パルデンの会

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新年早々、驚くべきニュースが平壌発であった。1月5日、金正恩(キムジョ ンウン)朝鮮労働党総書記が岸田文雄首相宛てに、元日に発生した能登半島地震 に対する見舞いの電報を送ったのだ。

■異例の見舞い電報 日朝接近、現実味 岸田首相に「閣下」敬称 救う会西岡力会長

<参考情報>

 現在、西岡力救う会会長が「産経新聞」に連載記事を書いていますが、以下
は1月20日に、その第3回目として掲載されたものです。参考情報として送り
ます。

 新年早々、驚くべきニュースが平壌発であった。1月5日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が岸田文雄首相宛てに、元日に発生した能登半島地震に対する見舞いの電報を送ったのだ。6日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」に掲載された文面を、拙訳で紹介する。

「深い同情と慰問」

《日本国総理大臣 岸田文雄閣下
 私は、日本で不幸にも年初から地震による多くの人命被害と物質的損失を被ったという消息に接して、あなたとあなたを通じて遺族と被害者たちに深甚なる同情と慰問の意を表します。

 私は、被災地の人民が一日も早く地震被害の悪影響を復旧して安定した生活を回復するようになることを祈願します。

 朝鮮民主主義人民共和国国務委員長 金正恩

 北朝鮮からの見舞いの電報では、平成7年の阪神大震災時に当時の北朝鮮の姜成山(カンソンサン)首相が日本の村山富市首相へ、23年の東日本大震災では張在彦(チャンジェオン)・朝鮮赤十字会中央委委員長が日本赤十字社の近衛忠●(火辺に軍)社長へ、それぞれ送った。だが、北朝鮮の最高指導者が日本の首相に同種電報を送ったことは、過去にない。特別なことなのだ。

 さらには、岸田氏に敬称である「閣下」を付けて呼んだことにも、非常に驚いた。韓国の複数の北朝鮮専門家は、日朝接近の前触れとみている。

 韓国政府系シンクタンク「統一研究院」の洪〓(ホンミン)研究委員は「北が韓国に超強硬姿勢を見せながら、日本には融和的な態度の可能性を示唆した。韓米日の協力を弱めるための方法の一環かもしれない」と述べた(中央日報、1月6日)。

 同じ統一研究院の徐輔赫(ソボヒョク)研究委員は、日本と北朝鮮が昨年に水面下で接触したとされることにも触れ、対話を進める北朝鮮側の強い意思を示すものだと指摘した(聯合ニュース、1月8日)。

今年も続く食糧難

 金氏が日本に近づく動機の一つは、深刻な食糧難だ。昨年末の朝鮮労働党中央委員会総会では、明確に危機感を示した。

《今年、われわれは実に困難な峠と厳しい局面に直面した中で、1年の進軍を始めなければならなかった。敵対勢力、妨害勢力の極悪な制裁・圧迫に対処すべきであったし、険悪な安全環境にも対応しなければならなかった》

《特に喫緊の問題に提起されたのは、昨年(2022年)の農業を立派に営めなかったことによって生じた、深刻な食糧難を解決することであった

 23年が苦しい年だった理由に挙げた「極悪な制裁」や「険悪な安全環境」は、日米韓が主導する経済制裁や軍事圧力のことであり、今もそれらに苦しんでいることを認めた。その上で、食糧難を「特に喫緊の問題」と告白した。

 一方で23年は結果的に、穀物生産量が目標の103%に達し、「超過遂行できた」とした。ただ、肝心の目標値そのものは公開していない。

 私が最近入手した内部情報によると、23年の米やトウモロコシの収穫量は、新型コロナウイルス禍による防疫措置などの影響で落ち込んだ前年に比べ、6%しか増えていない。これでは全人民への配給復活は到底不可能であり、今年も党や軍、治安機関関係者らに限り実施される見込みだ。
外部からの獲得も望み薄だ。

