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軍事演習を繰り返すなか、中国最強の攻撃型原子力潜水艦が台湾海峡で乗組員全員死亡の重大事故に遭ったという未確認情報が浮上

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中国の原子力潜水艦台湾海峡で「重大事故」? 乗組員全員死亡説も

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ニューズウィーク日本版

<米台接近を牽制するための軍事演習を繰り返すなか、中国最強の攻撃型原子力潜水艦台湾海峡で乗組員全員死亡の重大事故に遭ったという未確認情報が浮上した>

中国政府が台湾やアメリカに対する「重大な警告」として、台湾周辺で軍事演習を始めてから数日。中国の原子力潜水艦が、中国本土と台湾を隔てる台湾海峡で重大事故に見舞われたという未確認情報が入った。 <動画>中国海軍の近代化と093型最強原子力潜水艦 インターネット上に出回っている情報によれば、中国が保有する093型(商級)攻撃型原子力潜水艦が過去数日のどこかで、詳細不明の重大事故に見舞われたという。乗組員は全員死亡、とする報道もある。 中国政府は台湾を自国の一部と見なしており、いずれは再統一すべきだと考えている。しかし民主主義体制を樹立している台湾は長年、中国からは既に独立していると主張し、西側諸国との連携を試みてきた。 中国当局からは、台湾海峡で中国の潜水艦が困難な状況に陥っていることを認める正式な発表はない。中国国防省が8月22日に行った記者会見でも、この問題についての言及はなく、中国国営通信も一切この問題を報じていない。 台湾当局も、一連の報道を確認していない。台湾国防部の報道官は、22日に台湾の報道機関が放送した定例会見の中で、台湾の軍と政府は潜水艦の事故があったという証拠を入手しておらず、一連の報道の裏を取ることはできなかったと述べた。 本誌はこの件について中国国防省にコメントを求めたが、返答はなかった。 確実な証拠はまだない 潜水艦に詳しいアナリストのH・I・サットンは22日、X(旧ツイッター)への投稿の中で、一連の報道を裏づける「説得力のある証拠はまだ一つもない」と述べた。 英シンクタンクの国際戦略研究所(IISS)によれば、中国は商級の攻撃型原子力潜水艦を6隻保有している。サットンは2020年に「(攻撃型原子力潜水艦は)中国海軍が保有する中で最も一般的な潜水艦ではないが、現在のところ最も強力な潜水艦だ」と書いている。 潜水艦事故をめぐる一連の報道に先立ち、中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施していた。中国と台湾、アメリカの間では、何カ月も前から緊張が高まっていた。 アメリカは「一つの中国」政策の下、台湾と正式な関係は結んでいないものの、台湾との間で「非公式の強固な関係」を維持している。 中国はこのところ、台湾周辺で軍事演習を繰り返しており、2022年8月にナンシー・ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問を受けて行った軍事演習もその一つだ。4月には台湾の蔡英文総統とケビン・マッカーシー現米下院議長の会談が行われた後、台湾周辺で数日間にわたって軍事演習を行った。

活動を活発化させる中国軍

中国国営の新華社通信の報道によると、台湾方面を管轄する中国軍の東部戦区は19日、台湾周辺でのパトロールのほか、海軍と空軍合同の軍事演習を実施。東部戦区の報道官は、「空域と海域の掌握」のために合同で訓練を行ったと説明。一連の訓練は、台湾当局と「外部勢力およびその挑発」に対する「重大な警告」だと述べた。 台湾国防部は23日にXへの投稿の中で、同日の午前6時(現地時間)頃に、台湾周辺の空海域で中国軍の航空機6機と艦船8隻の活動を検知したと公表。この前日には、中国軍の航空機15機と艦船10隻を確認したと公表していた。

エリー・クック