パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

その2-平和平和といっても、怒る時は怒らなくては-有本夫妻


- 仮に田原氏が北朝鮮工作員であれば、大変アクティブで優秀です。

有本 外務省はしばしば批判を浴びていますが、田原氏が持ち込んだ話を断った
際の幹部の判断は大変正しいと思います。彼らの役人言葉をわかりやすく翻訳す
るなら、「この話は北朝鮮の謀略工件です。我が国は8人の生存者を返せと言っ
ているが、もし(田原氏の言うように)それ以外の何人かを受け入れた場合、8
人の生存者は死亡者となってしまうのです」となります。外務省の官僚は、そん
な話は分かっているから、なかったことにしようと断っているのです。

 政府が死んだと言ってしまったら、本当に死んだことにされてしまう。そんな
話を受け入れるなら、あとはなんでも受け入れることになる。外務省が取り合う
わけがない話です。

- しかし、この後、田原氏は福田総理へ直に話を持って行った。

有本 幸い、福田総理の辞任で実現には至らなかったのですが、田原氏は結果と
して北朝鮮の謀略情報を、時の総理へ直接持ち込んだということになります。安
全保障や危機管理についての法律がしっかり整備さえされておれば、本来は警察
の領分であり、百歩譲っても私ではなくて、外務省が田原氏を刑事告発すべき問
題だったはずです。

- 田原氏との裁判は結局どうなったのですか。

有本 田原氏は、我々夫婦に慰謝料として100万円を支払うという判決が神戸地
裁で出ました。しかし、我々の目的は慰謝料ではなくて、田原氏の朝生発言の根
拠を開示させてウソを暴くことです。そのため、田原氏が外務省高官へ取材した
際の録音テープが必要だったのですが、神戸地裁が出した提出命令が、結局大阪
高裁で取り消されてしまいました。

- テープにはどういった意味があったのですか?

有本 田原氏の外務省高官へのインタビュー録音テープを反訳したのが山本晋平
弁護士です。裁判の過程で、田原サイドがその反訳文章に録音内容以外の言葉を
書き入れていることが明らかになったのです。

- そんな文書を証拠として出されても信用できませんね。

有本 神戸地裁もそう考えて、録音テープ自体の提出を命じたのです。これは田
原氏・山本弁護士にとっては絶体絶命の危機だったでしょう。そこで田原氏は仲
間を総動員し、「取材源の秘匿」を盾にしてウソを通し切ろうとしました。常識
人としてやってはいけない行為だと思います。

- 田原応援団というのはどういった方々ですか!

有本 読売新聞グループ本社の山口寿一社長室長。田原氏は彼に応援を頼み、
神戸地裁の録音テープ提出命令は取材源の秘匿を脅かす危険性がある」と意見
書を提出してもらっています。他にも、日本ペンクラブからも録音テープ提出命
令への反対声明が出ています。自分の味方に応援を頼んで取材源の秘匿は重大だ
と叫び、高裁はそれを容認してテープを出さなくていいと結論づけました。マス
コミで大きな権力を持つ人たちが、部外者にもかかわらず個人同士の裁判につい
て束になって介入し、田原氏の味方をするのは公正なのでしょうか。

- わざわざ朝生の放送中に、田原氏は、「外務省のナンバー2かナンバー3」と
特定しています。

有本 あそこまで言っておいて、いぎとなると取材源の秘匿を言い出す倫理観が
分かりません。当時の序列で言えば、薮中三十二事務次官か、佐々江貿一部外務
審議官のどちらかでしょう。田原氏はトップに接触したがりますから、仮に外務
省高官に取材をしたのが事実であれば、相手は藪中氏だと思います。

- 田原氏の場合、言論の自由を持ち出すのは不適切です。正しい事実に基づい
て評論するのではなく、ウソを根拠に好きな結論を導いている点で、分の悪さは
明白です。

有本 山口寿一氏の意見書も、「発言の当否についての見解表明ではない」と肝
心なポイントから逃げていますからね。

- 表現の自由を守れという旗にかこつけて、北朝鮮に有利な情勢を作ろうとし
ている人たちが日本にはたくさんいる、それが分かっただけでも収穫ということ
でしょうか。

有本 安全保障や防衛、外交に関わる分野においては言論の自由への制限は必要
だと思います。国の重要課題になったら、マスコミは好き勝手な判断で語っては
いけないと思います。一連の経過の中で、私はマスコミが良くならないと日本は
良くならないと痛感しています。

以上