パルデンの会

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中国、こんどは「アジア開発銀行」の別働隊を画策して日米に敵対軍事力ばかりか、アジア金融ビジネスでも露骨に主導権を狙い始めた

マスコミや経済人、政治家は本当の中国経済のことは伝えない、ましてやNHK
25年前の天安門事件では死者は少なかったというザマ! 恥ずかしくないのか?
中国に 金や女で釣られる日本社会。
本当の中国の姿を知れば 付き合いせずに スルーするのがベストな国であること
がわかるはずである。

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年5月28日(水曜日)
       通巻第4251号
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中国、こんどは「アジア開発銀行」の別働隊を画策して日米に敵対軍事力ばかりか、アジア金融ビジネスでも露骨に主導権を狙い始めた

 5月5日からカザフスタンで開催されたアジア開発銀行(ADB)年次総会で中国側の増資要求はあっさりと蹴られた。
ADBの出資国筆頭は米国と日本がそれぞれ15・6%で、中国は6・4%,インドが6・3%,豪が5・8%となっている。このため歴代総裁は日本人が務めてきた(現日銀総裁の黒田氏はADB総裁出身)。中国は増資によって日本が九代連続で担ってきた総裁ポストを露骨に狙っていた。

カザフスタンでの年次総会で中国が提案要求した新規増資が認められないと分かるや、中国はアジア向け「インフラ投資銀行」(AIIB)を設立し、新興国への貸し出し業務に乗り出すと提唱した。

要するに新興国にカネを貸すことによって、アジア諸国を経済的のみならず政治的に中国の味方に取り込みをはかる間接戦略である。資本金は500億ドルだとういう。しかも日本と米国をメンバーから外す構想。あまりに露骨な別働隊!
シンガポールの「ビジネスタイムズ」(14年5月5日)は、このAIIB構想は物議を醸していると報じた。

中国のGDPは日本をぬいて世界第二位だから、銀行の設立などそれほどの難事業ではない。しかし中国は「ジニ係数」が0・47(実際は0・51)と北朝鮮より劣悪であり、国内の銀行が西側の基準から見れば情報開示が不透明このうえなく、不良債権の闇は一切公開されず、本当のところ、経営は危機的水域にある。にもかかわらず新しい貸し付け機関を本気で新設しようというのだから、途方もなく無謀なのである。

なぜ無謀と言えるのか。
中国開発銀行という謎の金融機関がある。中国経済の闇、魔可不思議な金融システムの仕組みは、この「銀行」まがいの共産党別働隊の存在である。いや、この銀行こそが不動産ブームを演出し、中国の都市化プロジェクトを資金面でささえる推進役、ダイナミックな牽引車として機能してきたのだ。

この銀行の胴元は中国政府、そして四大国有銀行である。すでに貸付残高が100兆円を超えており、おそらく世界最大の金融機関であるが、何をしているか具体的には誰も知らない。
主たる機能は地方政府の「投資平台」などが起債する債券を買い取り、あるいはプロジェクトに融資する。当然、金利は徴収する。

あまりにも便利なため地方政府が乗っかった。たちまち10000社の「投資平台」が雨後の竹の子のように出来た。この受け皿にあぶく銭が注ぎ込まれ、そして中国全土にゴーストタウンが出来た。
(詳細は拙著最新刊『「中国の時代」は終わった』(海竜社、本日発売)。


▲あのチャベスの胴元だった

ベネズエラ原油鉱区などに中国開発銀行が膨大な資金を出資し、鉱区を開発する中国企業に途方もない資金を貸している。
世界市場を席巻する「華為技術」や「ZTE(中国通訊)」に天文学的融資枠(450億ドル)を与えている。ベネズエラ前大統領のチャベスは、「中国こそ我が同士」と公言して憚からなかった。