 昨年、北朝鮮は、ウクライナへの侵攻を続けるロシアへ砲弾などを提供し、見返りに約30万トンの小麦粉を得た。しかし、金氏の真の狙いはロシアが持つ先端軍事技術だ。具体的には、偵察衛星撮影装備や極超音速ミサイル、戦闘機、原
子力潜水艦といったもの。砲弾などの代金ではそれらの獲得には足りず、このところは、近年開発した新しい短距離弾道ミサイルの提供を始めている。

 金氏は、ウクライナ侵攻が終わってしまえば先端技術を得る機会がなくなると考え、執着している。つまり、小麦粉などの食料が23年を大幅に上回るような規模で届く可能性は低い。

 深刻な食糧難は今年も続くだろう。

人道支援」を重ね


 西岡力

 前回の本連載でも紹介したが、岸田氏は昨年11月の国民大集会で「さまざまなルートを通じ、さまざまな働きかけを絶えず続けているが、早期の首脳会談実現に向け、働きかけを一層強めていく」と語った。水面下で、拉致被害者を返すなら大量の米の提供など人道支援を実施すると繰り返し伝えているはずだ。

 飢えと寒さで苦しむ北朝鮮の人々のことを思うと心が痛い。日本からの食糧はまずは支配階層に回るだろうが、総量が増えれば人民の腹に届く。

 私は今回の岸田氏への見舞い電報について、他の専門家らの見方からもう一歩踏み込んで、金氏が日朝首脳会談を真剣に考えていることの表れではないかと分析している。

 岸田政権は一昨年10月以降、核・ミサイルと拉致を切り離し、人道支援の象として拉致を先に動かそうとしている。関係者によると、北朝鮮首脳部はこの姿勢に高い関心を示し、親の世代の被害者家族が存命中という「期限」も、よく
理解したようだ。金氏にも意義を説明したに違いない。

 そして、今回の電報は金氏の名前で送られているから、絶対に金氏の指示と決裁があったはずだ。「自分の名前で岸田氏へ電報を送れ」と命じたのだ。
事態の進展に期待したい。

 めぐみさんは「条件拉致」 直前に女子高生狙う

 前回は拉致の態様や目的をもとに、これまで分かっている日本人拉致を4つのパターンに整理した。今回は、その判断に至った経緯を個別事例とともに詳しく
説明する。

 昭和52年11月、新潟市で、学校からの帰宅途中に拉致された横田めぐみさん(59)=拉致当時(13)。元北朝鮮工作員安明進(アンミョンジン)氏は、1998年出版の著書で、めぐみさん拉致の実行犯から聞いた話として、
「無線機の使用を目撃されたので拉致した」と伝えた。このため、めぐみさんの事案は当初、秘密隠蔽(いんぺい)目的の「遭遇拉致」ではないかと思われた。

 だが安氏はその後の別書で「(通学路周辺という)人目につく現場でプロの工作員が無線機を使うことは絶対にない。しかも時刻は日没後で無線機かどうかは
分からないはずだ」と記した。

 私とジャーナリストの故・恵谷治氏が現地調査したところ、めぐみさんが拉致されたと思われる11月15日午後6時半ごろは確かに真っ暗で、道の反対側に誰がいるのかも分からなかった。

 実はその30分ほど前、近くで拉致未遂事件らしき出来事が起きていた。不審な2人の男が帰宅途中の女子高生の後ろをつけてきた。女子高生は近くの自宅に逃げ込んで無事だったが、「(2人組は)全く足音をさせずに追いかけてきた」と証言している。

 この2人組がめぐみさんに手をかけることは、地理的にも十分可能だ。女子高生とめぐみさんの共通項は「若い女性」であり、「条件拉致」と考えると矛盾しない。

 もう一つ根拠がある。めぐみさん事案の約1カ月前に鳥取県米子市内で起きた松本京子さん(75)=同(29)=の拉致では、近所の住民が現場を目撃。工
作員は住民を殴ったが連れ去ろうとはせず、そのまま京子さんと姿を消した。

 標的以外は、仮に重要な工作活動を見られたとしても、基本的には拉致に及ばないことを示している。こうした経緯から私たちはめぐみさんは突発的に襲われ
たのではなく、条件拉致だったと考えている。

以上


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救う会全国協議会ニュース

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