「臓器をとられないか心配」 在日中国人女性 「臓器狩り」講演会で妹の救出の支援を求める
10月12日、中野区役所で「中国における臓器移植を考える会(SMGネットワーク)」が主催した反強制臓器収奪の講演会「他人事ではない、臓器収奪」が開かれた。
講演会では日本在住の法輪功学習者である劉希月さんが登壇し、中国で不当に拘束されている妹、劉聡さんの救出を呼びかけた。劉聡さんは今年7月12日、法輪功学習者であるという理由で中国の警察に不当に逮捕されたという。
劉希月さんは講演で、午前5時~午後10時、11時、強制労働をさせられ、寒い時は気温がマイナス20度以下の狭く汚れた部屋の中に綿入りの衣服を着ることも許されず閉じ込められたり、また刑務所の規則を何百枚も書かされ、書き終わらないと食事も許されないこともあると中国の刑務所で待遇の劣悪さについて語った。
劉希月さんは毎日、妹を救出するためにはどうすればよいか考え、妹のことを考えると心がまるで刃物で切り裂かれるように痛むと悲痛な心境を訴えた。
1999年7月20日、中共(中国共産党)党首の江沢民は法輪功に対して突然、弾圧を開始した。多くの法輪功学習者が拘束され、獄中で学習者たちはひどい暴行を受けたり、さらには殺害されることもある。また独立調査ではかなりの人数の学習者が人知れず臓器を奪われ殺害されている事実が明らかになっている。
劉希月さんは「妹は以前にも不当に拘束され強制的な血液検査をされたことがあり、4年後に釈放された。今回の拘束で妹が臓器収奪の対象にならないか心配だ」と述べた。専門家によると、弾圧対象の法輪功学習者にわざわざ血液検査をするのは、臓器収奪するための検査だという。
法輪功に対する迫害は海外に住む家族にも及ぶ。中国の警察官は、劉希月さんの父親を通じ「 中国に帰ると逮捕する」や「日本に行き逮捕する」と言い、脅迫している。
大紀元の記者が劉希月さんに「日本の人に向けて伝えたいメッセージがありますか」と質問したところ、「より多くの日本の人に法輪功学習者の迫害の事実を知ってほしい。皆さんからの署名や声援などが力になる。妹を含む法輪功学習者の救出のためにご支援、ご協力をお願いしたい」と答えた。
12日、来日中の元中国外科医エンバー・トフティ氏が中国共産党による強制臓器摘出に関する講演会を開催した。
新疆で外科医師をしていた時、上司から臓器を摘出するよう指示された経験を持っているトフティ氏が中共による臓器収奪の状況を明らかにした。観客は皆真剣な眼差しで聞き入っていた。
講演会は中国の臓器収奪を考える会(SMGネットワーク)が主催しており、中野区議会議員の吉田康一郎氏や逗子市議会議員の丸山浩章氏、日本ウイグル協会のレテプ・アフメット氏らが参加。講演会は、盛況満席で終了した。
2006年に国際社会において注目され始めた中共による臓器収奪の問題。近年、英国で民衆法廷が開かれたり、欧州議会やアメリカの連邦議会で非難する声明が出されるなど、世界的に徐々に認識され始めている。
中共の悪行について度々発信してきた吉田氏は、中共の実態について認知していたため、臓器収奪の問題を初めて耳にした際にも、「驚かなかった」という。「技術などがなかっただけで、技術などを持っていたら、共産党独裁中国はやりかねない」と述べた。
また吉田氏は、日本に対して警鐘を鳴らした。「日本人は健康にも留意し、変な食品添加物も食べず、クリーンな内臓を持っている」ため、中共が日本を統制できるようになった場合、中国人以上に日本人の臓器は望ましいと語り、憂慮を示した。
中共による臓器収奪の問題に長らく取り組んでいる丸山氏は、臓器収奪の問題について、家族や友人、同僚の地方議員にも広く実態を伝えているという。
また来場者に「人権の問題なので、国対国ではなく、自分自身の問題として捉えてほしい」と訴えた。
「国連の常任理事国が戦争や人権侵害をするなど、機能していない中、諦めるのではなく、一緒に行動してほしい」と呼びかけた。