織使用に関するデータの発表を、学会主催の会議でも学会主催の雑誌でも受け付けない声明を発表した。

14)  臓器の出所が不明な移植研究は、日本の専門誌に掲載しない。2019年、British Medical Journal誌では、次のように指摘している。

         「調査によると、中国を拠点とする移植研究の出版に関しては、この基準が広く侵害されており、出版後にいくつかの論文の撤回に至っている。この基準が効果的に機能するためには、最低でも、臓器源に関する必須情報を箇条書きにしたチェックリストを、すべての移植論文に適用する必要がある」 

15) 日本は中国の移植施設に資金を提供すべきではない。北京にある中日友好病院は、1980年代に日本と中国が共同で設立した病院で、移植医療を行っている。日本はこの病院に資金を送るべきではない。

16) 日本の移植専門家は、中国の移植学会への出席を避ける。例として、2014年10月の中国杭州の移植学会が挙げられる。招待された海外の移植専門家の多くは、中国での移植濫用の証拠のため、学会への出席を辞退している。

17)  日本の製薬会社は、中国での移植患者に対して免疫抑制剤の治験を行うべきではない。ノバルティスやファイザーなど、一部の製薬会社はこれらの治験を行わないことを表明している。

米国国立医学図書館は、世界の医薬品の臨床試験を示すウェブサイトを運営している。同サイトには、日本の製薬会社であるアステラス製薬が、中国全土で免疫抑制剤臨床試験を数多く行っていることが示されている。アステラス製薬は、これらの臨床試験を終了する方針をとるべきである。

18) 日本は遺体展示に対応する法律を制定すべきである。遺体展示は、臓器移植濫用ではない。しかし、同種、類似の事実証拠だ。様々な展示品の遺体の多くは、中国から、中国国内の警察から入手している。移植用の臓器と展示用の遺体の両方に関して、良心の囚人を源としていることを裏付けている。

法律では、遺体の調達、死後に遺体を展示された個人またはその家族の同意を示す検証可能な文書を必須とする。刑務所や拘置所、警察から遺体を調達することは禁止すべきである。

2010年12月から2011年1月にかけて京都で展示された遺体展は、警察への苦情につながった。京都地方検察庁は1年後、この展示の日本人主催者が意図的に法律に違反したことを立証することは困難であるとし、告訴人を起訴しないことを告げた。

それ以来、日本では遺体展示は行われていない。しかし、遺体展示に関する明確な法律の制定が望まれる。 直接的に関係しない法の解釈に委ねると、検察や責任者の裁量で適用されないこともある。展示会を許可する者や展示会に反対する運動に対して、検察や責任者の裁量で適用されないこともあり、決定的ではない。

結論

日本がグローバルな臓器売買の撲滅においてG7をリードするには、まず自国の状況を整理する必要がある。ここでは、他国の政府、議会、企業、医療機関などの事例を挙げたが、世界の臓器売買全般、特に中国における臓器移植の不正行為に対して、完全で包括的な対応をとっている国は一つもない。日本がこの包括的な対応を採用するならば、現在日本がリードしているG7、そして地球全体の模範となり得るだろう。