パルデンの会

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プーチン・ロシア大統領は「AIを制する者が世界を制する」と預言した。2017年の発言で前年にトランプがSNSを活用して当選し、「ツィッター大統領」と言われたように通信の革命に瞠目したのだ

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)12月5日(火曜日)
        通巻第8036号 
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プーチンの預言「AIを制する者が世界を制する」
  半導体は中国からの迂回路でエヌヴィディア製品を入手
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 嘗てプーチン・ロシア大統領は「AIを制する者が世界を制する」と預言した。2017年の発言で前年にトランプがSNSを活用して当選し、「ツィッター大統領」と言われたように通信の革命に瞠目したのだ

 プーチンはAIに尋常ならざる興味と関心を示してきた。
 2023年11月24日にモスクワで開催された「人工知能(AI)ジャーニー・カンファレンス」でプーチンはこう発言している。
人工知能が生活のあらゆる場所で役割が増大する。人類は新たなチャプターに入った。ロシアをAIイノベーションの先駆者」と位置づけた。

プーチンは新たな技術で倫理的、社会的な問題が引き起こされるとし、「AIを禁止することは不可能である。禁止すればAIは別の場所で発展し、われわれは遅れをとることになる。倫理的な問題は伝統的なロシア文化に沿って解決されなくてはならない」とした。
 なぜなら「欧米諸国のオンライン検索システムや生成モデルの中には、ロシア語やロシア文化を無視したり、排除したりするものがある。こうした異質なシステムによる独占と支配は危険で、容認できない」と語った。

 とくにチャットGPTなどが、英語を主体としていることは「新AIが西側に依存し、西側が技術を寡占してしまうことは危険だ」とも言っている。

 プーチン大統領は、人工知能技術の可能性と、ロシアがこの分野で存在感を維持する必要性を強調した。「ロシアがア開発競争に遅れをとった場合の重大な結果」に関して、プーチンが最初に指摘したのはロシアからの人材の流出である。ついでウクライナ戦争により、軍事予算が肥大し、AI開発予算は微々たるものとなった。
 ウクライナ戦争の徴兵逃れにロシア人のAI技術者多数が外国へでた。
くわえて、半導体の自製が出来ないロシアは、経済制裁によって高度な半導体の入手が困難となった。

クレムリンは 2024 年予算で、AI 研究に52 億ルーブル(5800万ドル) を割り当てた。ちなみに2022 年の米国予算は、ロシアの50 倍だった。どう客観的に眺めても、ロシアのAI開発は難しい局面にあり、壮大な計画を発表しても手遅れ、悲惨な状況にある。

プーチンが掲げるのは「AI倫理」である。
つまりAIが権威主義的支配を強化するためだけに役立つことを保証する基準の施行を重視し、そのうえで中国にパートナーとしての検討を求めることになる。

なぜ中国との共同研究を模索しているのかと言えば、米国の強硬な制裁にも拘わらず中国の研究者たちは、目標を達成したからである

2023何までにロシアは5億ドルの集積回路を輸入したが、おもに米国エヌヴィディアからで、バイデン政権の制裁により、これが禁止されたため、中国からの迂回路に依存しているようだ。エヌヴィディアの自動車用半導体は10億ドルのビジネスであり、制裁下のいまも中国へ輸出されている。

中国製半導体は西側の周回遅れのレベル、かと言ってロシアは半導体を自製できない。
 プーチン大統領は演説の中でさらに7回「倫理」に言及し、国家AI倫理規定の更新を求めた。りんり? 西側の開発者等のもそれは希薄である。

       □☆み□☆☆□や☆◎☆□ざ☆□△◎き◎□☆◎