大地震の「解けない謎」【大紀元日本4月30日】
東賽氏はさらに、青海省大地震にはまだはっきりしない部分があると指摘する。
第一に、中国軍が被災地に到着したのは、非常に早かった。ある程度、予測していたとも考えられる。もしそうならば、なぜ人々に事前に知らせ、被害を少しでも抑えられなかったのか。
第二に、今回の地震について、米国や西側諸国はほとんどM6・9と伝えているにもかかわらず、中国はM7・1を固持している。この差には、一体何が隠されているのか。
第三に、中国政府は今回の地震による死者について「2千人以上」と発表しているが、被災区の人々は死者は1万人以上と伝えている
13493157.jpgパユル、5月4日
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27233&article=Lhasa%3a+Tibetan+protester+detained+for+criticizing+earthquake+relief+work
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27233&article=Lhasa%3a+Tibetan+protester+detained+for+criticizing+earthquake+relief+work
ダラムサラ:日曜日(5月2日)一人のチベット人が、チベットの首都ラサで中国政府の地震義援金の取り扱いに対する要求デモを行ない、その場で逮捕された。 サンドゥップ・ギャンツォ28歳は、巡礼者たちで混雑していた、ラサのツクラカン(ジョカン)前で「ダライ・ラマ法王をチベットにお招きしよう!」「パンチェン・ラマの解放を!」と歌い上げた。 さらに彼は「困難の中にある、キグドの遊牧民社会に対し、外国から贈られた物資や義援金を、間違いなく現地の人々に届けるように」という要求も行なった。 彼は直ちに公安職員により取り押さえられ、連れ去られた。 どこへ連行されたかは不明という。 サンドゥップ・ギャツォは青海省海南チベット族自治州の遊牧民の家に生まれた。 彼はかつて、ダラムサラにある「シェラップ・ガツェル・リン(新しく亡命してきた若者のための学校・ソガロプタ)」の生徒であったことがある。 サンドゥップは2007年11月インドに亡命し、この学校で一年間学んだ。 2008年3月、彼はネパール・チベット国境のダムを経由し、チベットに帰ろうとした。 しかし、国境でダライ・ラマ法王の著書を数冊持っていたのを見つけられ、逮捕され、シガツェの公安に一カ月間拘置された。 その後、彼はラサのダプチ刑務所に送られ、そこに6カ月収監された。 2008年10月、解放され、故郷に帰っていたという。
地震寄付金の行方に疑問 チベット族作家、「国家転覆罪」で拘束
【大紀元日本4月30日】青海省大地震から2週間が経過し、寄付金集めのキャンペーンが進んでいる。同省西寧市に住む一部のチベット族作家や学者らはチベット語で、地震で亡くなった人たちへの哀悼文を連名で綴り、寄付金を集めて被災区へ送付する準備を行っていた。同書簡は、寄付金は着服される可能性があるため、団体や個人は出来る限り自ら被災地に届けることを提案している。しかし、哀悼文に署名した一人、作家のタギャル(Tagyal)氏が最近、「国家政権転覆扇動罪」の容疑で、中国当局に拘束されたと伝えられている。 青海省出身のチベット語研究者で詩人の東賽氏によると、タギャル氏は当局から家宅捜索を受け、パソコン2台を押収されたうえ拘束されたという。東賽氏は、寄付金の着服について鋭く批判した哀悼文が当局の逆鱗に触れ、タギャル氏の逮捕につながったと考えている。 被災地である青海省玉樹には、多くの救援物資や寄付金が寄せられており、その額は30億元(411億円)を超えると伝えられている。08年に起きた四川省大地震の寄付金が流用され、汚職に利用されたとの醜聞が伝えられており、今回の青海省大地震の寄付金の行方は、とりわけ注目されている。 「チベット人の頭上に強権、武力、更には残酷にも天災が」 哀悼文に連名で署名したのは、ショクドゥン氏のほか、歌手で社会評論家のジャムヤン・キー(Jamyang Kyi)氏、ラモ・キャブ(Lhamo Kyab)氏、サンドル(Sangdhor)氏、サンギャイ・ドンダップ(Sanggyay Dhondap)氏、大学教授であるタボ(Tabo)氏、著名な芸術家のマンルハ・キャブ(Manlha Kyab)氏など。 哀悼文には、「平和を愛するチベット人の頭上に、強権、武力と残忍が覆い被さっている。今回は、更に天災に見舞われた」「どんな苦境にいても、金銭で買えない民族の共通性を有している」と書かれている。 また、被災地区への寄付金については、当局の対応を批判し、汚職や着服などの問題も指摘する。 「当局の宣伝機関の報道を信じることは出来ないし、当局をも信じることはできない。当局は政治的な目的から、被災地へ助けに行く人々を阻止している。我々は、各界の学者や幹部たちが、被災した人々の身になって食べ物、衣類、薬などを提供してくれるよう望んでいる。皆さん、寄付金を、納税するかのように組織やグループの口座に入金しないでほしい。信頼できる人に頼んで、届けてもらいたい。汚職や着服などの悪習がないところは、どこにもないからだ」 チベット人学者、「国家政権転覆扇動罪」により逮捕 東賽氏によると、23日午後5時過ぎ、西寧警察がタギャル氏を職場から連れ出し、家宅捜索のうえパソコン2台を押収。その後、同氏を連行したという。その晩、警察は「国家政権転覆扇動罪」の容疑で、タギャル氏の家に逮捕状を送っている。 東賽氏の見解では、今回のタギャル氏逮捕には2つの要因がある。ひとつは、同氏が最近出版した『開天僻地』という著書で、チベット人と政府の関係、チベット人の現実的な活路について書かれている。タギャル氏の妻によると、今月12日、経営している書店の閉店命令が出され、『開天僻地』も全て警察に押収されたという。 もう一つは、救援物資や寄付金の行方について疑問を投げかけ、直接被災者に送るよう提案した哀悼文。タギャル氏は、同書簡に連名で署名している。 東賽氏によると、中国共産党の体制の問題で、救援物資や寄付金は各レベルで搾取され、被災区に届くころにはかなり少なくなっているという。 大地震の「解けない謎」 東賽氏はさらに、青海省大地震にはまだはっきりしない部分があると指摘する。 第一に、中国軍が被災地に到着したのは、非常に早かった。ある程度、予測していたとも考えられる。もしそうならば、なぜ人々に事前に知らせ、被害を少しでも抑えられなかったのか。 第二に、今回の地震について、米国や西側諸国はほとんどM6・9と伝えているにもかかわらず、中国はM7・1を固持している。この差には、一体何が隠されているのか。 第三に、中国政府は今回の地震による死者について「2千人以上」と発表しているが、被災区の人々は、死者は1万人以上と伝えている。 (翻訳編集・坂本)
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