今回の写真はすべてウーセルさんのブログから。
法王の被災地訪問について、NHKによれば:
中国外務省の姜瑜報道官は、定例記者会見で「被災地ではすでに救援のための人手は足りており、地元の宗教や習慣も十分尊重されている。被災者の心を慰める活動もきちんと行われている」と述べ、受け入れる考えはないことを明らかにしました。
という。
もっとも、中国政府もはっきりと拒否したわけではない。
それはさずがにまずいと知っているからだ。
「被害者の心を慰める活動もきちんと行われている」と言うところが、笑える。
胡錦濤主席がジェクンドを訪れた日には朝から葬儀後の大きなモンラム(祈祷会)が大勢の僧侶、遺族を集めて行われていた。
胡錦濤氏はこれを完全に無視した。
被災地のダライ・ラマ法王葬儀の場には誰も赴かない。(これで、どうやって犠牲者数を集計するのか?)
人々の心を支えている僧侶たちを追いだし、人々が観音菩薩と崇めるダライ・ラマ法王の訪問をお断りする。
偽パンチェン・ラマに寄付とモンラムをさせる。
これらが、被災者の心を慰める活動と中国では呼ばれる。
ある現地の人の話では、温家宝首相がジェクンドを訪問したとき、首相があるチベット人に対し「何でもいい、すべて、私はあなたの望みを叶えてあげます」と言ったのに答え「私たちみんなの願いは一つだけだ。ダライ・ラマ法王にお会いできるようにしてほしい」とその人はっきり言ったという。
首相がこれに対し如何に反応したのかは伝わっていない。
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被災地4月20日にThe Asia Sentinelというウエブに発表された、中国で著名な評論家であるという、Willy Lam氏のレポートによれば、
http://www.asiasentinel.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2411&Itemid=171
政府指導者たちの最大の関心事は「玉樹とその周辺の地域における政治的後退を避けることにある」という。
同レポートによれば、「国営放送は、地震の後、現場で救助活動を率先して行っている僧侶たちの活動を控えて放送するよう命令された」
その代わり「地震発生の次の日に各新聞社やウエブニュースは、報道は<肯定的進展>にフォーカスしたものでなければならず、特に、軍人、警官、武装警官、消防団員、その他北京政府が青海のために動員した者たちが、その低酸素、氷点下という厳しい状況の中で、いかに勇敢に仕事を成し遂げたかを中心にレポートしなければならない」と言い渡されたという。
このような、あからさまな、自分たちの悲劇を利用しようとする態度に、チベット人被災者たちは当然、不満、怒りを感じている。
ここにきて、僧侶たちを追い出し始めたことでこの不満、怒りはますます強まっているというのが現地からの報告だ。
「すべては党の権威と求心力のため」にある全体主義国家において、自然災害という人の悲劇が利用されたとて、それは全く驚くにあたらないというわけだ。
党は人ではない、実体のないお化けのようなものだ。
強権対応か?
懐柔対応か?
これからの チベットの方向が見えてくるはずです。 ここで法王を呼び込み事ができなかった共産党政権、上海万博への対応で一杯かもしれない。世界はこの地震被災地の事を見守っているゆえ、間違えば
上海万博炸裂となりかねない。 また万博後の 元切り上げの問題も大きいはずである。