中国国産車の「奇瑞」に巨額の信用枠を与え、これによって同社は輸出を振興し、おどろくなかれ、エチオピアベネズエラなど海外にも生産工場をつくった。
太陽電池パネルのメーカーに野放図な融資を繰り返し国際競争力をつけさせた。欧米はこれぞ『事実上の補助金つき輸出だ』とWTOに提訴した。

具体的にいえばベネズエラ原油二十年分を担保にインフラ整備などに援助するわけだが、プロジェクトは中国企業が請け負い、そしてエンジニアは中国人が派遣されてくる。アンゴラも、スーダンも同様な手口である。地元にはなにほども還元されず、太るのは中国と結んだ独裁者、あとの元金利息の支払いは野となれ山となれ、だ。

ましてベネズエラは戦後だけでも八回ほどデフォルトをやらかし、ときどき鉱区の国有化を宣言するというカントリーリスクを背負っているが、中国はこうした方面を顧慮していないようだ。

華為技術がなぜ世界一に急進できたか。
進出する市場で驚くほどの条件を示してユーザーを横からさらうからだ。簡単に言えば支払いは一年後でも二年後でもOK、金利はLIBOR プラス 2%程度。これならビンボーな地域でも爆発的に売れるからマーケットシェアはいきなり拡大するのだ。

奇瑞自動車なんて日本人には聞いたことのない自動車メーカーだ。
そもそも燃費効率も悪いうえ、故障が多く、「アフターケアも貧弱」なので、誰も買わない代物だが、ローンの条件がよければ(たとえば韓国の「現代」自動車は試走実験でリットル12キロ、一台買えば、二台目をただにしますとか出鱈目な条件で売り出した)、そこそこのシェアを取れるだろう。
せっかく購入しても、故障で動かなくなる。補償は殆どされず、こんなクルマ買うんじゃなかった、とうめきのようなユーザーの声が聞こえる。
この潤沢な資金を供給し続けるのが『中国開発銀行』である。


▲謎だらけ、誰が運営しているのか?

中国国内を見渡しても、不動産バブル瓦解が始まっているが、もともと地方政府の投資平台のいい加減な目論見書に基づき、片っ端から貸し付けをおこなってきたのが謎の銀行「中国開発銀行」である。

この銀行のボスは陳元。そう、あの陳雲の息子である。
陳雲は革命元勲の一人、毛沢東の「大躍進」を批判し、そしてトウ小平の「改革開放」を徹底的に批判して、「鳥かご経済」を主唱した保守派の黒幕、その息子が、辣腕をふるうのが、この銀行なのである。

その仕組みはこうだ。
地方政府は図面に線を引いて農民から強制的に取り上げる農地を勝手に担保として設定し、さらに地方政府の持っている水道会社などの資産を担保に、巨額の融資をうけてハイウエイ、団地、ショッピング・モールを建設する。いや、その前に「ホワイトハウス」と呼ばれる白亜の豪壮なビルをたてる。それらの新築ぴかぴかの建造物は大方が地方政府庁舎、共産党地区委員会本部、裁判所、議会などである。

しかし結果は悲惨の結末を方々で産んできたのも事実で、たとえばエチオピアのガラス工場は年間5万トンの生産目標で工場を造成したが、国内需要は二万トンもなく、残りを周辺国へ輸出しようにも港までのアクセスは悪路、輸送費がべらぼうということがわかり中国がせっかく造った工場は閉鎖された。

ミャンマー水力発電ダムは突如工事が中断され、中国とミャンマーは爾後、口も訊かない冷却関係となった。

5月27日に「対外純債権国家」ランキングが発表されたが、日本325兆円)につぐ第二位は中国(207兆円)だった。対外純債権のなかみは霧の深い闇に覆われている。
それでも李克強首相は「都市化をすすめる」と公言しており、リコノミクスの中軸は、強気の「建設! 建設! 建設!」である。

そして中国が新しく呼びかけている「アジア投資銀行」なるシロモノ、危なくって仕方がないのではないのか。
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