チベット支援のリチャード・ギア氏、米中首脳を非難
2011.6.3 19:27 産経新聞
【ワシントン=古森義久】米下院が2日に開いた公聴会でチベット支援で知られる著名な映画俳優のリチャード・ギア氏がチベット民族の人権問題で証言した。ギア氏は中国政府を激しく非難するとともに、オバマ大統領の対中政策を「誤りだ」と批判した。
同氏はまず、チベット亡命政府を通じた自らのチベット支援の経緯に触れた後、「中国共産党政権はチベット民族の基本的人権を認めず、世界人権宣言だけでなく自国の憲法にも違反している」と指摘。「共産党支配を批判する者は、たとえ平和的な言論でも不当に拘束され、拷問にかけられる。中国の弾圧に抗議することが米国人としての道義だ」と強調した。
ギア氏は外交委員長のロスレイティネン議員らの質問に答え、「私たちの組織は決して中国たたきをしているわけではないが、胡錦濤国家主席はチベット自治区の党委書記だったころからチベット民族に敵意を抱いていることを指摘したい」とも述べた。
同氏はまた、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が2009年10月にワシントンを訪問した際、オバマ大統領が訪中を目前にしていたために会見を避けたとし、「米国の歴代大統領はダライ・ラマのワシントン訪問の際には会見をしてきた。オバマ大統領の判断は誤りだ」と批判した。ギア氏はさらに「中国は弱い態度をみせる側にはさらにつけこんでくる」とも述べた。