http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20140611004633_commL.jpg復元されて再び営業を始める「林百貨」。当時は珍しかったエレベーターが大人気だったという=11日、台南、鵜飼啓撮影
 台湾南部・台南で日本統治下の1932年に開業した「ハヤシ百貨店」が復元され、14日から「林百貨」として再び営業を始める。台湾で2番目に古いデパートで、現存する店舗としては最も古い。台南に「モダン」の風を吹き込んだ建物の趣は当時のままだ。
 ハヤシ百貨店は山口県出身の故・林方一氏が創業。終戦で閉店した後は製塩会社や軍施設として使われたが、86年以降は放置されていた。これを台南市政府が8千万台湾ドル(約2億7千万円)を投じて復元した。
 新しい林百貨では、台南をテーマにした雑貨などを販売する。台南市の頼清徳市長は11日の開業記者会見後、「この百貨店は当時、建物、品物ともに日本風だった。日本の皆さんにもぜひ雰囲気を味わって欲しい」と話していた。(台南=鵜飼啓