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東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、中国の反発がエスカレートしている。「何かを機に一気に反日感情に火が付きそうな怖さはある」と指摘する。

中国で反日感情拡大 食事片手に「抗議電話」の悪意 9月は歴史記念日多く、12年に暴動も

三塚 聖平
 
香港の日本総領事館が入るビルの前で東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に抗議する人たち=24日(共同)
 

【北京=三塚聖平】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始後、中国の反発がエスカレートしている。放出とは無関係な日本の個人・団体に中国から迷惑電話が相次ぎ、在中国日本大使館にれんが片が投げ込まれる嫌がらせも発生。2012年に尖閣諸島沖縄県石垣市)の国有化を受けて中国各地で起きたような反日デモは確認されていないが、9月は反日機運が盛り上がりやすい歴史関連の記念日が控えており緊張が続く。

「もしもし? なんで核汚染水を海に流した」

中国の交流サイト(SNS)では、中国人の若者が中国語と日本語を交えて日本に「抗議」電話を掛ける動画が多数投稿されている。食事をしながら電話を掛けている者もおり、抗議というより嫌がらせ目的のようだ。

SNSでは日本製品の不買呼び掛けや、「日本がすぐに消えうせることを望む」といった過激な投稿が目立つ。中国のSNSは当局が厳しく管理しており、習近平政権が容認している形だ。

24日には北京にある在中国日本大使館の敷地内にれんが片が投げ込まれたほか、山東省青島の日本人学校に中国人が石を投げ込んで公安当局に拘束された。25日は江蘇省蘇州の日本人学校で卵が投げ込まれていたのが見つかった。いずれも人的被害は確認されていない。中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は28日、こうした嫌がらせに関して「中国は外国人の安全を一貫して守っている」と主張。「日本は核汚染水の海洋放出を直ちにやめるべきだ」と改めて求めた。

12年9月11日に日本政府が尖閣諸島を国有化した際には、直後に反日デモが広がり、日本人への暴行や日系企業焼き打ちまで起きた。当時を知る北京在住の日本人男性は「SNSでは反日ムードが盛り上がっているが、今回は暴力的な抗議には至っておらず、ある程度落ち着いている」とみる。一方で「何かを機に一気に反日感情に火が付きそうな怖さはある」と指摘する。

 

9月は3日に抗日戦争勝利、18日満州事変の発端となった柳条湖事件の記念日がある。12年の反日デモ柳条湖事件記念日がピークとなって少なくとも125都市に抗議デモが広がった。ただ大規模な反日デモは一度火が付けば中国政府に矛先が転じることもあり得るため、習政権も慎重に管理するとみられる。

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