パルデンの会

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碧佳園(中国最大手デベロッパー)、ドル建て社債をデフォルト

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)8月15日(火曜日)
        通巻第7863号
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碧佳園(中国最大手デベロッパー)、ドル建て社債をデフォルト
 嘗ては「中国一番の金持ち」と言われた女社長、いまや杜子春
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 碧佳園は英文名がカントリー・ガーデンという。
 中国へ行くとあちこちにマンション団地を造成し、ショッピングモールを建設して「バブル」の代名詞、悪名を馳せた恒大集団より、じつは規模が大きい。建設中のマンションでいえば恒大集団の四倍ともいう。

 碧佳園は広東省仏山で起業し、おりから華南の不動産ブームであてて急成長を続けてきた。
2007年4月、香港市場でのIPO(新規株式公開)には16億ドルの応募があった。創業者の楊国強で娘の楊恵燕に全財産を譲渡したため、いきなり25歳の女社が中国一の金持ちとなった。個人資産は600億ドルとも言われた。彼女はかなりの株式を社会事業団体に寄付した(楊恵燕は「楊恵研」とも書く。「研」は女篇)。

中国の不動産ブーム、それも投機資金が雪崩れ込んでの異常な現象は2020年頃まで続いた。そしてバブルがはじけた。人類史始まった以来の、未曾有の不動産暴落が始まった。

碧佳園のドル建て社債のうち、2250万ドル(32億6000万円)分の社債は22年末に75セントに暴落し、23年初に14セント、8月13日には8・7セントと紙くずに近く、株価は前年比65%の暴落を示している。

このドル建て社債の利払いができなくなった(8月6日)。30日の余裕期間があるが、たとえば利払いに漕ぎ着けてもそれは一時凌ぎ、恒大集団のように、債務超過が54兆円規模。碧佳園は、恒大集団より大きいから悪影響は、中国経済を致命的なレベルに落とし込む可能性がある。

なお大手デベロッパーの緑地集団と遠洋集団も社債デフォルトに陥った模様で、「たぶん助かるのではないか」と言われた大連万達団も、幹部が逮捕される事態に及んだ。大連万達集団は海外で映画館チェーンを買収し、ハリウッドのは映画スタジオを買ったことでアメリカでも有名だが、中国全土に万達(ワンダ)テルチェーン、テーマパークなどを建設した。これらをすべて売却し、利払い返済にあててきた。

 これらに加えて中国の建設企業が海外で起債したオフショア債は5800億ドル(84兆円)にのぼるという。


 ▼マレーシアにも豪華ホテル、リゾートマンションが完成。たちまちゴーストタウンとなっていた

 碧佳園は「一帯一路」がらみでマレーシアにも大規模投資を行っていた。
 十年近く前だったろうか。シンガポールで予定が一日空いたことがあり、国境を越えてジョホールバルへ向かった。この地で蓮田善明が自決したのだが、その軍営跡地を探そうと日帰りでマレーシアへ行った(軍営跡地はペンペン草、自決場所は特定できず)。
そのときにジョホールバルで目撃し、知人から聞いた話では、「碧佳園は、沖合の島に橋を架けて、豪華リゾートマンションを林立させ、それを中国ばかりか東南アジアの華僑に販売していた。この大リゾート地を「フォーレスト・シティ」と名付けた。

 フォーレスト・シティはシンガポールとの間にある1370ヘクタールの土地に、70万人規模の人工都市を作る計画だった。マハティールの前任者が中国との契約をおこない、マレー側が40%、碧佳園が60%の合弁企業を設立し、豪華マンション、豪華ホテルなどは、碧佳園が建設、これまでにおよそ1万戸を販売した。買い手の9割が中国人だった。総事業費1000億ドル。マンションもホテルも完成したが、いうまでもなくゴーストタウンとなった(ちらほらリゾート客がいるていど)。

 当時、マハティール首相は「あそこはフォレスト、シティではない。オランウータンの島だ。(開発などとんでもない)。自然に戻せ」発言した。
 環境問題、とくに生物の生態系が破壊されるとして猛烈な反対が起こり、2015年にマレーシアは、「フォーレスト・シティへの外国人投資」禁止した。
従来のように投資移民にはビザを発給しない。「フォーレスト・シティは外国の植民地ではない」と述べた
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