パルデンの会

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秦氏の抜てきは「習近平国家主席の肝煎り」とされた、「靴子落地」(政争解決の目途が立った)か?秦剛外相の解任騒ぎで大きく揺れている

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)7月26日(水曜日)弐
        通巻第7837号 
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 中南海奥の院で熾烈な権力闘争。  「靴子落地」(政争解決の目途が立った)か?
  秦剛外相が解任。習近平ボディガード主任が怪死
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 オバマのシェフが事故死したが、溺死である。
 オバマ元大統領が現職時代、ホワイトハウスの料理長だったタファリ・キャンが、オバマの豪邸が建つマサチューセッツ州のマーサズ・ビニヤード島で死亡していた。パドルボードを漕いでいて溺死した(7月23日)。暗殺? ただの事故死である。同じ料理長だったプリゴジンとは違う。

そのもっと前、4月26日に習近平ボディガードのトップだった王少軍(中央警衛局長)が病名不明のまま死亡していたことが、三ヶ月もあとの7月25日になって新華社が伝えた。この発表が秦剛解任ニュースと同時だったことに意味がないか?

ボディガード主任が死んでいたのは異常な事態、しかも病名が公開されない。宮廷内で何かが起きていたに違いない。朴正煕は警備局長に暗殺された。始皇帝も隋の煬帝安禄山も最側近に殺された。

 王少軍は2017年に前任の曹清を引き継いだ。曹は胡錦濤、温家宝政権時代の警備トップで江沢民派だった。習には煙たい存在だった。信頼できる部下に警備を任せるのは、古今東西独裁者に共通である。その警備主任が不在となっていた。

 さて西側メディアは秦剛外相の解任騒ぎで大きく揺れているが、香港と台湾メディアは盛んに女性関係のスキャンダルを報じた。あの独裁国家で女性がらみは誰もがやっていることで「不倫」で失脚した政治家はほとんどいない。クリントンも、このレベルの醜聞は乗り切った。
つまり女性問題がおもてにでるとき、何かを隠す陽動情報なのである。

 秦剛は6月26日に北京でロシア、ベトナムスリランカの訪中団と面会して以後、消息が絶え、APECもG20もBRICSも王毅政治局員(前外相)が代理を務めた。新外相は追って発表されるだろう。
 謝峰・中国駐米大使は記者団に「等々看々」で臨むとした。待って、様子を観察する、という意味である。

 秦剛失脚の舞台裏は、熾烈な権力闘争のうねり、共産党内には習近平独裁に不満を持つグループの存在が浮かび上がった。

 秦剛失脚の個人的原因を挙げるとすれば、機密漏洩、外国への資産隠し、反中国運動との裏の繋がりなどだろう。習がもっとも信頼し、自ら秦剛を外相に指名したという経緯から、秦は習近平の子飼いと推測されてきた。その彼を庇えなかったというシナリオならば、習の独裁パワーが衰退傾向にあることを示す。

 権力闘争は共産党に付きものの体質であり、秦剛はクーデターか宮廷革命の企てに参加していたとする推察もある。誰もが失脚、突然の拘束という闇と闘い、疑心暗鬼の状況を生き延びようとしている。そこへ行くと日本の永田町の権力闘争なんてお花畑ですね。

 というわけで観測筋が結論したのは「靴子落地」である。「解決の目途が立った」ということだ。
      ◎☆□☆み□☆☆□や☆◎☆□ざ☆□△◎き☆□☆◎