━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.松田学 コラム
日本の海がそんなに危険だと思うなら日本の土地や水を買収するな
~処理水と国土爆買いには毅然たる態度を~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
先週の8月24日に福島の原発処理水の海洋放出がようやく開始さ
でも賛否両論が出ていますが、この問題はすでIAEAの審査でも
論が出ています。解決は客観的データに基づく判断によるべきでし
では桁違いのトリチウムを放出している原発が多く、福島からの処
より遥かに少ない年間22兆ベクレル未満。
ちなみに、あれだけ日本を批判している中国の場合、泰山第三原発
ベクレル、寧徳原発は約102兆ベクレル、陽江原発は約112兆
ダのダーリントン原発は220兆ベクレル、英国のセラフィールド
423兆ベクレル、フランスのラ・アーグ再処理施設に至っては1
レルだそうです。
今回の日本の決定は国際社会ではほぼコンセンサスが得られており
むしろ、地元漁民を含め、「安全」を「安心」に転換する日本政府
が問題だったかもしれません。私が衆議院議員として2013年頃
地で視察した際には、ドラム缶の形をした処理水貯蔵タンク群が膨
広がっていく風景を前に、職員が一体どうなることかと途方に暮れ
が今でも目に焼き付いています。
それから今回の決定までに10年もかかりました。IAEAの審査
く、処理水放出が人体にも環境にも全く問題がないことは科学的に
わかっていたこと。中国は「(処理水が)安全ならば放出の必要は
ていますが、放射性物質の浄化装置であるALPSによって安全に
から放出するものですし、放出によって処理する以外に原発の廃炉
進める現実的な選択肢がなかったはずです。
この処理によってもどうしても残ってしまうトリチウムは水素の仲
厳密にいえば人間の身体に悪影響があるとの説もありますが、それ
私たち地球上の生物は自然界に存在する放射性物質と折り合いをつ
存してきたのであり、科学的に人体の健康被害は無視できる(福島
合、その意味での安全基準の40分の1未満の量に抑えられる)と
そのリスクを言い出したらそもそも生きていけないでしょう。飛行
スクもゼロではありませんが、中国の方も飛行機には乗っているは
リスクはそれよりはるかに低く、ゼロだと推察します。
にも関わらず、日本政府が周辺国にも地元漁民の方々にも毅然たる
なかったことがかえって不信感を招いたように思います。これが風
大させることにつながった面がなかったか。そして何と言っても、
廃炉作業をこれ以上、遅らせてはなりません。今回のタイミングは
量や敷地面積との関係でもギリギリでした。政府は処理水放出の意
どの将来ビジョンを国民にもっと説明すべきでした。
もちろん、エネルギー政策全体で考えれば、本問題の根っこは激甚
なのですから、その可能性のある原発が未来永劫、理想であるとは
参政党としても、安全安心で日本らしいエネルギー体系構築に向け
議論を喚起していく所存です。
ただ、本件についていえば、大事なことは、日本政府による国際社
しっかりとした説明であり、明確な国際世論の形成だと思います。
までも慰安婦問題など歴史問題で、事実に反する外国からのプロパ
当に貶められてきました。今回の件が、外国勢力が日本を貶めるプ
に使われないようにする必要があります。問われているのは、岸田
政府の発信力だと思います。
その際、中国が日本産の水産物の使用を全面禁止する暴挙に出たこ
の水産業界の危機とだけ捉えるのではなく、これを逆手にとること
きでしょう。自ら福島の処理水よりも大量のトリチウムを海洋に流
ら、それは棚上げし、遥かに少量の国際的に合意された福島を取り
キャンペーンを張り、日本に嫌がらせをするまでの非科学的で粗暴
態度こそが、国際社会のマナーにも反するものです。
これは、中国が近年、国際社会の規範を無視する身勝手な国として
きたこととも重なるものであり、そうした中国という国の理不尽さ
せるチャンスかもしれません。決して中国自身のためにはならない
政府も気づくべきでしょう。
ここまで能動的な国際世論形成力を発揮できるまでの根性が日本政
は思えませんが、せめてもっと毅然たる態度を政府に示してほしい
な中国勢によるSilent Invasion(静かなる侵略)が、私たちの身近で進んでい
ます。今回は以下、この問題を取り上げてみます。
『コラムの続きはこちらから・・・』↓
https://qr.paps.jp/usBxt